水晶細工のやうに

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改札口には、明るい紫がかつた電燈が一つ點いてゐるばかり、誰も居ませんでした。
そこら中を見ても、驛長や赤帽らしい人の影もなかつたのです。
二人は、停車場の前の、水晶細工のやうに見える銀杏の木に圍まれた小さな廣場に出ました。
宮沢賢治「銀河鐵道の夜」より

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