枯れて

なんだか同じような写真ばかりで手詰まりです。どうしよう。

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新潮社PR誌「波」2023年1月号の阿刀田高インタビューから。彼が最近出した『小説作法の奥義』刊行記念イベントだそうです、

(インタビュア)この本の最終章のタイトル「花は散るために咲く」は最近心に宿っている言葉だそうですね。

(阿刀田) 全然枯れないバラの花はつまらないですよ。そりゃあ単なるモノとして見るならば永遠に枯れない造花の方が上等でしょうけれど、明日は枯れるのだと思って見る花は、人間の心に様々な感興を呼び起こします。そう考えると明日死ぬ花の方に価値がある。さらに突き詰めていくと、死ぬから価値があるんだという気もしますね。自分の心を花に同化させるのかな。


明日は枯れるかぁ。もう枯れているけどなぁ。だから価値はないよなぁ。


 ヴェネツィアは水の底なる玻璃の檻きさらぎはわが唇枯れて   (塚本邦雄:歌人)

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