昏れて明るき

長浜の記憶なお。

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やはり加賀乙彦の記事は磯崎新同様あまり出てきません。
彼は生前鴎外記念館名誉館長だったそうです。2020年9月の館報に「カミュの『ペスト』を久しぶりに読む」を書いていました。当時90歳!

ところで私はカミユの諸著作を次々に読みながら、何か物足りない気持にもなった。・・・カミュは、文章力は一涜かも知れないが、
作品の視野が狭いのだ。・・・ヨーロッパ支配の終鳶をどこかで示す術写がほしかったと思う。


この歳にして破綻のない文を書けることに驚きつつ、論理の展開に老化を感じます。
カミュと加賀の間に16年の年齢差があり、それに伴った戦争体験の差を感じざるを得ません。加賀はアプレゲールです。

 花胡桃(はなくるみ)昏れて明るきそのかみやわが死甲斐のアルベール・カミュ   (塚本邦雄:閑雅空間)

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