死者よび出さむ

なんとかは七難隠すというのでモノクロで白くして。

02-LR-PF310001-Edit-3-.jpg
s.nokton 29m 0.80
01-LR-M5319832-Edit-3-.jpg
dg elmarit 200mm/f2.8
大塚英志をもう何度目か引用します。(じんぶん堂「コロナ禍でも利用される「暮し」への祈りと工夫 大塚英志が見る、戦時下の生活との共通点とは」)

 戦時下で生まれた暮らしの形は、コロナ禍の現代と符合する。私たちはコロナ禍で不自由な生活を強いられている。だが「自粛」という言葉は、自らステイホームや休業を選択しているような気配を漂わせる。
 ・・・「家にいる時間が長くなったから、環境を快適にしたい」「仕事を家でしやすくして、日々のストレスを軽減したい」という思いは一人ひとりの生活の工夫であり、ウェルビーイングに寄与する。しかしその暮らしの変化は全く自由意志ではない。


日々の違和感は、この『自由意志から来ていない』ことに由来しているのかもしれません。
これも以前に引用しましたが、そことは別の部分から、遠隔通信(テレビ会議システム)に言及している部分。(美術手帖 さわらぎ・のい「パンデミック下の独り言とその空虚。」)

・・・たとえ必要な意思疎通こそ図られても、モニターを前にイヤフォンを装着し、誰もいない部屋で一生懸命しゃべり続ける姿が、ひとたび俯瞰(内省)すれば、大変空虚(周りには誰もいない)で、もっと言えば滑稽(つぶやきの連発)ということだ。


この感覚を捨ててしまわないようにしようっと。

 血紅の乾ける電話辻辻にひそめり 死者喚(よ)び出さむ一つは?   (塚本邦雄:日本人靈歌)

コメント

非公開コメント