2021/05/08
かすむ目とぼける頭
これは写真ですか。はい、目がかすんでピントがつかめず、どちらが上か、正しいホワイト・バランスも分からない半恍惚が撮った写真です。
だから、老人の老人による老人のための写真です。(笑)
自分でつけたきのうのエントリータイトルから何文字か脱落して、「フォークをまげる」と読んでしまうpithecantroupus。(汗)

nokton 60mm 0.95
古い記事で、2014年に『月日の残像』で小林秀雄賞を受賞したときの山田太一インタビューの一部です。人間がこうして生きて、ある年月が経つと死んでゆく。何者か、超越的な存在がいるかもしれないという発想は、そんなに突飛ではないと思っています。
小林秀雄さんは、終戦の翌年にお母様が亡くなったあと、夕暮れに蛍が飛んでいるのを見て、お母さんは蛍になったんだと思ったと書いていますね(『感想』)。この世にあるものに何の意味もないとすれば、どう考えたっていいとも言えるでしょう。蛍を母だと思う。フィクションとはそういうものだと思います。ある人にとってそれはシロクマかもしれない。
つまり、僕らは意味を欲しているんだと思うんです。自分を安定させる、心を安定させるようなフィクションを必要としている。そのフィクションは現実によって否定される。否定されることでフィクションも力をつける。よきフィクションは宝だと思います。
(考える人 『月日の残像』山田太一より)
そうだフィクション。
今日の写真をフジだといえばいいのだ。
じつは海馬の新生ニューロンだけど。
老醫師の霞める目もて空蟬のごといたはらる病後の少女 (塚本邦雄:驟雨修辭學)
コメント
Re: 奇遇ですね
でも14才でニッコールの50mm1.4はpithecantroupusからはブルジョアです。同志は失礼でした。
長く66判をつかっていたので80mm2.8の空気感が好きなのですが、ライカ判だと50mmf2ぐらいかなと想像しています。フィルムの浮き上がりを気にして開放絞りを使わなかったことを後悔している反動か、最近はm4/3ですが開放ばかり撮っています。
2021/05/08 23:40 by pithecantroupus URL 編集
奇遇ですね
私もそうでした(笑)。
抜け落ちただけではなく、順番も変わってますが。。。
何を見ても目がショボショボして困ります。
pithecantroupusさんの写真は、そんな目にも優しい。
2021/05/08 22:52 by Kanao URL 編集