2020/10/29
官不許
写真の質の低下を饒舌でカバーしてばかりいます。(笑)ネタが尽きないように、せっせと読書の秋です。
いま浅田次郎をのろのろと読んでます。例のごとく古本ですが、ちょっと贅沢に今回は100円!

olympus pen-f 300mm reflex

sigma dr2q
先日のハロウィンのお遊びのつづきもいちまい、おまけに。

olympus pen-f 25mm
ふらふらと散歩していたら、こんな一節があって、いつも引用させてもらっている塚本邦雄を連想しながら読みました。
三島由紀夫は「三島由紀夫」というヴァーチャル・キャラクターをきわめて精密に彫琢したことで作家として奇跡的な成功を収めた。・・・
三島由紀夫の独自性は、(批評家や読者によって勝手につくられ、拡大される)キャラクターを拒絶した。
・・・三島由紀夫はその作品が書かれる前には存在しなかった。平岡公威は三島由紀夫に命を吹き込み、三島由紀夫という作家に「作品の起源」の座を譲るという仕方で姿を消した。後に残されたのは三島由紀夫という「あたかも全作品の創造主であるかのように仮構された被造物」である。三島由紀夫についてのすべての「謎」もまた「三島由紀夫の謎」として計画的に製作されたものなのである。作品だけでなく、彼が造型した肉体にも、写真や映像にも、政治的行動にも、三島由紀夫の日常生活の挙措のすべてに、目を凝らして見れば「製造元・三島由紀夫 不許複製」という刻印が押されている。それはもはや「書く人」のいない完全な虚構であり、それゆえ完全な芸術だったのである。(内田樹「モーリス・ベジャール『M』解説:三島由紀夫という「起源」」より)
原子爆彈官許製造工場主母堂推薦附避妊藥 (塚本邦雄:透明文法)
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