描きし画布鉛白にぬりつぶす

きのうの撮ったのは画家浅野弥衛(故人)のアトリエ兼自宅です。
今年6月開かれた何度目かの個展のポスターが光をアブストラクトに映していました。

きょうもアトリエで撮ったカットです。
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画家の評伝(永見隆幸著)の解説で、文芸評論家清水信が「アトリエにて」と題して、小林秀雄「近代絵画」を引用したあと以下のように書いていました。

(画家は)晩年になって、長く続いた商家の店先を改造して、アトリエを持つに至り、そこで私(清水)は床屋のケンちゃんや美子(弥衛次女)と共に、コーヒーを飲んだり未完成の作品を眺めたりしていたが、豪華なピカツのアトリエですら、ドストエフスキーの『地下室の手記』の舞台である地下室の様相を呈していたという小林(秀雄)の指摘に従えば、暖冷房の完備せぬ、採光も思わしくない浅野の改造アトリエなんぞは、文字通り地下室というべきであった。
その貧しい現実をはね返すイメージの豊鏡こそが、浅野の真実の生活だったのである。ドストエフスキーの大作群を生んだ実験室の暗さを我々は忘れてはいけない。浅野弥衛という月光的芸術を考える時、その暗さに耐えた時間と勇気の孤独が先ず評価されよう。
(後略)

 馬描きし畫布鉛白にぬりつぶし母、すなはち静物(ナチユール・モルト)を描けり  (塚本邦雄)

毎日いちまいトオヌップ。習慣は創造の芽をつむと思っているのですが、年寄りは心が弱いのです。
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コメント

Re: No title

carmencさん、いつもありがとうございます。アトリエという言葉のひびきにあこがれを持ちます。地下室はちょっとこわいなあ。私は根っからの臆病者です。(笑)

No title

アトリエは光の入らない方が良いそうですね
映画「美しき諍い女」に出てくるアトリエを思い出してますが
あれもほのかに光を感じる程度でした
ドストエフスキーの作品なら地下室がふさわしいかも
チカにオリて行くジャズ屋も魅力的です
そう言えば育った家に地下室があったのを思い出しました
初めはかくれんぼなどしてたんですけど
その内荷物だらけで殆ど入らなくなりました

写真の組み合わせ、構成がいいですね
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