剛毛のツェッツェ蝿

いつも歩く川べりの道にユリが咲いているのに気づいてカメラを持ちだしました。

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E-M5 135mm

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E-M5 135mm

きのうの荒木経惟「写真への旅」には恥ずかしい思い出があります。
老化して過去のことがやたらと思い出されるとともに、羞恥心も切れてきたようです。

第一回太陽賞を受賞した荒木経惟に当時さほど関心があった訳ではありません。
本を立ち読みしたときも、独特の言い回しについていけませんでした。
なのに、本を買ったのは、滝沢脩という人の次の写真がのっていたからです。
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当時は女性の陰毛が写っているだけで「ワイセツ」の烙印が押され、「賛歌」というヌード写真集を出した杉山吉良という作家などはカミソリを持ち歩いていたというウワサです。
ネット上にナチュラルなヌードがあふれて見慣れてしまうと、マジックで墨ぬりした写真はかえってワイセツそのもので、この写真は墨を塗ったことで「作品」になり得たと思います。

塚本邦雄は「毛」つながりで、
 花咲く竝木路をタールでうづめゆく生きて嘉(よ)し道路工夫の腋毛
 眞夏なすことなく逍遥す不毛なる田園の多毛なる農夫たち
 暴動鹽のごとくあたらし剛毛のツェッツェ蝿棲む國の處女(をとめ)に

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