とどめ

茅の輪をくぐりに行くという友人の後ろに、レンズ一本もってついていきましたが、レンズの選択を間違えて輪っかが撮れずにカケラでごまかしです。

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7artisans35mm0.95
お口直しにハスを。
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nokton60mm0.95

 夏越(なごし)さらば薔薇科の花旱(はなひでり)われに一人(いちにん)わかき愛のとどめ刺す   (塚本邦雄:星餐圖)

言葉たまゆら

きのうの本命を。

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elmarit200mm2.8
色付きのハスも一枚。きのうアップした写真の二番煎じですが。
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elmarit200mm2.8

 蓮田に雨 明日わが心うらぎらむ言葉たまゆら花の閒に顕(た)つ   (塚本邦雄:蒼鬱境)

クリ

のこりもので糊口をしのぐpithecantroupusをあわれに思った友人がハス撮りに誘ってくれました。
以前はハスがいっぱい咲いていた池がかすかににおうほど荒れてましたが、新しく植えたというハスだけは咲きはじめていました。

と言いつつ、毎度のアマノジャク。
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nokton60mm0.95
連れて行ってくれた友人に敬意も表さねばならないので。
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elmarit200mm2.8

クリの歌で、季節外れですが。
 早春の夜夜に逢ひつつ舌荒れし二人が糧(かて)のラクリマ・クリスチ   (塚本邦雄:水銀傳説)

つかの間に

こそっとアップしてできれば逃げ出したい。

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zuiko50mm1.4

 こゑ殺しゐし蜜月のつかの間に夏至 砂色のあぢさゐほろぶ  (塚本邦雄:感幻樂)

アルツハイマー

ダウン中につき。

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nokton25mm0.95
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nokton25mm0.95

 アルツハイマー症の伯父より夏さらば邯鄲に引越すてふ尺牘(てがみ)   (塚本邦雄:獻身)

ルビで読まされた尺牘は「せきとく」という言葉だと検索エンジンが教えてくれましたが難しすぎてきっとすぐ忘れます。
すぐに忘れるのもいいことだと最近思います。

残り

水口ののこりものの寄せ鍋。

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nokton29mm0.80
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 殘り十日餘りの女人見舞ふべき薔薇の束針金もて縛(ばく)す   (塚本邦雄:約翰傅偽書)

はずかしい昭和の記憶

水口で花手水撮りの尻馬にのって取り散らかした一週間あと、お昼ご飯ついでに写真を撮ったときの残りものを。

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nokton25mm0.95
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nokton25mm0.95

昭和ははるかむかしなんでしょうね。
三省堂「ことばのコラム」に『おまんた」は不滅です(新潟県糸魚川市)』があって、ふっと懐かしくなりました。

東京在住の新潟県糸魚川市出身の方々で組織する「東京おまんた会」が、2007年から「東京糸魚川会」となりました。その会誌名も、『東京おまんた会々誌』から『東京糸魚川会々誌』へと衣替えされました。

名称変更の理由として、「おまんた」があまり使われない、歌手・三波春男さん(長岡市出身)の「おまんた囃子」も若い世代は知らない、などが挙げられています(会誌31号)。

とはいえ、地元では、・・・「おまんた」が愛用されています。

さらに、この一品です。「銘菓 糸魚川 おまんた」(御菓子司 三好屋(糸魚川市寺町)製造)
  糸魚川地方の方言「おまんた」にたくした銘菓
  マロやかな味とソフトな舌ざわり
と菓子折に添えられた解説用紙にあるとおりの味で、観光土産としてはもちろん、地元の方にもたいへん好まれているお菓子だそうです。(大橋敦夫)


はじめて三波春夫の歌をNHKのテレビで聞いた時、公共放送がこんな卑猥な歌詞を流していいのかと思った自分が恥ずかしい。

おまんたは”あなたたち”という意味だそうなので、”あな”で、
 蹠(あなうら)にきずある初夏のゆふまぐれ枳殻(からたち)の花の香の沁みとほる   (塚本邦雄:透明文法)

わたくしは乗つてゐない

同じような写真ばかり続きます。

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samyang135mm2.0
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 電光ニュース難破は日向灘沖の漁船わたくしは乗つてゐないか   (塚本邦雄:汨羅變)


新聞の値上がりを機に配達されるのを止めて電子版を申し込みました。
何年か前にも電子版への移行を考えたのですが、ある件を新聞社に問い合わせた回答が酷かったのでやめたことがあります。

美輪明宏の歌曲をとりあげた記事で、電子版と紙版で差があったのを問い合わせたのですが、木で鼻をくくった不快な回答でした。今は、差は、歌の著作権の問題だったと想像しているのですが。

不快な思いは残ってますが、溜まる新聞紙の処分にも困って電子版へ。
結果、いろいろ不満はあるものの、紙よりもよく読むようになりました。

大正

大鳥神社なお。二枚目はどこかちがう神社。どこだっけ。

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nokton29mm0.80
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一枚目の楼門も手前の神楽殿も大正5年の焼失後再建されて登録有形文化財だそうですが写真を撮る身にとってはあまり重要ではありません。でも大正という時間には惹かれます。あと何年かしたら、平成も同じような色をまとうのかなぁ。でも年号で時代を区切るなんて、この先いつまでも続かないよなぁ。

 大正、藍の香していつくし若者が肩までたくしあげたる袖   (塚本邦雄:花劇)

老人語

残りものは水口町大鳥神社。

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samyang135mm2.0
このごろTVが音声と字幕が出て便利ですが、『おととい』というのが目について、『おとつい』とはどんな関係か気になり、さっそく検索したら、ウィクショナリー日本語に、

  おとつい【一昨日 歴史的仮名遣い:をとつひ】
(時間) おととい、一昨日。現在でも西日本では用い東京でも老人語などとして残る。

と書いてありました。どちらも使うけど、「おとつい」が正規と思っていたpithecantroupusは、「老人語」と聞いてショックです。
きょうはもうだめ!

 老人ホームに「鱒」は鳴りつつ老人ら刺すごとき目に竝ぶ晩餐   (塚本邦雄:日本人靈歌)

菖蒲

ちょっとさぼりすぎて大忙しですので一枚でお茶をにごして。

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m.zuiko17mm1.2

 跡目相續菖蒲田組の總領が端麗に過ぎ、三年延期   (塚本邦雄:汨羅變)

待つとて

アジサイもそろそろ種切れ。

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zuiko50mm1.4
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 水無月の森ははるかにけぶりをりまみ美しき人を待つとて    (塚本邦雄:未刊行の連作)

眞逆

きょうもアジサイ。そろそろアジサイの毒がまわってきたような気もしますが。

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きょうの写真はミゾに落ちたアジサイを「真うえ」から撮って、上下を「逆」にしたものなので、「真逆」について引用します。元はNHK放送文化研究所。

「真(ま)」が付くことばは多く、真横、真北、真冬、真っ黒、真新しいなど、方向や方角、季節、形、色などさまざまなことばに付きます。

こうして見ると、「逆」に「真」がついた、「真逆」ということばが昔からあってもおかしくはないようにも思えますが、『三省堂国語辞典』(第8版)に「2000年以降に広まったことば」とあるなど、比較的最近広まったことばとされています。

NHKで全国調査を行いました。
年代別で見てみると、「真逆はおかしい(正反対はおかしくない)」と答えた人は20代では10%と割合が低かったのに対して、60代では31%、70歳以上では47%に上り、年齢が高い人のほうが「真逆はおかしい」と感じる割合が高いという傾向が見られました。


むかしは真逆という言葉は使っていませんでしたが、誰かが使ったのを聞いて(見て)から使うようになりました。それを使った誰かは確かに私よりも若い人でした。

これでも真逆だから、
 綠蔭の卒業寫眞逆光に一人づつ死にのこり七人  (塚本邦雄:獻身)

王道は王様の道

アジサイの方で。素直でないけど。

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まえにも引用した仲野徹「こんな座右の銘は好かん!」から『学問に王道なし』(みんなのミシマガジン)の一部を。

 大昔になるが、最初にこの言葉を知った時、不思議な印象を持った。王道を「歴史小説の王道を行く傑作」というような「最も正当な道・方法」(広辞苑)と考えると、意味が真逆になるからだ。

このあといろいろとあるけど、ChatGPTを試した結果など示しながら、

 で、結論。「学問に王道なし」は、急速に時代にそぐわなくなっていくのではないか。あるいは、「学問に王道なし」という言葉は、最初に紹介した「王道」の意味で使われるようになり、「学問には最も正当な道・方法などない」、という意味に転じていくのではないか。AIに頼った学問など、従来の学問から見るとどう考えても邪道としか思えない。

 王様に とさかに創のある鶏の過去 密告したる賞の楯   (塚本邦雄:水葬物語)

祈らずも

盛りが過ぎたとはいえ「花しょうぶ公園」ですから、残った花で。

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m.zuiko60mm2.8macro
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zuiko50mm1.4

備忘のために。

「なんか、今日はどうしたの?」
「え?」
「いや、少し、ぎこちないというか……」
「いえ、そんなことないです」
「でも、ほら、目も(合わせないし)」
「あ、いえ、目じゃないんです!」
「先生のその、ネクタイが、その柄が細かすぎるというか、目に悪いというか、私だめなんです。情報量が多いものが苦手で混乱してしまうのです」

 どうやら私がその日つけていた燕脂色の地に白い千鳥格子柄のネクタイが、その人を混乱させていた。コントラストの強い図柄や色が、その人にとっての空間規格の容量を超えるとダメなようで、あまりに多い文字も苦手で、「意味」が主張してきて痛いほどうるさいのだという。

 この世界には、たとえフラットに見えても無数のくぼみがある。そこに一度嵌まり込むと出られなくなったり、たびたび足を掬われて難儀するくぼみだ。しかもそれは、他人には全く経験できないし、理解されない。だから今回のような時には、そんな世界のくぼみと生きている人がいたのかと自分の世界の狭さを省みながら、ちょっとだけ新しい世界を垣間見られた気がして心が躍る。そして、そのささやかな返礼(?)ではないが、ネクタイの選択という自分にとってさほど重要ではない行動を変えてみようと思う。
稲垣諭「ネクタイと、世界のくぼみについて」 群像2022年8月号

ネクタイを見つけ損ねて”たい”で、
 ランボーの妹禱りわがいもうとは祈らずも 靑黛(せいたい)の眸(まみ)   (塚本邦雄:靑き菊の主題)

罪科もち

お昼ご飯ついでに行ったのはとなりの市の花しょうぶ公園でしたが、花しょうぶ祭りは一週間前に終わって、主役がアジサイに移りつつあるところでした。

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 一人(いちにん)の人閒の罪科(つみ)しづかなる重さもち紫陽花が剪られつ   (塚本邦雄:日本人靈歌)

くちなし

くちなしは好きですよ。白い色も匂いも、実で染めた栗きんとんも。
きょうのお昼ご飯ついでに写真。

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先日、北陸中日新聞の記者コラムを引用しましたが、きょうも重ねて。

 「びっくりした、公式の場であんなこと言うなんて。あれはハラスメントですよ」。インドネシア人記者の男性(62)は憤った。
 一月末、北陸三県による北陸新幹線敦賀延伸前の海外メディアに向けたPRイベント。石川県職員が金沢の魅力を紹介する際に「芸妓(げいぎ)をしていた女性が知り合いにいます。今はホステスですので、声をかけてくれれば紹介しますよ」と英語であいさつをした。それを聞いての発言だ。

 何をなりわいにしているのか、が問題だったのではない。女性という性別をだしにして、笑いや関心を引き出そうとし、そうした内容のスピーチがそのまま、まかり通ってしまったことが問題だったのだろう。


あやういと思いました。自分の感覚があやういと。反省を込めて引用です。


 死はこころざしに先立つ前(さき)の世の霜にみのりて朱き梔子(くちなし)   (塚本邦雄:黄冠集)

またはかなきことを

誘ってくれた友人に敬意を表して花手水も一枚ペタッ。

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「ちょうず」の歌を見つけ損ねて「ちょうじ」で。
 丁子・茴香・肉桂・胡椒夕映に妻は選るまたはかなきことを   (塚本邦雄:閑雅空間)

魂の価

お昼ご飯のついでに花手水を撮りに行くという友人の腰ぎんちゃくになって。
友人はせっせと花手水コレクションを撮ってましたがへそ曲がりのアマノジャクはよそ見写真で。

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チャットGPTをネタにした記事は面白いです。北陸中日新聞の記者コラムから、長くなりますが全文を。

 何かと話題が尽きない対話型人工知能(AI)「チャットGPT」。ミーハーな私もパソコンで利用登録した。コラムを書くコツを問うと「読者の視点に立って」「具体例やイメージを交える」など五つのポイントで説明。小憎らしいほどまっとうな内容だった。

 ところが、作家の故・大江健三郎さんの代表作を尋ねると「わが聖女の生涯」「わが闘争」「永遠の男」と事実無根の回答。「知ったかぶりはやめて」と入力したら「不確かな情報に基づいた発言を控えます」と謝られた。

 続けて大江健三郎風の小説を書くよう頼むと、すぐに「煙とダイヤモンド」なる短い物語を作った。代表作すら知らないのに…。疑問を投げると「作品を直接読んでいなくても、彼の文章の特徴を学習している」。全く大江風でない珍妙なその物語を読みながら、空恐ろしくなった。(珍問答)


 老ゆるはおそろしき六月琅玕の一つかみ魂の価(あたひ)は   (塚本邦雄:花劇)

はづかしい

かわりばえ無しです。はずかしいけど。

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 裸祭の花崎遼太處女座(をとめざ)のうまれ死にたいほどはづかしい   (塚本邦雄:不變律)

土曜日の

近江大鳥神社なお。で撮ったというだけでそれらしくはありませんが。

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 土曜日の深夜すさまじカナリアも百合もわが仇敵も眠らず   (塚本邦雄:天變の書)

ひたすらあを

一、二枚目は大池寺、三枚目は大鳥神社、いずれも滋賀水口町です。

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ニュースに出てくる言葉についていけません。「タイパ」「Z世代」エトセトラ。
コスパという単語も下品な言葉だと感じていましたが、タイパは、むかしむかしエロ小説で知ったツンパと同類のにおいがします。
こんな言葉を口にしなければならないアナウンサーという職業はかわいそうだなぁ。

 水無月に逢はむ ひたすらあをあをと晒布(さらし)六尺曝(さ)るる肉感   (塚本邦雄:波瀾)

「曝」という漢字を出すために「ばくりょう」と打ち込んでも「曝涼」が出てこない日本語変換。IMEのアホ!

にくしみ薄る

花手水撮りのよそ見写真を。ヘソマガリは上を見るのです。

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花手水もそれなりに。
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朝日の書評欄を再録しているサイト「好書好日」に載った宮部みゆきインタビューから。(「ぼんぼん彩句」 17音の奥探る新たな挑戦


 ほぼ同年代の友人たちで作る「BBK」(ボケ防止句会)で披露された俳句を、短編小説にしてしまおうという試み。12編を収録した。

「私たちBBKは、まだ俳句の『凡手』ですが、お菓子のボンボンのように繊細できれいで、彩り豊かな句を詠みたい。短編集も彩り豊かなものになりますように」という願いを、本の題名に込めた。

「年を重ねて想像力が減ってきているのを実感しますが、俳句というお題に取り組むのが、ものすごく刺激になっています」

 大俳人の金子兜太から聞いた言葉を心に刻んでいる。「新しい試みは、いくつになってもやればいいんだ」。


「ボケ防止句会」が「BBK」なら、”Age of Pen"は「BBB」(ボケ防止ブログ)です。
想像力減退はpithecantroupusも切実な悩みですが、かわりに現実に非現実が混じる妄想が増えているのでバランスがとれています。(笑)

季節がずれていますが”十七”なので、
 茄子の花の紫紺にむかふ十七日にくしみなんでふ薄るべきや   (塚本邦雄:不變律)

ばうしゆ

近江水口巡り、なお。

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きのうが芒種といまさら知って、
 六月六日芒種(ばうしゆ)、歯齦(はぐき)のかすりきず父棄つる心未ださだまらず   (塚本邦雄:睡唱群島)

外側

撮影の誘ってくれた友人に敬意を表して花手水も。

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以前にチャットGPTや音声自動認識のおバカを書いていたブレイディみかこの連載(婦人公論.jp)の最新記事から、英国でママ友が、意外と互いのことを知らないのに自分はそれぞれのママ友の個人的な事情を知っていたという事実から。

わたしには一つの仮説がある。彼女たちが自分の身に起きていることをわたしに明かしてくれたのは、実は、わたしが英国人ではないからではないか。
マウントの取り合いになりがちなママ友のサークルの中で、たぶんわたしはマウントを取らなくてもいい相手と見なされていたのだろう。

「外側の人」と言えば差別的に聞こえるかもしれない。が、閉ざされた狭い世界が息苦しくなった時に救ってくれるのは、外側に立っている誰かの存在だ。「第三者」が必要な局面が人生には絶対にある。


 緋の傘を斜(はす)に翳して大家族中除外者(のけもの)の美(は)しき妹   (塚本邦雄:約翰傅偽書)

のごとく

きのうファインダーのイヌと目が合ってあわててピントをずらせた臆病なpithecantroupusは、きょう友人に誘われて近江水口町へ。
友人は花手水が目的でしたが、アマノジャクはそれ以外を探してパシャッ。
ますますヘソが曲がってきたような。

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 靑水無月きのふ牝馬をたまはりし駿馬賣僧(まいす)のごとくあゆめり   (塚本邦雄:綠色研究)

こわいからピンボケ

むかしのつづきを。

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 六月のかく燦然と水際にシェパードを打ちすうる女人   (塚本邦雄:詩歌變)

かつて

近江高島の畑なお。出来の悪さは10年以上前に撮ったから。(笑)

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自分の撮った写真をAIに採点してもらうというというのも近いのだろうなぁ。すでにそんなサイトがあるのかなぁ。
”いいね”の数がどうこうより、写真を転送すれば勝手に採点してくれるWEBとか。カラオケの採点みたい。
あるいはブラウザーで見ている写真をリアルタイムで採点するアドオンとか。
ゾッとするね。

”勝手”のかわりに”かつて”で、
 かつてフラ・アンジェリコ輓近フックスと溺れつ醒めつ祖父(おほちち)白壽   (塚本邦雄:詩魂玲瓏)

「輓近(ばんきん)」が分からず検索したら福沢諭吉「文明論之概略」に例があるそうで、むかしこの本の岩波新書を読んだ記憶だけあって輓近はすっかり忘れているアホpithecantroupus。

近江高島の畑という場所だったと写真がいうのですが記憶は怪しいのです。

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 死にいたる戀いつの日に少年の黄の聲「ライ麥畠横切り」   (塚本邦雄:驟雨修辞學)

きし

のこりものにはふくがあるという言葉の信者です。

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新名人誕生だそうです。棋士のかわりに騎士で。
 陥穽を豫知するゆびのなめらかなうごきに眩暈(めまい)するチェスの騎士   (塚本邦雄:水葬物語)