2020/11/03
きょうは二番煎じということで。(汗)
磊落に洟(はな)かむことも霜月のよすが戦艦「安芸」の悪友 (塚本邦雄:歌人)

olympus e-m5mk3 135mm 二重露出
感想文のつづきも書いて、水増し水増し。
こんな一節もありました。
・・・どうもこのごろ、猜疑心が強くなったような気がする。もともとは何だっていいふうにしか考えない楽天家なのだが、六十を過ぎたころから悪意を警戒するようになった。
世の中のせいではない。体力が衰えた分だけ、何か事件や事故が起きる前に予防をしておこうとする、動物的な本能なのだろう。
しかし考えてみれば、それはずいぶん情けない話で、そうした本能の命ずるままに老いてゆけば、しまいには煮ても焼いても食えぬ偏屈な年寄りになってしまうと思う。(浅田次郎「おもかげ」より)
まったくおっしゃる通りです。経験的に真実だと知ってます。猜疑心をよすがにしなければならない悲哀です!
「命ずる」「食えぬ」と歳相応の言い回しの中に、(事件や事故が)「起きる」と書いてあります。「起こる」という客観性が強い表現を避けたのかな。
「命じる」「食えない」と言わないところは、pithecantroupuより5歳ぐらい年上を想像します。
「起きる」は人為現象、「起こる」は自然現象と習ったような気がするので、事件は起きるけど事故は起こると、これもあやふやな記憶です。細かいことが気になるのも年寄りの属性かもしれません。