かすかなる毒

pithecantroupusは変人でへそ曲がりでアマノジャクですが、アブノーマルではありませんよ。
証明するために、きょうはヒガンバナを真面目に。

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olympus pen-f 50mm

あっ、これでは花が分かりませんね。
ちゃんと、ヒガンバナを撮りに行ったことが分かる写真を一枚。

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olympus pen-f 60mm macro 二重露出

『なぜ、植物図鑑か』(中平卓馬)の冒頭に、本を書く契機になった中平への批評(吉川知生「中平卓馬に向けて」『美術手帖』一九七二年八-九月合併号、投書欄)が引用されています。その引用文の一節、

 ・・・今、あなた(中平)は自らの思考の基点に反して、自らの写真に毒された意味づけを、毒された言葉によって成そうとしている。何かが喪われていくときに感ずる哀愁に似た感慨は、微妙に美しくもあるが、何とも悲しいことに違いあるまい。(後略)

と書いてあるのですが、「自らの写真の基点に反して、自らの思考に毒された意味づけを、毒された言葉によって成そうとして」と言ったほうが当たっているように感じます。他山の石です。


 秋風のかすかなる毒くちびるにあり今日一日歌はずにすまば   (塚本邦雄:不變律)

ごぼごぼ

毎度のことながら、きれいなヒガンバナを撮っている人の横で花に尻を向けて、『何撮ってるの』写真を撮りました。
ええ、pithecantroupusは変人ですよ。「ふつう」は嫌いなんです。困ったもんです。

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olympus pen-f 50mm
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olympus pen-f 50mm

放置されたビニールハウスに雑草が茂っていました。(素材メーカーの名前も写っているのがご愛嬌です。)
二枚目を水族館を連想しながら撮っていて、中で泳ぐ、人でない自分を想像していました。

 死ののちも明日は鮮(あたら)し ごぼごぼと熱帯水族館(アカリウム)の水替はる   (塚本邦雄:日本人靈歌)

黄泉

きのうの動画は、グーグルドライブに入れたのですが、「WEBで公開」という設定ができなくて、「10年前の写真です」といリンクをつけました。いつの間にかグーグルドライブのメニュー画面が変わって困っています。
「いま、会いにゆきます」のサウンドを借りました。

きょう、友人とお昼ご飯を食べに出かけた「寄り道」写真で。
白いヒガンバナの列が、ここが黄泉比良坂(よもつひらさか)と幻想を抱かせました。

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olympus pen-f 4mm

 店曝しオレンジジュース陽に透きて世紀末用黄泉のみづ   (塚本邦雄:風雅黙示録)

いまあい

先日、鹿せんべい依存症なる記事を書きましたが、鹿せんべいは「おやつ」なんだそうで、紛らわしいことを書いてしまいました。
シャッポを脱いで反省します。

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フェイクまがいの記事を書いてしまったわけですが、きょうは朝から竹内結子死去のニュースに一瞬フェイクかと思いました。
NHKのサイトだったのに疑ってしまいました。
ちょっと好きな女優さんだったのに。



10年前の写真です
ファイルの共有がうまく設定できなかったので、リンクをつけました。

なにありや秋

ヒガンバナ、かな。
ネコジャラシは好きですよ。

ちょっと種類がちがいますが、
ネコジャラシ→エノコログサ→狗尾草→狗→犬→イヌタデということで、
 遺すべきなにありや秋のほそり陽に犬蓼の穂のいよよ紅かれ   (塚本邦雄:薄明母音)

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olympus e-m5mk3 60mm
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olympus pen-f 300mm

コロナ禍での差別のニュースが散見されますが、どうすればなくなってくれるだろうと思っています。
千葉雅也立命館大教授の対談から引用します。

 人間は何らかの集団的アイデンティティと無縁では生きられません。そして、アイデンティティは必然的に排他的です。排他的であることを完全に避けようとしても無理です。だとしたら排他性の程度をできるだけ低くするしかない。
 悪口を言い合ったり、陰口たたいたり、適当に愛想笑いしたりして、人はやってきたんですね。それを全部きれいに整序するというのは土台無茶です。誰もがどこかしらで排他的であることを極端化しないですませるにはどうしたらいいか、そう思っているんです。
人間ひとりひとりが、反省する存在として他者と向き合う必要がある。反省しつつ上手くやっていく必要がある。(『「差別はいけない」とみんな言うけれど。』刊行記念対談)

まみどりの

きょうは枚数で勝負ですから、質は問わないことに。(笑)

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自粛警察という言葉がきらいです。

pithecantroupusは、警察に強い反感を持った親に育てられ、全共闘の後塵をあびながら青春時代を過ごしましたが、「警察」という言葉に、権力とともに正義や中立性を感じています。
プラスイメージとはいかなくとも、マイナスでないイメージです。
そんな警察という単語をあの非難すべき行為、間違った行為に使ってほしくないのです。
自粛アホとか自粛馬鹿では阿呆や馬鹿者に失礼かなあ。

 走馬燈父がゑがくはまみどりの闇女童(めわらは)が警官を追う   (塚本邦雄:花劇)

依存症

彼岸花なお、です。白い花はちょっと幻想的な印象でした。

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olympus e-m5mk3 17mm

ちょっと花が小さすぎるのですが。クリの実が気になって。

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olympus e-m5mk3 60mm

ネットのニュースで、奈良公園のシカが、コロナ禍で観光客が減り、鹿せんべいをもらえずやせ細っているという記事を見ました。
多くは山へ草を食べに行っているが、一部のシカは『鹿せんべい依存症』になっていて、食べるものがなくなってきているというのです。

ガリガリのシカの写真を見ると、どうも年寄りのシカみたいでした。
やっぱり、非常時に老人はダメージが大きいのだ!
世の中の空気が殺すのです。pithecantroupusも死ぬかも。
でも体重は増えている。(笑)

 朝酌(あさくみ)・秋鹿(あいか)・美談(みたみ)・楯縫(たてぬひ)、出雲にて水飮めば新珠のあぢはひ   (塚本邦雄:汨羅變)

へば

蜘蛛の巣を友人は「へんばり」と言います。
三重県の方言のようですが、なぜかpithecantroupusは馴染めない言葉です。
「へ」というのがいけません。言葉を聞いただけで、身を引いてしまう。(笑)

ピンボケはおおめに見ることにして。

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olympus pen-f 300mm

「へんばり」の歌はないので、「へば」で、
 老いてはじめてうつくしき父秋風の吹きぬくる雪隠におもへば   (塚本邦雄:詩歌變)



きのうはデジタル庁について反語的な書き方になって、あたかも新しいリーダーを支持しているような書き方になってしまいました。
彼の人は記者会見でいつも、自分の勤めている会社(内閣)の社長(総理)を、「お言葉」など敬語で表現していました。信用できるわけがありません。
Twitterで集めた情報をマスコミに売りつける商売が繁盛するように、SNSで集めた情報をマイナンバーカードとリンク付けすれば、情報管理と官僚管理に加えて国民の管理も出来そうです。いえ、もう管理されているのだろうなあ。

うたがうらくはつぼみのまま

毎年ヒガンバナを撮っているので同じような写真を撮らないように気をつけるのですが、
年々、記憶力が怪しくなっている身には使用するレンズを変えたりしても、なかなか厳しいです。

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olympus pen-f 300mm
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olympus pen-f 300mm

 鬱天使(うつてんし)うたがふらくは人の子の男つぼみのままほろぶるを   (塚本邦雄:陽帝領)


彼の人の口からデジタル庁などと聞くと、情報管理と官僚管理の省庁で、ますます公文書は見えなくなり、ますますマスコミは御用聞きになるのかなどと感じるのは老人の杞憂です。
言い過ぎたかなあ。続きを書いていたら、エラーが出たので後日書きます。

かみ一重

二か月ぶりに友人が撮影に誘ってくれてヒガンバナを撮りに行ってきました。
が、pithecantroupusはへそ曲がりなので、ヒガンバナでないものをパシャッ。
もっと素直になろうと思ってはいるのですが。

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olympus e-m5mk3 60mm
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olympus e-m5mk3 60mm

一枚目は風雨にさらされてしまっていますが、竹の先に御幣をつけた依り代なので、田の神様なんでしょうか?
二枚目は地域の年寄りが遊ぶゲートボール場の手洗いに、こころ弱ったpithecantroupusが見た十字架?(汗)

 神を後ろより擁(いだ)きしめ靑春の閒一髪の髮の琴線   (塚本邦雄:されど遊星)

ごんが

彼岸花の写真を皆さんのブログでそろそろ見かけます。うらやましいなあ。
pithecantroupusは昔々の写真を探して、あれやこれや思い出しています。

きょうは10年前の動物!

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「ごんぎつね」の歌はないので、「ごん」で、
 歳月われの頭上を過ぎつつあたらしき五合枡(ごんがふます)の角のくろがね   (塚本邦雄:波瀾)

半世紀前の

回想法「徳島脇町」を性懲りもなくまたやってしまう、反省しないpithecantroupus。

「反省」していないので「半世」で、(汗)
 半世紀前の飢ゑいまさらさらと水飯(すいはん)に浮く蝶の鱗粉   (塚本邦雄:汨羅變)

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「今サラサラ」なのか「今更さら」なのか。水飯(すいはん)は食べたことないなあ。
「飢え」という単語への感覚も戦争を経験したかどうかで違うのでしょうね。同様に、震災を経験したか否かでも分かれてしまう気がします。

露光

先日、エッチな灰皿とオリンパスOM-1を撮った時の残りものです。
露出計のセレン光電池は今でも生きています。

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露出計の歌は当然みつけられず、「露光」で探して一首だけ見つけました。(汗)
 萬綠の露光る野にめざめたりはね濡れて透く我のそびらよ   (塚本邦雄:歌誌『オレンヂ』)

かび色の眼鏡おく

一週間の疲れが土曜日に来た昔がなつかしい。金曜日に来るようになり、とうとう木曜に。歳はとりたくないなあ。
回想法がまずいのかもしれませんが、脇町3枚です。

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塚本邦雄の木曜日の歌もあるのですが、「もくよう」によく似てる「もくよく」で、(汗)
 沐浴の父月にむけ黴色の眼鏡おくあはれなにに備へ   (塚本邦雄:水銀傳説)

虹をつかむ

また回想法に恍惚として、徳島です。
映画のロケ地にもなったと聞きました。脇町、オデオン座。

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 映書果てて出口の光あざらけし疾く出よマクベスの妻が來る   (塚本邦雄:詩魂玲瓏)

ホラ吹きの裔とて

オリンパスOM-1と未来技術遺産に同時に選ばれたトプコンREスーパーは持ってないのですが、
普及機のRE2の頂き物があったので記念写真のつづきです。これも縁のおかげです。

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olympus pen-f 25mm
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olympus pen-f 25mm

RE2とほぼ同世代のハーモニカは、もう50年以上誰の唇にも触れていないと思います。
 ハーモニカ吹きの裔とて肥厚性鼻炎つのらすとのゐつとめき   (塚本邦雄:透明文法)


ぼけぼけではトプコンが可愛そうなのでおまけを一枚。
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olympus pen-f 25mm

鬼にさらはれ

12年前の写真をいまさらに。
徳島です。

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撮影場所とは無関係ですが、徳島県名西郡神山町鬼籠野を歌った歌で、
 踊子の幾人(いくたり)鬼にさらはれし淡紅(うすべに)あはれ野邊のひるがほ   (塚本邦雄:新歌枕東西百景)

鬼籠野は「おろの」と読むそうです。写真は徳島駅と脇町で撮ったものです。

未来とは

オリンパスの映像部門が本体を離れるというのは、他家へ養子に出されるような感じですが、そんな矢先に国立科学博物館「未来技術遺産」にOM-1が選ばれたということで、記念写真を。

それにしてもOM-1と一緒に選定されたカメラがトプコンとミノルタでは、オリンパスの未来は暗いなあ。

 未來とはあけぼのの墓地、妻とその母らの水銀色の墓碑充つ   (塚本邦雄:水銀傳説)

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olympus pen-f 17.5mm
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olympus pen-f 17.5mm

40年以上前にハワイ土産にもらったヤシの実の灰皿は愛用しすぎてボロボロですが、
いかにもpithecantroupusのお下劣な品性にぴったりのスーベニールで、ついつい精神的にゆるんでしまいます。
いまだに、です。

何に溺れて

海水浴なんてもう何年もしてないなあ。きっと、もう泳げなくなっているだろうなあ。
5年前のボツ写真で海への渇きを少しだけ解消しようっと。

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 何に溺れてただうらうらと夏の父や篳篥(ひちりき)の孔九つ昏し   (塚本邦雄:歌人)

懐旧のアヘンのゆくえ

まだ大平宿。はやく覚醒しなくてはいけないと分かってはいるのですが、懐旧のアヘンに、負けてます。

 薔薇戰爭・阿片戰爭・核戰爭 あゝいくさそのゆくへも知らね   (塚本邦雄:汨羅變)

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 「やすらひ」と「やすらぎ」の

思い出のアヘンに昏睡したままです。

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急な雨にいじめられながら、今日もヤボ用でした。その後の家事労働も終わって、ブログを書ける時がやすらぎの時間です。

 「やすらひ」と「やすらぎ」の間(かん)曰く言ひ難し白曼珠沙華折れ伏し   (塚本邦雄:約翰傅偽書)

先祖はX

先日、オリンパス・ミューを撮ったので、ご先祖筋のオリンパスXAも撮ってみました。こちらも父から譲られました。

「先祖」の歌を見つられなかったので、「ぜんそく」で、(汗)
 喘息家族われらが愛すクレーの書一つ、さかさまに鳥囀(な)くけしき   (塚本邦雄:水銀傳説)

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懐旧の大平宿も一枚だけ。

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言葉それつつ

懐旧の大平宿を一枚だけです。

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きのう「雑草まるけ」と書きましたら、「方言よ」と教えていただき、ビックリしました。標準語だと思ってました。
この歳にして、そんなことも知らなかったのかと、我ながらガックリです。

「結構毛だらけ、猫灰だらけ」といいますが、「毛まるけ」とは言わないものなあ。
そういえば学生時代にも、標準語と思っていたら「三重弁」だったということがあって、ずいぶん恥ずかしい思いをしたことがありました。

「雑草まるけ」は「雑草だらけ」と書けばよかったのですが、「だらけ」の音の濁りを嫌ったのが間違いでした。
「まみれ」という語もあるようですが、こちらは「まみれて」という使い方もするのでちょっと違うかなと思います。
「だらけ」も「まみれ」も、マイナスイメージの名詞が前につくことが多いように感じます。

 よこざまに言葉逸(そ)れつつ灼熱のスープの皿に浮く秋の蝶   (塚本邦雄:靑き菊の主題)

雨上がりの惨と照れるひとときに

ジンジャーが雑草の中で咲いたのですが、なにせ周囲が雑草まるけなので、アップで撮りました。
が、近寄りすぎて何撮ったのか分かりません。(笑)

 夏、慘と照れるひととき砂色の生薑(しやうが)賣り來る死者のこゑして   (塚本邦雄:日本人靈歌)

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一枚目と同じフレーミングですが、モノクロでも一枚。

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あららぎ(蘭)

台風はpithecantroupusのPTSDの原因です。冬の季節風にさえ恐怖感が起こります。老人なのに。
おおきな被害がおきないことを願っています。

飯田市大平宿にいったのはもう10年以上もむかしの夏でした。
きょうは『数で勝負』の日です。(汗)

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「雪の夜の醤油かんばし蘭(あららぎ)村」、という俳句が塚本邦雄「甘露」という句集にあるそうですが、あいにく本を持っていないので確かめておりません。

Mの記憶

付添というのも疲れますね。大変なのは他人なのに、自分の都合でない用事ということに疲れるような気がします。我儘のつけが回ってきているのかも。

カメラはオリンパス・ミュー。父の持ち物でした。

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olympus e-m5mk2 17mm

ミューへの敬愛をこめてもう一枚。
化石は子供の夏休みの宿題の残骸(?)。

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olympus e-m5mk2 25mm

ミューにちなんで、μの大文字Mの歌を、
 蒼き貝殻轢きつぶしゆく乳母車・many have perished, more will(あまたほろびたり、さらにほろびむ)   (塚本邦雄:日本人靈歌)


コロナ禍にカミュ「ペスト」への言及があちこちにありますが、これもそのひとつです。メインはカミュではなくジョージ・オーウェルですが。

 疫病大流行のいま、カミュの『ペスト』やデフォーの『ペストの記憶』が新たに読み直されているのは、話題がタイムリーであるからだけでなく、それらの古典としての力にもよるのだろう。(ジョージ・オーウェルの)『一九八四年』も、市民的自由と国家統制の相克、現代の権力のありよう、権力の暴走の怖さ(私たちが彼らを監視していなければ「ビッグ・ブラザーがあなたを監視中」となりうる怖さ)を1人ひとりが考えるうえで、思考のヒントとなる古典であると思う。
 当面は新型コロナウイルスがいちばんの脅威で、私たちは政権担当者の愚策・無策に遠慮なく批判の声を挙げつつ、とにかくこれに耐えて生き延びねばならないが、(ナオミ・クラインの用語をもじるなら)「惨事便乗型全体主義」とでも呼ぶべき動きにも注意を払っておいたほうがよさそうだ。「オーウェル」世界をフィクションに留め置くために、いまオーウェルから学びうることは多い。(川端康雄「新型コロナ時代に、ジョージ・オーウェルが再び注目される理由~ディストピアの言語とは何か)

遅刻す

駅のエスカレータで前へつんのめりました。突然の停電。
電車は55分遅れました。

予定が狂ったので、写真も古いものでお茶を濁そうという魂胆です。愛知県西尾、ひとむかし前です。

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 鼠色の雨衣晴天の日も似合ひ晩餐にも革命にも遅刻する   (塚本邦雄:日本人靈歌)

みのるか

ミノルタをもう少し。
シャッターダイヤルと同軸のレリーズボタンが好きです。

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olympus e-m5mk2 25mm

きょうもおまけを、こっそり、ひっそり。

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千代田光学なんていうのはとっくに死語でしょうが、「実る田」はもう少し寿命が欲しかったなあ。

みのるたは見つからず、みのるかならありました。(汗)
季節外れですけど、
 飼犬ルカの戀はみのるか家具店のうらには枇杷の熟實瞬き   (塚本邦雄:約翰傅偽書)

懐旧・哀愁・憂愁・憂鬱

ブログを表示したテレビジョンの前に、懐旧の、いえ哀愁のミノルタをおいてパチリ。

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olympus e-m5mk2 25mm

哀愁のミノルタでは寂しいので、また、むかしむかしの「何撮ってるの」のたぐいも一枚。

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 われ在るは憂愁と憂鬱の間(かん) 鶏血石が血をしたたらす   (塚本邦雄:約翰傅偽書)

蝶一頭今、門前に名告らむとして

一枚だけ、こっそりと。

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