扉の外みかげ

むかし撮った写真を選んでおきながら、息がつまるようなものばかり。
もっと開放感がほしいなあ。

でもきょうも閉塞感!

『どこでもドア』に憧れて。

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どこでもドアってピンク色なんですね。検索して知りました。
だから、これではどこへも行けない。

 無花果をたべる二人のささやきの扉の外みかげ石つみかさね   (塚本邦雄:透明文法)


さびしいからお気に入りの写真で、ブログに前にあげたのとフレーミング違いを。
撮った時に、なぜお前がそちら側にいるんだ、と思いました。

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第六次元

暦はもう秋ですが、時間の方も8月が終わろうとしていますので、いそいで夏の花を。
といっても、むかしむかしの西尾です。

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 みどりごの顳顬(こめかみ)、そこに第六次元の發信基地などあらぬ   (塚本邦雄:汨羅變)

第六次元が分かりません。きっと特別な能力だと想像するのですが。

さらばみじかき光

家事労働も週休2日制にしてほしい。家出したいなあ。

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まあアクセントになっている(ような気がする)ので、正直者を貫きました。ことさら頭頂部をねらったわけではありませんよ。ごめんなさい。

 さらばみじかき夏の光よ理髪師にわが禁欲の髪刈らすべく   (塚本邦雄:水銀傳説)

街よぎり

きのうの写真に味をしめて、きょうも瀬戸です。
味がうすい分は、数と大きさで補ってます。(汗)

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 にくしみにひたひ冷えつつ街よぎりくれば薄紙のうちの白桃   (塚本邦雄:綠色研究)


首相の辞任のニュースがあふれていますが、pithecantroupusはこっちのニュースのほうが気になりました。

 26日午後4時15分ごろ、電車内で向かいに座っていた高校1年の女子生徒(16)に「足を広げるな。閉じろ」と注意し、実際に膝を両手で押し、開いていた足を閉めたとして、兵庫県警相生署は26日、暴行容疑で神戸市須磨区の無職男(65)を逮捕した。(神戸新聞)

年齢が近い爺ちゃんの気持ちよう分かるなあ。でもいまどきは、パンツが見えても恥ずかしくないのですよ。(笑)

いやはてのまぼろし

瀬戸なお、聡太二冠まだ三つ。
かつての瀬戸物づくりを再現した瀬戸蔵ミュージアムと名前も昭和な銀座商店街で撮りました。

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 永かりし昭和の不和のいやはての血しぶき まぼろしの百日紅(さるすべり)   (塚本邦雄:詩魂玲瓏)

晴天に抜け道

藤井二冠が3才ごろの写真を、ゆかりの瀬戸だけでは寂しいので西尾もおまけして。

やっぱり昔の写真は性格が正直にでてるなあ。狭いところが好き、セーラー服が好き。(汗)

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 晴天に遠き地階の抜け道に少女ゐて錆びし銃器を愛す   (塚本邦雄:装飾樂句)

疲れて夢む

きのうのレトロにひかれて今日は瀬戸のむかしむかし、藤井二冠がまだ3才だったはずです。
きょうもぐったり。写真を撮ってないから疲れるのかもしれません。眠たいです。

 疲れて夢む 銅貨入れれば胴顫ひして鳴る舊き映畫のピアノ   (塚本邦雄:装飾樂句)

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天使キャラメル

今週はヤボ用に振り回されています、と言い訳しつつ。

ピントの合わせ損ないでも、ここはもうない場所なので、記念写真です。
西尾劇場という映画館でした。

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 天使キャラメル廣告塔に晝死せる天使がむらさきのうす笑ひ   (塚本邦雄:日本人靈歌)

暑っ!

アプリのトラブルで更新が遅れました。面倒だなあ。

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 カリグラ傳あるとき愉快なることにおのれ愧ぢつつ秋暑きかな   (塚本邦雄:黄金律)

夏いつ過ぎ

朝夕、すこし涼しくなった気がします。
で、むかしむかしの明治村で、夕と夜。

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 愁ひなきに似たる夕べの忍冬(すひかづら)ナザレの夏のいつ過ぎにけむ   (塚本邦雄:趨翅箋)

つぶやき知能犯

暑い中をお仕事ご苦労様ですの写真で。
部屋でゴロゴロしている反省をこめて、ペタッ。

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きのうの引用は、つぎの書き出しで始まっています。

 Twitterに投稿するツイートのことを「つぶやき(独り言)」と呼ぶ頻度は、確実に下落した。いまではTwitterへの投稿は、短くても立派に公共性を帯びていて、人の生き死にを左右し、社会の動向さえ変えてしまう。 ・・・ こうしてパンデミック下となったいま、改めてツイートのことをつぶやきとしたのは、あながち間違ってはいなかったのではないかと、考えている。
 Twitterに限らない。遠隔通信全般に特有のこの独り言性 ・・・

テレビの画面をニコニコ動画よろしくTwitterの書き込みが流れ、番組進行さえもツィートにたよっている。AIの進化で、Twitterの情報を集めてちょっと手を加えて売り出し、それが新しい報道だともてはやされる。友人はこの会社が提供するコロナの「ニュース」に首までつかっています。

人格も、知性も、品性もないと老人は感じるのです。

 低血壓のせゐとつぶやき知能犯きみは枕を低くして眠(ね)る   (塚本邦雄:汨羅變)

なににひたされ

道端のユリでも、暑さに負けずにけなげに咲いているのは美しいと感じました。
あのようにありたいとは思うのですが、愚でたるんでいるpithecantroupusには無理だなあ。

12年前の蔵から探してきました。
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気合を入れよう!

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 百合に隱るるわかものの首たそがれに世界ひたされつつしづかなる   (塚本邦雄:タイトル不明)


ネット社会で当然とされている常識に欠けている時代遅れのpithecantroupusも納得する話を見つけました。

・・・遠隔通信は、社会的には必要とされても、社交的には本質的に無礼なのである。
 このことは「ソーシャル・ディスタンシング」を「フィジカル・ディスタンス」とは呼ばないことに、通じている。求められているのは、物理的な距離だけではない。肝心なのは「あなたにはうつさない」という意思表示(社交=ソーシャル)を含む態度(ディスタンスではなくディスタン シング )のほうなのだ。・・・
・・・ だからこそ、確かめなければならないのは、遠隔通信が、たとえ今後どんなに透明性や利便性の点で高められても、周囲から見た(ソーシャルな)風景としては、依然として独り言であり、本質的につぶやき的なものだ、ということだ。・・・
(パンデミック下の独り言とその空虚。椹木野衣)

絵の水に

きのうのダメ、アウトの写真を反省できていないpithecantroupusは、せめて枚数を減らして危機をしのぐことに。

水のかわりに、ちょい古大垣でとった、水辺の絵がある写真。小っちゃいけど。
 繪の水に風吹きまよふゆふまぐれ君ありて鶴のごとひとりなり   (塚本邦雄:神無月帖)

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olympus e-m5mk2 75mm

知らない言葉が多すぎて分かったふりしていますが、あまりに言葉があふれるとネットで検索してみます。
きょうも「ティーザー広告」が分からず、『情報を小出しにして、じらすことで、宣伝効果をあげる方法』と教えられましたが、
pithecantroupusは、なぁ~んだストリップティーズなら知っていたのに、と思ったのでした。

みかしとったきねづかも役に立つことはありますね。いや、むかしのすねのきずかも。

アウト

水がこいしいです。

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olympus e-m5mk2 50mm
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以上、大垣のチョイ古でした。
宇気郷も一枚だけ。水が写っていませんが緑間の涼しかったことを思い出します。
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きょうはダメです。
アウト!

 

似ることもおそろし

グータラpithecantroupusは調子に乗って、今日もチョイ古の大垣、宇気郷。

暑いのにお仕事ご苦労様ですの感謝の気持ちと、熱中症回避の水分水分。自然の湧水の冷たさをまだ覚えています。

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olympus e-m5mk2 42.5mm
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olympus e-m5mk2 75mm

 常の日に似ることも怖ろし葉月十五日灰色の白百日紅(しろさるすべり)   (塚本邦雄:約翰傅偽書)

あたりしきりに

きのうにつづき、グータラpithecantroupusは、チョイ前の大垣、宇気郷で。

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olympus e-m5mk2 42.5mm
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 河骨(かうほね)一莖あたりしきりに昏みつつ卒然たり「八月十五日」   (塚本邦雄:約翰傅偽書)

まえにも「日本の「空気」」を引用したところから、
 
 しかし、日本では、先に並んでいる人には先に購入する権利があると考えられています。スーパーのレジの列でも、お年寄りが来たからといって順番を譲る場面を見たことがありません。また、優先席ではない通常の座席に座っている人のほとんどが、ひたすらうつむいて、絶対に目のまえのお年寄りや妊婦さん、体の不自由な方を見ようとしません。あきらかにその方々が大変そうであるにもかかわらずです。こういった日本人の習慣に、困惑する外国人は少なくありません。
 たしかに日本人は、決められたルールに忠実ではありますが、裏を返せば、指示されなければ行動に移せないともいえます。また、どのような状況でも自分の権利を譲りたがらないことが多いように思います。

今回もpithecantroupusには耳の痛い話です。ええ歳をしていつまでも競争、負けん気、規範から抜け出せません。

あえて生き、強いて・・

熱中症にならないように水分補給は注意しています。
水をとりすぎて、頭の中もタップンタップン。
きょうはグータラです。
ネットで検索したら、「愚でたるんでいる」ことだそうです。

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olympus e-m5mk2 42.5mm
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olympus e-m5mk2 75mm

5年前の夏に大垣と松阪市宇気郷(うきさと)で撮りました。


 敗戰忌 天使梢上(せうじやう)にむらがれりこの濁聲(だみごえ)の黑衣の天使   (塚本邦雄:約翰傅偽書)
 敢へて生きば強ひて歌はむ敗戰のその日を定家葛(ていかかづら)の花を      (塚本邦雄:汨羅變)
 敗戰記念日の甘き梨わがうちのかなしみの核も肥滿せり                (塚本邦雄:水銀傳説)

明治昨日のごとし

そろそろ残りものをかき集めてと思っていたら、回想の甘美な誘惑に負けました。
ひと昔前の犬山明治村の夏の夜。

10年前のピンボケも今になると毎日身近な目のカスミです。

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 明治にはかに昨日(きのふ)のごとし諒闇の夜陰大正琴彈くはたれ   (塚本邦雄:詩魂玲瓏)

シヤワーに罪降ち

暑いので、古い写真から涼しくなりそうなアイテムを探してきました。(汗)

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olympus e-300

奈良県今井で、ひと昔前に撮りました。

 雨浴室(シヤワー)にはみぞおち霧(きら)ふ男らの罪降るつひにめとるなかれ   (塚本邦雄:星餐圖)

なごりさきぶれ

動物は大苦手ですが、これは「痕跡」、動かないから大丈夫。
化石みたいなものですから。

 戀のなごり否(いな)さきぶれと夏ごろもぬぎすてき蟬の殻より輕(かろ)し   (塚本邦雄:源氏五十四帖題詠)

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olympus e-m5mk2 25mm

色気も欲しいから一枚追加します。
歳をとっても色気です。(笑)

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olympus e-m5mk2 25mm


最近、トゲトゲしてきたpithecantroupusの脳みそに次のサプリメントが効きました。

 この危機の時代、自分の日常世界の外にいる人々とつながることは、自分と似ていない人々との絆を形成させてくれるという意味で極めて重要だとダンバー氏は言う。こうした絆を作ることで、私たちは利他的にふるまう素地を作ることになる。私たちが原始から受け継いだ脳は、新たな知人を部外者ではなく、仲間として認識するはずだからだ。そして、場合によっては、そうした共感的な関係を作ることで、進化的に組み込まれた欲求に抗い、他者を守るという選択をしやすくなるかもしれない。(ナショナルジオグラフィック「ヒトは密にならずにいられない 進化の歴史が語る理由」)

黄色の視野で

また色が変です。歳をとると目が、目が、・・・。いえ、変なのは脳の方かも。

刈り入れも近いと思います。

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 サントニン黄視症にてこもれるを若者が鼻唄の<颱風(エル・ウラカン)>   (塚本邦雄:水銀傳説)

鹵獲品

短い散歩から帰って、戦利品を並べて、ごそごそ、パシャッ。

抜け殻ばかりの戦利品です。
中身が空っぽはpithecantroupusにぴったりです。

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olympus e-m5mk2 60mm macro

 鹵獲品中の薔薇油やオパールに妃が飽きたころ、またいくさ   (塚本邦雄:水葬物語)

離陸

30分足らずの散歩の途中で。

離陸したいなあ。

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olympus e-M5mk3 300mm reflex

 目に見えぬ無數の脚が空中にもつれつつ旅客機が離陸せり   (塚本邦雄:日本人靈歌)

怪しい者ではありません

毎日毎日、先月のプチ家出の写真で、マンネリズムも分かっているのですが、前へ進めず停滞中です。
読書で充電中ということにして、見栄を張っておこう。(汗)

こんなときに選ぶ写真は決まって「何撮ってるの?」です。
不審者じゃありません。ピーピング・トムじゃありません。

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olympus pen-f 60mm

 俎に鰆(さはら)かがやき背すぢ切り削がれし夏の死者よぎりたり(塚本邦雄:綠色研究)


読書はここで知ったこの本。
以下は、同じ本を紹介している河北新報のコラムです。
そういえば最近、最年長のハシビロコウが亡くなったというニュースがありました。

 70年以上前に書かれたカミュの「ペスト」や、10年前に出版された高嶋哲夫さんの「首都感染」など、疫病との闘いを主題にした小説が売れているという。新型コロナウイルスの収束は遠い。不安の正体を探り、自分を支える言葉を本の中に見いだしたい人が多いのだろう。
 仙台市の作家伊坂幸太郎さんにもパンデミック(世界的大流行)を織り込んだ長編がある。「クジラアタマの王様」だ。
 「白い目で見られ、遠巻きにされ、平和を乱した諸悪の根源のような扱いをされる」-。終盤、新型ウイルスの脅威にさらされる主人公は、未知の病気そのものの恐怖に加え、世間がつくりだす偏見と差別の空気におののく。
 あれ? どこかで聞いたような気が。ページを繰るたび、私たちの現実社会と重なり合う描写にギクリとする。刊行は昨年7月。当時はコロナのコの字もなかった。まさに予言の書ではないか。
 書名は独特な姿形の大型鳥、ハシビロコウの学名を表す。炭鉱のカナリアなら身をていして目前の危機を知らせる。怪鳥が導く不条理風の物語、結末はいかに。


色気がないからおまけ一枚です。

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olympus pen-f 60mm

立秋のかなしみ

立秋だそうです。とうとう秋だそうです。そてつです。

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olympus e-m5mk3 135mm
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olympus e-m5mk3 135mm

 立秋のかなしみ梢(うれ)にあふれつつ栂(とが)一樹おそらくは父の木   (塚本邦雄:天變の書)


先日引用した玄侑宗久を3.11以前から気になって云々と書きましたが、玄田有史の間違いでした。
歳のせいです。記憶の混線です。アホウになっていくのがこわいです。
3.11以前から、釜石をフィールドに希望学を研究いていた彼が気になっていました。

 「将来がまったく見えないとき、人は希望を失う。同時に、先が見えてしまったと感じるときにも、やはり希望は失われていく。・・・

 希望学の調査からは、「無駄になるかもしれない努力であっても、やってみる価値はある」と考えている人ほど、希望を持つという別の重要な事実も見えてきた。現在の情報だけをもとに、目先の損得勘定だけで判断すれば、行動してはじめてわかる希望を見失うことにもなる。」

名と緋の

あつ~い!、です。
爺は暑さに弱いのです。
クーリングには、お化けがおすすめです。
電気代無料で、経済的です。

ということで、お墓で撮った写真を。

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olympus e-m5mk3 135mm

夢を見るといけないから、神様にお詣りして「中和滴定」しときます。

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olympus e-m5mk3 17mm

 原爆繪書展中止令 芳名簿末尾わが名と緋の拇印消す   (塚本邦雄:詩魂玲瓏)

夏ばてとなつはぜ

あさってはもう立秋だそうです。暦ははやいですね。これだから、どんどん歳をとってしまう。暦の馬鹿ぁ!
夏バテも今日明日だけ。貴重なバテバテで、きょうは一枚だけです。

夏バテの歌を見つけ損ねて、「なつはぜ」でムニャムニャごまかして、
 夏櫨(なつはぜ)に不可思議の紺ただよへり歌なすなべて穢れし者ら   (塚本邦雄;閑雅空間)

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olympus pen-f 60mm

3.11以前から玄侑宗久という人が気になっていました。
かれのHPから「コロナを乗り切る 心をたもつヒント えりすぐりの言葉を」を引用します。

 防疫は、差別を含んだ振る舞いだと思う。放射線は目に見えなくても測定できるが、ウイルスの有無は、すぐには分からない。だから、皆に対し、あるものだと思って接しないといけない。差別との線引きは難しい。
 原発事故後の福島県民、ハンセン病や水俣病の患者への差別は何も生み出さず、人の酷薄さが透けて見えただけだった。今回は属性に関係なく、全員が差別され得る事態となっている。
 「自粛警察」や医療従事者への差別など極端な言動も一部で見られた。自分が思う「正義」を盾に以前からたまっていた日頃の鬱憤(うっぷん)を晴らしているのではないか。
 そうした人たちは、いずれ元の暮らしに戻れると思っているのだろう。「期間限定だから、全員自粛しなければ」と張り切り過ぎているのかもしれない。
(中略)
 マスク越しのコミュニケーションは、表情が半分見えなくなる。言葉にしなくても「分かってくれているな」と通じ合うことは減る。えりすぐりの、洗練された言葉を使わなければ、人間関係は長続きしないだろう。

浴槽にしずんで

くらくらする頭は色もおかしいし、平衡感覚もおかしくなっています。
いいえ、頭が狂っているのではなく、カメラが狂っているに違いないと思います。(笑)

よく似ている。
 浴槽に金の夕映われ沈み父沈み溢るなみだあふるる   (塚本邦雄:睡唱群島)
 浴槽に金の夕映 亡き父が沈みわれ沈み涙のみずうみ   (塚本邦雄:約翰傅偽書)

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olympus pen-f 60mm
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olympus pen-f 60mm

睡唱群島1976年、塚本邦雄56歳のときの歌集、約翰傅偽書2001年、塚本邦雄最後の歌集です。
若いころに戻りたいという気持ちがつのります。
歳をとるのがこわいなあ。

虚妄の証

ときどきは神様を信じます。手を合わせてお願いもします。20才に戻してくださいとか。

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神様にお酒はつきものです。
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olympus pen-f 60mm

いつも朝は時計代わりにテレビがついています。ときどき、ビックリします。
NHKの朝の情報番組で、女性アナウンサーが番組のツイッターへのツイートを無邪気に読み上げています。
『コロナに感染して周りの目に耐えきれず引越ししたというウワサ・・・』

こんなことするからマスコミはだめなんだ、と腹が立ちました。
テレビの馬鹿!
エビデンス!

 屋根に干しし黑き毛布はひるがへり<虛妄(いつはり)の證(あかし)をたつることなかれ>   (塚本邦雄:日本人靈歌)

先日の野暮用で会った知り合いが、うわさにされた家近くに住んでいて、「昼間は洗濯物が干してあるし、夜は電気がついているから、まったくのフェイク」と言ってました。そんなものだろうと思いました。

とげ

目の前に差し迫った用事があると、イライラしてますます忙しくして頭の中のトゲが鋭くなります。むかしから傾向がありましたが、このごろ一層ひどくなったみたいで、困ったことです。
といいつつ、反省しないpithecantroupus。

トゲで。
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olympus e-m5mk3 17mm

 棘をもつ樹樹わけゆけりその森のかなたの海にいくさ終ると   (塚本邦雄:水葬物語)


季節感を補うために一枚追加です。
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olympus pen-f 60mm

世はさかしまの

どこが面白いのか、といわれても自分でも説明できませんが、どこかにいる写真の神様が『シャッターを切れ!』とpithecaの頭の中で言ったのです。わるいのは神様です。

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 世はさかしまの眺めも夏に いもうとの髪もて晴雨計つくらなむ   (塚本邦雄:星餐圖)