サクラ咲きみち

Wikiに『疲労は無力とは異なる主観的感覚であり、徐々に始まる。無力とは異なり、疲労は休息によって軽減することができる。』と書いてありました。コロナで休んでも休息した気がしないのですけど。

 本日煤色の脚を揃へてよろめけり鶴が 遠くに櫻咲きみち   (塚本邦雄:海の孔雀)

「お昼ご飯の『ついでに』写真」で、せめても頭だけでも休息、休息。でもこのまま脳が眠り続けたらどうしよう。

02LR-PF262439-Edit-3-2.jpg
olympus pen-f 135mm
01LR-PF262382-Edit-2.jpg
olympus pen-f 17mm
03LR-PF262369-Edit-2.jpg
olympus pen-f 17mm

来年三月には

きのうのつづきを。
平常の日々が早くもどってくることを願って、ハルのうきうきとした空気が戻ってくることを願って。

01LR-P3291440-Edit-2.jpg
olympus e-m5mk2 50mm
02LR-PF292522-Edit-2.jpg
olympus pen-f 17.5mm
03LR-P3291388-Edit-2.jpg
olympus e-m5mk2 50mm

一昨日の引用つながりで、
 悍馬カエサルにも愛想が盡きたから來年三月にはさくら鍋   (塚本邦雄:汨羅變)


撮影場所はかつて鈴鹿電気通信学園の跡地で当時から桜の名所だったと聞いています。


夏もつづくものにあらざるを

わたしの住む市ではまだ感染者がゼロですが、いつか外出自粛になる日が来るのでしょうか。
そうなる前に桜の写真をと、ご近所の大学構内で撮ってきました。

01LR-PF292460-Edit-2-2.jpg
olympus pen-f 17.5mm
02LR-P3291291-Edit-2.jpg
olympus e-m5mk2 75mm
03LR-P3291431-Edit-2.jpg
olympus e-m5mk2 50mm

一週間前のCNNニュース(日本語)に次の記事がありました。
2008年夏、5歳の時からお告げが聞こえるようになったと主張する高齢の霊媒師が、不吉な予言について記した本を出版した。
「2020年ごろ、重い肺炎のような疾病が世界中に拡散し、肺と気管支を攻撃し、既知の治療法全てに対して耐性を持つ」「疾病そのものよりもさらに不可解なことに、それは到来した時と同じように突如として消え去り、10年後に再び攻撃し、そして完全に消滅する」
著者シルビア・ブラウン氏は2013年に亡くなっているそうですが、著者と共に忘れ去られていた本は、米アマゾンのノンフィクション部門で2位に浮上したそうです。

今日の朝日新聞「論X論X論」で坂本龍一が言っていました。
 最近よく頭をよぎる言葉がある。
「危機は権力に利用されやすい。清志郎が言ってたんですよ。『地震の後には戦争が来る。気をつけろ』って。彼は警告を発していた。すごいなと」


きのうの引用(後に續く・・・)つながりで、季節外れですが、
 碧軍派一人一党この夏もわれにつづくものあらざるを信ず   (塚本邦雄:黄金律)

三月、さくら

昼食の「ついでに」のサクラ、続きです。

01LR-PF262354-Edit-2.jpg
olympus pen-f 135mm
02LR-PF262250-Edit-2-2.jpg
olympus pen-f 135mm


 三月、さくら鍋で中毒うはごとに「後(あと)に續くものあるを信ず」   (塚本邦雄:詩魂玲瓏)


先日あげた立木義浩がどこかで、

 歳を重ねるほど、モノクロに惹かれるなあ。色々なものを引き去って同じ土俵に立たせるのがモノクロ。真実を突きつけるようなところがある。モノクロで撮ってると、オレなんてまだまだ修行が足りない若造だなって思うよ

と言ってました。
モノクロは好きだし想像を掻き立てるので魅力的だと思いますが、立木さんがいらんこと言うから今日はモノクロの写真はやめておこう。(笑)

春の形見に

ようやくサクラです。
ことしも昨年同様に、「ご近所」サクラと「ついでに」サクラになりそうです。
今回は昼食の「ついでに」のサクラ。

01LR-PF262417-Edit-2.jpg
olympus pen-f 17mm
02LR-PF262308-Edit-3-2.jpg
olympus pen-f 135mm

 さだめとて櫻移ろふこの春の形見にきみが朝の微笑   (塚本邦雄:新室帖)


オリンパスから、

 オリンパス(株)では新型コロナウイルスの「感染予防・感染拡大防止」の観点からオリンパス各拠点で在宅勤務を実施することとなりました。
 それに伴いまして、オリンパス フォトパス事務局・オンラインショップ・オリンパス カレッジ事務局は、下記の期間、電話対応を中止いたします。

というメールマガジンが来ました。世間知らずのpithecantroupusは、こんなところまで影響が来ていることに驚きました。

ほのぼのともる

時期遅れかもしれませんが、菜の花など。
ダイコン?
下半身は見ないでください。(笑)

01LR-PF191876-Edit-2.jpg
olympus pen-f 25mm
02LR-PF191859-Edit-2.jpg
olympus pen-f 300mm reflex


モクレンもちょこっと残っていたので。

03LR-PF191921-Edit-2-2.jpg
olympus pen-f 25mm
04LR-PF191914-Edit-2-2.jpg
olympus pen-f 25mm

 肉體の神もしらさぬ暗がりにほのぼのとともる一つ菜の花   (塚本邦雄:透明文法)


先日亡くなった宮城まり子をとりあげた地元新聞夕刊コラムを引用します。

 当時、養護施設の⼦どもたちに⾼校進学は夢のまた夢。宮城まり⼦さんは⼀九七⼆年秋、時の⽥中角栄⾸相を訪ね、実情を訴
えて国の⽀援を求めた。⾸相は「知らなかった。必ず返事はする」と。
 政府が「福祉元年」を掲げたのは翌七三年。ねむの⽊学園ばかりでなく、⽇本中の養護施設で⼦どもたちの就学環境が向上し
ていった原動⼒は、⾸相官邸に直訴した宮城さんの勇気だったのかも。
 「⼥優の道楽」との陰⼝をものともせず重ねた⾜跡が誰もが知るところだが、津久井やまゆり園の事件の後、本紙の取材に答
えている。「やり残したことがある。もっと優しさを広めたいのです」

ついつい「加計学園」と比較してしまいました。

すゑはたれを

きのうの写真つながりで足下のツバキで。

01LR-P3181248-2.jpg
olympus e-m5mk2 50mm

02LR-P3181231-Edit-2.jpg
olympus e-m5mk2 50mm

 椿畷椿小路とたづねつつこの戀すゑはたれをあやめむ   (塚本邦雄:天變の書)


世情が姦しいですがpithecantroupusには切実感にほど遠く感じられるのは老化の危険信号なのでしょう。こんな鈍感さでは写真の方も危ういなあ。

知らばそむかむ

毎日おなじような写真が続くので、手入れのわるい自宅の庭で撮ってみましたが、変り映えしない結果でした。

わが家の白ツバキは雨にあたるとすぐに黄変してしまいます。
蕾でも濡れると変色します。
ほかの色のツバキはそうはならないのですが、そういうものなのでしょうか。
打たれ弱いところがpithecantroupusそっくりです。(汗)

LR-P3181228-Edit-2.jpg
olympus e-m5mk2 50mm

 春ゆふべみづさわぐ野の白椿知らばそむかむ人ならぬ神   (塚本邦雄:寄花戀)


東大の卒業式における総長告示で、
『この感染症の拡散を目の当たりにして、現代の人々の活動や経済社会の仕組みが、いかに国境を越えたものとなっているのかを、皆さんも実感したのではないでしょうか。近年、「自国第一」を唱える主張が目立つようになりましたが、グローバル化はすでに後戻りできないところにまで浸透しているのです。限られた地域の利害にのみ目をむけた行動が、いかに無力であるのか。この感染症への対処の経験は、そのことをはからずも明らかにしたのです。』
とありました。
全体としては感心もしない告示でしたが、このくだりだけには「〇〇ファースト」という狭隘で醜悪なメッセージに嫌悪していたpithecantroupusは共感しました。

春天に白

小学生のときに通信簿に「忍耐力不足」と書かれて以来、気持ちが長続きしないから、モクレンを撮ろうとしてもよそ見ばかり。

03LR-PF191756-Edit-Edit-2-2.jpg
olympus pen-f 300mm reflex
01LR-DP0Q2488-Edit-2.jpg
sigma dp0q


先日、立木義浩の名前をブログにあげたので、懐かしくなって彼の写真集「イブたち」を引っ張り出してきました。
奥付けを見たら、pithecantroupusは18歳の時にこの本を買っていました。

1-tatsuki050.jpg

1-新しいフォルダー-001

モデルの女の子たちの一覧表もありましたが、コピーに失敗して、各項目の題が切れてしまいました。
左から、名前、職業、ヌード写真のモデルは何度目ですか、体重、好きな歌、好きな男、好きな自分の体の部分、この写真の感想、自分自身を一言で言うと、と並んでいます。(画像をクリックして拡大してください。)

1-新しいフォルダー1

 春天に白き飛機あり。牝鶏のやうに穢れてゐるイヴの末裔(すゑ)   (塚本邦雄:水葬物語)

生きとおすぞ

きれいにさいている花もあるのにアマノジャクは「何撮っているの?」の写真です。自己満足、自己満足。

 ぱらりくづれたり紫木蓮いつはりの今の世に生き生き徹(とほ)さむず   (塚本邦雄:約翰傅偽書)

01LR-PF191809-Edit-2-2.jpg
olympus pen-f 300mm reflex


02LR-PF191902-Edit-2.jpg
olympus pen-f 25mm

あるいは恍惚の人

モクレンなどなど。

01LR-PF191771-Edit-2-2.jpg
olympus pen-f 25mm
02LR-PF191784-Edit-2.jpg
olympus pen-f 300mm reflex

ピント甘いけど、敬老精神をもって、おおらかな気持ちで。(笑)

きのうも上げたオカメナンテン、オタフクナンテンももう一枚です。
付近は、庭木の栽培がさかんな場所です。この木も販売用でしょうか。

03LR-DP2Q2159-Edit-2.jpg
sigma dp2q


 彌生、滿月に雨月になることもあるいはわたくしの不始末か   (塚本邦雄:詩魂玲瓏)

コロナウィルスがこわいと言っていてもおなかは減るので自転車で買い物に出たとおりすがりに、一軒の家の桜が満開で、脇を走り抜けたときにサクラの匂いが一瞬しました。あっ、入学式の匂いだと思い出しました。

ふたたびいきいき

サクラいまだしというので友人は白モクレンをせっせっと撮ってましたので、真似しっこのpithecantroupusもモクレンを狙ったのですが、ついついよそ見をして植木畑の方をパシャッ。

01LR-PF191968-Edit-2.jpg
olympus pen-f 25mm

モクレンにも敬意を表して、とりあえず一枚だけ。

02LR-DP0Q2490-Edit-2.jpg
sigma dp0q

 いさかひし記憶ふたたびいきいきと夜の烈風に向く紫木蓮(しもくれん)   (塚本邦雄: 詩魂玲瓏)

おっ、サクラ、にぃ~

友人と昼食に出たついでに近所の桜の様子を偵察、偵察です。
河津桜は終わっていて、枝垂桜が一本だけ咲きかけていました。
とはいえ、へそ曲がりにとっては桜が咲いていなくてもOKです。

桜に背を向けて放ったらかしの植木鉢でまずパシャしました。
01LR-PF191692-Edit-2-2.jpg
olympus pen-f 25mm


せっかくなので桜も一枚だけ記念撮影。

02LR-DP0Q2467-Edit-2-2.jpg
sigma dp0q

引用はサクラですが、吃音で、
 百年先の日本想ひて眠るにも重きかなわが頭蓋骨( オツサ・クラニー)   (塚本邦雄:約翰傅偽書)

閉ぢてたかぶり

引きこもり中につき、庭で咲きかけたユキヤナギを撮って、イライラの欲求不満を紛らわせました。
イライラの発散なのでシャッターを押すことが第一義で成果物の出来はどうか問わないでください。(笑)

01LR-P3181216-Edit-2.jpg
olympus e-m5mk2 50mm
02LR-P3181222-Edit-2.jpg
olympus e-m5mk2 50mm


 『親和力』閉ぢてたかぶりつつあるに「名古屋名產の外郎(うゐらう)はいかが」   (塚本邦雄:黄金律)

立木義浩の実家の徳島市の写真館が自己破産というニュースを見ました。
創業は明治16年、鹿鳴館の時代だそうです。
NHKの朝ドラのモデルになってからでも40年経っているようです。

写真館と言えば、かつて「ニコラ・ペルシャイト」というレンズに憧れたことがありました。
写真館で使われた高級ポートレートレンズです。
そのレンズを使えるような機材を持ってもいないのに。

きょうユキヤナギを撮ったレンズはオリンパスのOMズイコー50mmでした。あの時代に戻りたいなあ。

夜半の梅一枝

毎日一枚のつもりがつい「見せたがり」の本音が出て棚の奥から埃を払ってしだれ梅ライトアップを二枚です。
撮ったのが3月2日なのですが、もうひと月ぐらい昔だったような気がします。

01LR-M5023524-Edit-2.jpg
olympus e-m5mk3 135mm
02LR-M5023474-Edit-2.jpg
olympus e-m5mk3 135mm

引用の方もタネが尽きかけて、ひと月おくれの歌です。
 二月盡きむとしてみつみつし塵芥箱(ごみばこ)をはみだす夜半の白梅一枝   (塚本邦雄:約翰傅偽書)

ロココ・コロナ

写真のストックも、棚に残りものが乏しくなって、ここにもコロナのインフルエンス。
ケチなpithecantroupusは一枚だけにしてしのぐことに。
他人と同じ写真を撮りたくないので久しぶりに魚眼を持ち出しましたが、成果の方はいまいちでした。

 魚梅(うをうめ)の改裝成れり深海のいろくづロココ調にならべて   (塚本邦雄:黄金律)

02LR-PF021507-Edit-2.jpg
olympus pen-f 8mm fisheye


今朝、近所の幼稚園のスクールバスが子どもたちをのせて走っていきました。ちょっとホッとしました。

きのうの毎日新聞「余録」に、

 ドイツのメルケル首相が新型コロナウイルス感染は「全人口の6~7割に広がる可能性がある」と発言して非難を浴びた。元物理学者らしい科学的な見方が、政治家のメッセージとしては不適切と反発された▲長崎大学熱帯医学研究所の山本太郎教授も同じ比率を言っている。治療法が見つからない限り、免疫を獲得した人が増えて集団免疫を形成するまで流行は続く。「日本の場合、人口の6~7割でしょう」(12日付毎日新聞ニュースサイト)・・・・・必要なのは柔らかく長続きする社会への想像力だろう。・・・・・子供たちを笑顔で送り出したい。

とありました。3日前にメルケル首相の発言を知って、さすがドイツは科学と理性の国だと思いましたが、政治の世界は科学でも理性でもなかったのですね。


恥うつくし

まだウメは残っているのですが食傷気味なのでトバの「何撮っているの?」で息抜きです。(汗)

01LR-PF221316-Edit-2.jpg
olympus pen-f 25mm
02LR-PF221342-Edit-2.jpg
olympus pen-f 25mm
LR-PF221351-Edit-2.jpg
olympus pen-f 25mm
LR-DP0Q2464-Edit-2.jpg
sigma dp0q

う~ん、やっぱり色気がたりない。
色気が欲しいなあ。
恥をしのんで一枚追加です。

LR-DP0Q2458-Edit-2.jpg
sigma dp0q

 水の上に死の鶯の眸(まみ)とぢて恥うつくしき日日は過ぎたり   (塚本邦雄:靑き菊の主題)

「冠」を省く

世間ではサクラが咲き始めたというのに、まだウメです。恥の上塗りが止まりません。

「コロナ」の語源がラテン語の王冠だと聞いて、
 「冠省」と書き始めをり戀文にいかなる「冠(かんむり)」を省くのか   (塚本邦雄:汨羅變)

01LR-PF021491-Edit-2-2.jpg
olympus pen-f 8mm fisheye
02LR-PF021500-Edit-2.jpg
olympus pen-f 8mm fisheye
03LR-M5023400-Edit-2.jpg
olympus e-m5mk3 135mm

やみの底の老人の性

なおなお梅園、なお残り物、いつまでつづくぬかるみぞ。
本人も恥の上塗りとは分かっているのですが止まらないのは老人の性。

 鬱たる寢覺のやみの底にして剪られけむくれなゐの梅一枝   (塚本邦雄:囀)

01LR-PF021596-Edit-2.jpg
olympus pen-f 17mm
02LR-M5023465-2.jpg
olympus e-m5mk3 135mm
03LR-M5023517-Edit-2.jpg
olympus e-m5mk3 135mm

香にほふまで

すみません。昨日は動画に「共有」を設定するのを忘れてご迷惑をお掛けました。(汗)

さて、残り物の季節です。『トバ』でいくか『ウメ』でいくか。でも、どちらでもあまり差はないよね。

01LR-M5023409-Edit-1.jpg
olympus e-m5mk3 135mm
02LR-PF021538-2.jpg
olympus pen-f 17mm
03LR-M5023445-Edit-1.jpg
olympus e-m5mk3 135mm

時季外れ(もとは元旦の歌なので)ですが、
 白梅紅梅子の日の松の上に映えて人生は吉 香ににほふまで   (塚本邦雄:吉香帖)

だれかのひとり

わすれないから。



10年以上前に撮った三重県南部の紀伊長島と波田須(はだす)の写真でつくったムービーです。
池辺晋一郎が黒沢明の映画につけた音で。

歳と共に涙腺がゆるくなっていくようで困ります。ことしも照井翠「龍宮」を開いて、
 なぜみちのくなぜ三・一一なぜに君
 三・一一神はゐないかとても小さい
 寒昴たれも誰かのただひとり
 

こちらは今年撮ったご近所の海。
01LR-DP2Q2119-Edit-2.jpg

とばとば

鳥羽を続けます。
といっても、「鳥羽らしい」写真はないので、やっぱり何を撮っているのか、なぜ撮っているのか、自分でもよく分かりません。

01LR-PF221357-Edit-2-2.jpg
olympus pen-f 25mm
02LR-PF221335-Edit-2.jpg
olympus pen-f 25mm
03LR-PF221273-Edit-3-2.jpg
olympus pen-f 25mm

もうちょっと色気を出して。

LR-PF221226-Edit-1.jpg
olympus pen-f 25mm

「とば」の歌を引用します。とばが2回入っている歌とカタカナのとばの歌。(汗)
 夢の沖に鶴立ちまよふ ことばとはいのちを思ひ出づるよすが   (塚本邦雄:閑雅空間)
 オートバイの群は駈け去る麤皮(あらかは)の襟ひややけき靑髭のすゑ   (塚本邦雄:綠色研究)

『あらかわ』の漢字は鹿が三つ重ねてあって、シカが集まると互いに距離を置くことから、『はなれる』とか『あらい』という意味になるのだそうです。おお、君たちは感染対策が出来ている!

別役実が亡くなられたそうです。「象は死刑」という本を表紙の米倉斉加年の絵に惹かれて買ったのは学生時代でした。その後、時間はたっぷりあったのに、買ったままでまだ読んでいません。いや読みかけて途中でやめてしまったのかな。もっと面白い本を見つけたのだろうなあ。

殴られし鬼

苦手の花、夜から逃避して、鳥羽へ舞い戻りです。
美しい花よりも、何撮ってるのの類のほうが意欲がわくのは、やっぱりアマノジャクのせいです。

1LR-PF221292-Edit-1.jpg
olympus pen-f 25mm
3LR-PF221298-Edit-1.jpg
olympus pen-f 25mm
4LR-DP0Q2441-Edit-1.jpg
sigma dp0q


アマノジャクなので「鬼」を引用して、
 ロドルフォのアリア歌つて殴られし護國の鬼の六十回忌   (塚本邦雄:汨羅變)


せっかく鳥羽という神様に近い土地なので、拝みたくなる写真も一枚。
ありがたい写真なので大きめにして。(笑)

LR-PF221325-Edit-2.jpg
olympus pen-f 25mm

梅一枝うかうかと

ふたたびしだれ梅のライトアップへもどります。

5LR-M5023568-Edit-2-2.jpg
olympus e-m5mk3 135mm
6LR-M5023494-Edit-2.jpg
olympus e-m5mk3 135mm
7LR-M5023530-Edit-2.jpg
olympus e-m5mk3 135mm

 西空に紅梅一枝うかうかと殘年に踏み入りつつわれは   (塚本邦雄:海の孔雀)


びるはたましひ

毎日ウメばかりで頭の中がピンクになってきたので、一時休戦して、鳥羽の残り物を一枚だけ。

02LR-PF221221-Edit-2-2.jpg
olympus pen-f 25mm

ビルの歌を引用しようとして「びる」と「ビール」、
 くちびるはたましひの罠夜の孔雀鳴きてこの恋にはかにさむし   (塚本邦雄:新月祭)
 死の何たるかを知らしめむみどりごに麒麟麦酒(きりんビール)の泡ふく麒麟   (塚本邦雄:詩歌變)


もうじき3月11日が来ます。
ことしもyahooの「3.11 検索は応援になる」で、3.11を検索するつもりです。
コロナウィルスで大相撲や高校野球などが無観客試合だそうですが、無人の慰霊祭はないのでしょうか。イスだけ並べて、しかるべき人が慰霊の言葉を読み上げる。イスは3.11の死者が座るために並べて。

空たぐひなく

夜のしだれ梅、なおなお。

 春夜讀むスパイ列傳花散らば西空たぐひなく靑からむ   (塚本邦雄:閑雅空間)

01LR-M5023617-Edit-1.jpg
olympus e-m5mk3 135mm
02LR-M5023575-Edit-2.jpg
olympus e-m5mk3 135mm
03LR-PF021655-Edit-1.jpg
olympus pen-f 17mm


3.11式典がウィルスのために中止だそうです。単に中止するというだけでなく、
式典とは異なる形で、哀悼の意をどう表現するのかも合わせて発表してほしかった。
追悼文読みます、黙祷しますではなく、国民の総意をどのような表象にするのか。

毎年式典に参加してきた貴方は当日どのようにするのか、言ってほしい。

こころなきにしもあらず ~ 鈴鹿の森庭園 しだれ梅まつり

ライトアップらしい写真を。

03LR-PF021663-Edit-1.jpg
olympus pen-f 17mm

02LR-PF021644-Edit-1.jpg
olympus pen-f 17mm

01LR-M5023641-Edit-1.jpg
olympus e-m5mk3 135mm


ここがしだれ梅の名所だと分かるように「絵葉書」写真も一枚だけ、恥ずかしいので小っちゃくして。

04LR-PF021677-Edit-1.jpg
olympus pen-f 17mm

絵葉書つながりで、
 ゑはがきの穂高曇りて紺靑の處女雪にけがされし靑年   (塚本邦雄:星餐圖)
ついでに、きのうの「コロナ」つながりも、
 正述心緒蔑(なみ)するこころなきにしもあらず氣違ひ日和の霰   (塚本邦雄:黄金律)

どころなき

まだ日が残る時間の梅林でちょこちょこっと撮りました。

01LR-M5023452-Edit-2-1.jpg
olympus e-m5mk3 135mm
02LR-M5023343-Edit-3-1.jpg
olympus e-m5mk3 135mm
03LR-M5023396-Edit-1.jpg
olympus e-m5mk3 135mm

くすりを飲み忘れたのか飲んでも効いていないのか、花粉攻撃にグチャグチャになりながら撮りました。
でも広々として密閉されてないからコロナウィルスは大丈夫です。

コロナの歌を、
 一生喚きつづけて死ぬか菜の花につらなる天のつかみどころなき   (塚本邦雄:同人誌『くれなゐ』)

懦夫 pithecantroupus

きのうの梅園ライトアップの報告です。

 梅白し此岸の懦夫(だふ)に彼岸なる破邪淫戒の惡友の上(へ)に   (塚本邦雄;天變の書)

01LR-PF021610-Edit-1.jpg
olympus pen-f 17mm


日が落ちる前に撮った写真も。
残念ながら落日の時刻には雲が一面をおおったので夕焼けにはなりませんでした。

02LR-PF021479-Edit-2-1.jpg
olympus pen-f 8mm

今日の歌は一年前にも、その一年前にも引用していて、「懦夫」や「破邪淫戒」がよっぽど気に入っているのが見え見えです。(汗)

伊勢少女

こよいはご近所の梅林のライトアップを撮りにいくというので、2月の鳥羽の写真で、早めに更新です。

 悲しみのもなかにありて伊勢少女(いせをとめ)こよひ紅梅の實を煮るといふ   (塚本邦雄;天變の書)

01LR-M5222880-Edit-2-1.jpg
olympus e-m5mk3 135mm
02LR-PF221287-Edit-1.jpg
olympus pen-f 25mm
03LR-PF221284-Edit-1.jpg
olympus pen-f 25mm
04LR-PF221359-Edit-1.jpg
olympus pen-f 25mm

夢のはじめを

なお上石津、なお多良。

 三月の水やみなぎる信樂(しがらき)の夢のはじめを馬よぎりたり   (塚本邦雄:天變の書)

01LR-M5242973-Edit-1.jpg
olympus e-m5mk3 85mm
02LR-PF241425-1.jpg
olympus pen-f 17.5mm
03LR-M5242942-Edit-3-1.jpg
olympus e-m5mk3 85mm

名古屋大学図書館『高木家文書目録』解題より引用します。

・・・高木家が入部する以前の時と多良の旧記類が高木家によって没収され焼かれてしまったという伝承がある。・・・それでも、多良については、『多良物語』によれば、遅くとも十六世紀には三輪三人衆と呼ばれる地侍を中心に惣村を結成し、百姓たちによる自治があった。

時・多良の旧記類が焼かれたというのは、そこに住む者たちの出自が高木家当主よりも高貴だったからではないでしょうか。
三輪三人衆は大和大神神社の神官で、功により天皇によってここへ封じられたとも聞きました。
また多良には大杉に囲まれた「大神神社」がありますが、その創建は持統天皇の伊勢行幸にかかわり右大臣三輪朝臣高市麿によるという伝承もwikiに記されています。

04LR-M5243088-Edit-1.jpg
olympus e-m5mk3 300mm reflex

ふたたび名古屋大学図書館『高木家文書目録』解題より。

・・・東高木家は『寛政重修諸家譜』に「この地嶮山多く、山賊及び耶鮮の徒の患いあるにより、貞友が一族代々多良郷に住むべき旨仰を蒙る」と載せている。ここにいう「耶鮮」は必ずしもキリシタンを指すのではなく、さきに述べたような中世以来の伝統を持つ百姓と考えてよいであろう。

『耶蘇』という語には強い差別感情と領民への恐怖があると思います。かつて部落差別のもっとも悪質で非科学的な表現に「かれらは人種が違う」というのがありましたがそれと同類の言い様だと思います。