すみやかに来る

「丸叉製陶」は経産省の近代化産業遺産(窯業)に登録されているそうなので記念写真です。

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olympus pen-f ibelux 40mm
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olympus pen-f ibelux 40mm

もうあすは九月。するべき事を積み残して債務ばかりたまっていく日常から「出奔」する白昼夢を見つづけてます。
毎日のように、今日こそは、明日こそはと思うのですが。

 沓へりて九月の石疊熱(あつ)し 罰は死よりもすみやかに來る  (塚本邦雄)

出奔したし

信楽にもどって。

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窯をのぞけば。  olympus pen-f ibelux 40mm
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廃墟となった登り窯で。  olympus pen-f ibelux 40mm
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信楽高原鉄道です。  olympus pen-f ibelux 40mm

 信樂六郎太(しがらきろうらうた)出奔おさなづまみごもりてそれ琵琶のおもかげ  (塚本邦雄)

それいゆ

集中力に欠けるpithecantroupusは、ちょっとふるいカメラで息抜きです。
母がすてた雑誌を拾ってきてパシャッ。

ソレイユはひまわりのことだと思っていたら太陽の意味だそうなので、塚本邦雄も太陽で、
 世界畢る夕映薔薇色にわれの太陽神經叢くろこげに
 太陽がちぎれちぎれに野分後の民衆廣場(ポポロひろば)の潦(にはたづみ)百
 われよりながくきたなく生きむ太陽に禮(ゐや)する父と反芻(にれが)む牝牛

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pen-f m.zuiko 25mm
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pen-f m.zuiko 25mm

カメラはオリンパス・ペンEMです。ハーフ判としては大きかったし、故障しやすかったそうでこれも動きません。
フィルムの自動巻き上げという先進的なカメラでしたが評判はいまいちだったそうです。デザインなどはいまどきのデジタル向きのようにも見えますが。



ところで、きょうの「世界畢(おわ)る」の歌でちょっと思い出したこと。

 新聞のミチコ・カクタニ「真実の終わり」の書評を読んで、おもわずamazonでポチッとしそうになりながら、「?」と思い止まりました。
 新聞書評に目を止めたもともとは小さな疑問でした。

 なぜかれが大国の大統領なのか、なぜ「イギリスの○○」という異名の新首相なのか、なぜあの首相や官房長官は大統領と同じような言い方をするのか。
 なぜこんな世界になってしまったのだろうという疑問があって、答えをくれそうな著作ではないかと期待したのです。

 書評の前半が不可解な現状をまとめてくれています。

 『大統領就任式に集った聴衆の規模から、地球温暖化の否定まで、トランプ政権が流した嘘は数限りない。なぜ真実と理性とは衰退したのか。なぜ人々は政治的操作を受け入れるのか。本書の問いはここにある。
著著によれば、はじまりは啓蒙主義的価値観の拒絶だった。自由な社会の維持には理性と倫理観、憲法への敬意が不可欠だという考えが攻撃され、かわって人種的・宗教的な不寛容や政府への憎悪、陰謀論が勢いづく。肝心なのは客観的真実ではなく人々の実感を裏づける真実だ。信憑性や迫真性が重視される中、真実に見せかける手腕が重宝されていく。ソーシャルメディアが疑似事実の拡散に拍車をかけた。』

 そして私の疑問への回答のように書評はつづきます。

 『強調されるのは、20世紀後半に興隆しだポストモダニズムの影響だ。客観的実在の存在を否定し、真実は視点や立場に左右されるとするこの立場は、自己中心的な「わたし」主義と共振し、主観性の原理の称揚につながった。これを乗っ取ったのがトランプ政権だ。
いかなる真実も書き換え可能、反論されれば「もう一つの事実」だと言えば良い。ニヒリズムの登場である。真実が分からなはれば、陰謀論を信じるのも簡単だ。』

 残念ながら書評はこのあと、本の主題にかみ合わない論調になってしまうのですが、わたしの「?」は、『ポストモダニズム』でほんとうにいいのかという点でした。

 ポストモダニズム以前にも、ヒットラーだっていたじゃないか、大本営発表もあった、フロイトもいた、ニーチェもいた。SNSはなかったけどラジオがあった。
 なぜあんな時代を経験したのかと考えるのと、なぜこんな時代を経験しているのかを考えるのは等価ではないかと感じるのです。

をはりたるはわが身か

信楽なお、です。
焼き物の町へいったのですから、陶器の写真です。

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olympus pen-f ibelux 40mm
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olympus pen-f ibelux 40mm
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olympus pen-f ibelux 40mm

季節外れですが、
 花をはりたるはわが身か甲賀郡信樂の水無月がみづみづし  (塚本邦雄)

やっつけ〇〇

ヤボ用で忙しかったので、写真の方は”やっつけ仕事”です。(汗)

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olympus pen-f ibelux 40mm
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olympus pen-f ibelux 40mm
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ほかのみなさんのブログを見るといろいろと反省させられて、きょうこそはと思うのですが、なかなか準備不足で思うようになりません。
とりあえずは、もっと勉強が必要ということはよくわかるので、あちこちのブログを訪問して知識と意欲を積んでいくことにします。

のちもなお

信楽の町中を散歩中です。ぶ~らぶ~らです。あいかわらず、何撮ってるの、どこが面白いのといった類です。
これで視点を低くすれば、『ノラ犬写真』『ノラ猫写真』と言われても仕方ないです。そうです私はノラです。(笑)

 ハイセンカタル死ののちもなほわづらふと知らざりき信樂(しがらき)憲兵大尉  (塚本邦雄)

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olympus pen-f ibelux 40mm
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olympus pen-f ibelux 40mm
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タイルが広角レンズで極端に歪んでしまったのでノーマルな写真も。
しまった、上下逆さまに撮っていました。

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olympus pen-f ibelux 40mm

塚本邦雄は憲兵に対して厳しい言葉を投げる歌があって、彼の経験が言わしめていると思うのですが、きょうの引用歌は年齢のせいか角がとれたように感じます。憲兵大尉といえば甘粕大尉が思い浮かびますが、わたしには理解不能の歌に変わりありません。(汗)

信楽、登り窯、冷や水

次の朝ドラ(スカーレット?)の舞台と聞いてがぜん撮影意欲を上げた友人に誘われて信楽へいってきました。
友人のガイドで「宗陶苑」という窯元にお邪魔してパーチパチです。
美人のご主人のお話では、この日もテレビ取材が入るということでした。

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olympus pen-f ibelux 40mm
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olympus pen-f ibelux 40mm

引用も季節外れですが、信楽で、
 靑葉寒(あをばざむ)信樂(しがらき)までを同行のこの男、戀人の愛人  (塚本邦雄)

ここは朝ドラのロケ地として既に有名な場所のようで、家族連れや若いカップルもみえてました。

ああ、「カップル」という単語よりも「アベック」という言葉のほうが先に浮かんできて、「年寄り」を実感します。そして「リア充」は、とてもじゃないが使えません。

アベックという語にはフランスへのあこがれが感じられます。英語よりも粋だという価値観が感じられます。無理して「カップル」なんて書きましたが、やっぱりアベックと書いたほうがよかったなあ。年寄りの冷や水は不健康の元だなあ。

しまらく遊ぶ

きょうは息抜きです。ちょっと遊んでみました。

『遊ぶものは神である。神のみが、遊ぶことができた。遊は絶対の自由と、ゆたかな創造の世界である。それは神の世界に外ならない。この神の世界にかかわるとき、人もともに遊ぶことができた。』(白川静「文字逍遙」)

これもわたしなりの神頼みです。
モデルのかれは信楽焼です。かれも映画の中では神様ではなかったかなあ。
あれっ、妖怪でしたか。うそぉ、妖精でしょう。いえ、神様です!

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olympus pen-f ibelux 40mm
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olympus pen-f m.zuiko 17mm

 思ひいづるおほかたは死者篠原に野分(のわき)いたりてしまらく遊ぶ  (塚本邦雄)

ただ事になっていく日々

きょうは一身田のサルスベリですが、何枚もシャッターを切ったのに結局つまらない写真を撮ってしまいました。
そこで、わたしの幻視でお茶をにごします。

カメラがよくなって光線引きなどという失敗は今時ないのですが、老化した頭はまぼろしを見るのです。

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olympus pen-f ibelux 40mm

お寺で撮ったのに不真面目だと、罰があたらないように、ノーマルな写真も一枚。
わたしは小心者です。(笑)

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むかしカラースライドを現像に出すときはいつも、「ストリップ」でお願いしていました。
紅顔の美少年(?)だったわたしは「ストリップ」という言葉にいつも恥ずかしい思いをしていました。(汗)

ストリップはスライド枠に入れずに長尺のままという意味ですが、いつも既定枚数以上を撮ってフィルム代をケチっていたせいで、フィルムの端っこに光線引きしたコマがありました。
もう半世紀も前の話です。

 白壽、百壽もただごととなり百日紅(さるすべり)しらじらと門前に散り果つ  (塚本邦雄)

神は微風のごと

まいどまいど、何撮ってるの?
神様ですよ。細部に宿っていらっしゃるという、あの。
いるんですか、いえ、いらっしゃるんですか?
分からないから写真に撮っているんです。
下手な写真では写らないのではありませんか?
いつか神様を写せるようになりたいなあ。

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olympus pen-f ibelux 40mm
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olympus pen-f ibelux 40mm
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 鈍色に煮ゆるあはびの夕がれひ神は微風のごとよぎるなり  (塚本邦雄)

呪呪とかすれ

一身田で撮った写真はまだ続くのですがちょっと飽きたので、いつもの終活がてらの”記念写真”です。

シグマDP1はヤフオクで入手したしろもので、ピント合わせの遅さや撮影間隔の長さ、逆光時の特有のフレアなどでコンデジ的な使い方をしたいときには使いにくいカメラでしたが、それも個性として楽しむことができる魅力もありました。
電池寿命の短さなどから一年間に一、二回ぐらいしか使いませんが、わたしのようなアマノジャクの性格に合ったカメラです。

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pen-f m.zuiko 25mm
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pen-f m.zuiko 25mm

背中ばかりではカメラに失礼なので正面も一枚だけ撮りました。
一緒に写っているのは、オペラグラスではなく義父が中国戦線で使っていたものと聞いています。
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pen-f m.zuiko 25mm

敗戦の一年前に帰国した義父は結婚して、戦後「町の電気屋さん」を営みつつ赤旗も愛読していたようですが、戦争を徹底的に嫌ってました。

 遠ひぐらし呪文の呪呪とかすれつつつひにきれぎれの敗戰の勅  (塚本邦雄)

死語ではない

きのうの”お寺”写真つながりで、寺院の中で撮った写真を。

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塚本邦雄に敗戦の歌は多くて、敗戦から40年や50年という時間の流れを詠んだ歌もあるのですが、
 敗戰百年忌の「不惑書廊」には飾られつ軍靴(ぐんくわ)の素描百點  (塚本邦雄)

父がよく使った“へんじょうか”はもう死語ではないのかなあ。敗戦は死語にはならないよね。

ル・ジタンを

軟弱なpithecantroupusは、ついつい郷愁にひかれてしまい、せっかく昨日ピリッとしようとしたことも無に帰して。

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olympus pen-f ibelux 40mm
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olympus pen-f ibelux 40mm

軟弱の歌を見つけ損ねて文弱でお茶をにごします。
 味酒(うまさけ)身は文弱の徒(と)に過ぎずル・ジタンを日がな一日ふかす  (塚本邦雄)

時代の変化で「煙草」文化がきえていくことに寂しさを感じるわたしは、「老人」性を完全に証明されたのでしょうか。もっと昔には「麻薬」文化もあったのですから、消えていくのは仕方がないのでしょうね。「ル・ジタン」とか「ゴロワーズ」なんて単語も死語になっていくのかなあ。

ながされてゆく日日のなごり

きのうはノスタルジーについウルウルした写真をあげてしまったと反省して、
きようは少しはピリッとした写真をとは思うのですが、果たしてピリッとしているのかどうか、
老化とともに自己陶酔がだんだんとひどくなっています。(涙)

 ナルシスの名のみ空しく虹に似つながされてゆく日日のなごりに  (塚本邦雄)

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olympus pen-f ibelux 40mm
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郷愁 ~ 一身田再訪です

昨年7月に行った一身田の町を再訪しました。
今回も郷愁に浸ってしまいました。

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olympus pen-f ibelux 40mm
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ここは真宗高田派専修寺(せんじゅじ)を中心にする「寺内町」です。「高田本山」と呼びならわされているので、引用の短歌も強引に”高”で、
 高らかに夏の歌吹く角笛よきみは未來にこそあまがけれ  (塚本邦雄)

今日も

叔父さんが使っていたキャノネットで今日も”記念写真”です。

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pen-f nokton 25mm
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この初代キャノネットだけがライカビットのようなトリガー巻き上げで、デザイン的に優れていると思うのですが、実用性も経済性もレバー巻き上げに勝てなかったようで、このあとの機種に継承されなかったのが残念です。
この、底面で巻き上げるトリガーのせいで、軍艦部がすっきりしてのも大好きなデザインです。

叔父さんはキャノンのカメラを持って得意そうでした。オリンパスを馬鹿にしていたように感じたのは、子供の繊細な感受性のせいだったのかも。

墓前の雨に

8月15日です。

 敗戰忌、晝の墓前の雨に佇(た)つ白衣(びやくえ)・靑衣(しやうえ)の若き死者たち  (塚本邦雄)

先日、亀山で撮影したとき、墓地にヒメヒオウギズイセンが咲いていました。
「ヒオウギ」の花の代わりに、きょうあげることにします。
寺の山門の鋲は五稜星(五芒星)の代わりに。

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olympus e-m5mk2 nocticron 42.5mm

兄二人が戦死した母は今でも、高齢で迷惑をかけるからと15日より前の日を選んで地元の護国神社にお詣りしていますが、その旺盛な反戦思想は衰えません。それは理論的、論理的な思想ではなく、生きている間に身に沁みついた、本能や性格と区別もつかなくなった思想です。

過ぎにける片片のこころ

台風が来るそうです。心がざわつきます。
三重県南部の尾鷲市にも大雨が降ると予報されています。20代前半の数年をすごした街です。

昨年末に昔の仕事仲間に招待されて尾鷲を訪問したときの写真から、アップしていなかった残り物をあげて、かの地の無事を祈ります。

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朝6時、まだ銭湯は開いていません  olympus pen-f m.zuiko 17mm
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JR尾鷲駅は無人でした  olympus pen-f m.zuiko 25mm
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わたしは出歯亀ではありません  olympus pen-f m.zuiko 17mm
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神が宿る場所です  olympus pen-f m.zuiko 17mm

 颱風は冱え冱えと野を過ぎにけりわがつづる片片のこころ  (塚本邦雄)

誰はばからぬ

きょうも暑い暑いとクーラーかけて高校野球のTVをつけはなしにした部屋に引きこもって、”記念写真”撮ってました。

「Agfa Optima 335」は、ファインダーやシャッターボタンやボディ表面の仕上げなどプラウベルマキナ67のミニチュア版のようで可愛らしく、発売された当時から欲しいなあと思っていたので、後年中古品を衝動買いしました。

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pen-f nokton 25mm
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pen-f nokton 25mm

色温度を変えて処理したので、カメラのために”記念写真”らしいノーマルな写真も。

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pen-f nokton 25mm

アグファの短歌がないので、替わりに、アグネスで、(汗)
 アグネス・バルツァ消炭色の肌濡れてハバネラの誰はばからぬ聲  (塚本邦雄)

するどきこころもてひとり

出かける勇気が出ず玄関から数歩出て、雑草と隣家の花を撮りました。

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olympus pen-f ibelux 40mm
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olympus pen-f ibelux 40mm

元気が出ないときは他人の若さを吸い取るのがいいと思って、塚本邦雄の歌集『透明文法』から引用します。

 草の秀(ほ)にましてするどきこころもてひとりし赴(ゆ)けり炎(も)ゆる夕べを  (塚本邦雄)

『透明文法』は1975年刊行ですが、「水葬物語以前」と副題があるので、1951年29歳の第一歌集『水葬物語』以前の歌なのでしょうか。
「するどきこころ」なるものを私ももう一度持ちたいのです。

黒に惚れ

なぜかオリンパス・ペンEEDのブラックボディが出てきたので、記念写真をパシャしてちょっと息抜きです。

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EEDにブラックボディは作られていないので、これは後塗りです。発売時のオリンパスの広告では角ばったデザインのせいか、いつも男性モデルに持たせていたことが思い出されます。宣伝では”高級機”で売り出していましたが、プログラムシャッターをのせていてイメージが一致しない印象でした。

 黑鞘組旗本次男坊に惚れTVを離れ得ぬおほははよ  (塚本邦雄)

ゴーストタウン

いつもいつも、”数で勝負”→”のこりもの”→”重箱の隅をつっつく”のパターンです。
ということで、今日は重箱バージョン。(撮った本人は結構お気に入りなのですが。)

海王丸を撮らずによそ見してました。

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olympus pen-f m.zuiko 17mm

サイロのドアが、怪しいバーの入口のようで、気になるのです。(そういえば”ビハインド・ザ・グリーンドア”というポルノは結構お気に入りでした。)
つぎの轍(わだち)のほうは、先の方が右にカーブしているのが気に入りません。(曲がりたくないなあ。)

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olympus pen-f m.zuiko 17mm

塚本邦雄『不變律』のなかの「丙寅五黄土星八月暦」から立秋の日の歌を選んで、
 西部劇幽霊町のぬかるみを渉る眞處女(まをとめ) 泪ながれたり  (塚本邦雄)

ついでに、『約翰傳僞書』からも、
 誕生日、この日立秋、秋よりも腹が立つ「みたみわれ」てふ死語にも  (塚本邦雄)

塚本邦雄は、おのれを「御民 (みたみ)」などともちあげられて青春を奪われたことを、最晩年になっても恨んでいたのでしょうか。

しろさるすべり

ナガサキの日なので、白百日紅の写真を。

 常の日に似ることも怖ろし葉月十五日灰色の白百日紅(しろさるすべり)  (塚本邦雄)

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olympus pen-f m.zuiko 75mm

あとは、”のこりもの”の季節ということで、はずかしながら、なお海王丸です。(汗)

写真の出来が悪い分を大きさでカバーしようというのは、不味い料理を量でカバーしようという発想と同じで、何の救いにもなっていないことがよく分かります。(笑)

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olympus pen-f kowa prominar 8.5mm

混濁して強弁

あついと頭のはたらきもわるくなるのでしょうか、”数で勝負”のつぎは”のこりもので勝負”へいくはずが、きょうもまた”数”でいきます。
たんに「写真を選べない」という老化現象に過ぎないような気もしますが、耄碌したなどと認めたくないから、数で強弁です。(汗)
せめて写真を小さくして申し訳なさを視覚化します。
01LR-P8030115-Edit-5.jpgolympus e-m5mk2 samyang 135mm
02LR-PF035255-Edit-5.jpgolympus pen-f kowa prominar 8.5mm
03LR-PF035240-Edit-5.jpgolympus pen-f kowa prominar 8.5mm
04LR-P8030030-Edit-5.jpgolympus e-m5mk2 m.zuiko 17mm
05LR-PF035226-Edit-5.jpgolympus pen-f kowa prominar 8.5mm
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塚本邦雄の引用は、『老舗(しにせ)質店主耄碌 手稿本「酩酊船(バトー・イーヴル)」も流されたるか』(1992年の第22歌集『汨羅變』(べきらへん))つながりで、10年後の第24歌集『約翰傳僞書』(よはねでんぎしょ)から、

 「酩酊船(バトー・イーヴル)」書きたる頃のランボーは海を知らざりけり十九歳  (塚本邦雄)

混濁した頭脳では。残念ながら。ランボーの詩は日本語に翻訳されていてもうまく理解できません。(涙)

数は質を超えるのか

数で勝負なので、質は問わないでください。(笑)

ということで、塚本邦雄も「数」と「質」で、
 かず知れぬ蚤よこぞりてやまがはに溢るる血潮飲み盡せよ
 老舗(しにせ)質店主耄碌 手稿本「酩酊船(バトー・イーヴル)」も流されたるか

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olympus e-m5mk2 m.zuiko 17mm

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olympus pen-f m.zuiko 75mm

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olympus e-m5mk2 samyang 135mm

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olympus e-m5mk2 m.zuiko 17mm

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olympus pen-f m.zuiko 75mm

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olympus pen-f kowa prominar 8.5mm

紺青

きょうは十字架からはじめます。(ほんとうは海王丸のマストです。)
ヒロシマの日ですから。

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olympus e-m5mk2 samyang 135mm

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olympus e-m5mk2 samyang 135mm

楽器を持っているのでセイレーンと思い込んでいたら、「紺青(こんじょう)」というちゃんとした名があるのだそうです。日本丸船首像の妹さんだそうです。

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olympus e-m5mk2 samyang 135mm

塚本邦雄には印象的なヒロシマや原爆の歌があるのですが、きょうのはちょっと昨日の感情を引きづって選びました。

 原爆繪書展中止令 芳名簿末尾わが名と緋の拇印消す  (塚本邦雄)

彼方の壁

”海王丸”が目的でしたが、毎度のことながら素直さに欠ける性格が邪魔をして、”壁”のほうが気になって仕方がありません。(汗)

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olympus pen-f m.zuiko 75mm

最近目が悪くなったようで、ひび割れの後ろにぼやけた景色がみえるのです。
だから、ネコジャラシも金色に輝く魔法のようで。

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olympus pen-f m.zuiko 75mm

海王丸も一枚だけ。
”神は細部に宿る”という言葉を信じています。

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olympus e-m5mk2 m.zuiko 17mm

 遠き彼方の壁の上には灰色のヒトラーが立ちすくめり、四月  塚本邦雄)

季節外れの歌ですが、愛知トリエンナーレ会場から「少女像」が撤去されたというニュースを聞いて、。
「少女像」に不快感を感じる一人ですが、展示場から撤去するという野蛮な行為へは憎悪を感じます。
芸術はイデオロギーもエコノミーもポリティクスも超えたところにあってほしいと思うので。

とわに

四日市港開港120年だそうです。それで海王丸です。

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olympus e-m5mk2 samyang 135mm

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olympus e-m5mk2 lensbaby 5.8mm

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olympus e-m5mk2 samyang 135mm

 砂金降る夢よりさめて消息(せうそく)すとはに生きたまへははそはの母  (塚本邦雄)

夜の帆は 〜海王丸 at 四日市港

帰宅が遅くなりました。
きのうの残り物のほうがましな写真でした。

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pen-f m.zuiko 17mm

 きれぎれに男のことば夜の沖の帆はすぎしかなしみをはらみて  (塚本邦雄)

年中日々休暇

暑さに怖れをなして引きこもり中につき、のこりものでお茶をにごすことに。(汗)

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pen-f m.zuiko 17mm

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pen-f m.zuiko 17mm

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 暑中休暇の日々の教室 黑板に「戰爭」と百ばかり書き散らし  (塚本邦雄)

他界の壁

暑さで色がおちて今日はモノクロームになりました。(またウソつき!)

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olympus e-m5mk2 nocticron 42.5mm

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olympus e-m5mk2 nocticron 42.5mm

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olympus e-m5mk2 nocticron 42.5mm

 象の膚(はだ)灰色に濡れいまだ見ぬ他界の壁のごとし八月  (塚本邦雄)