思はざれ想はざれと

お風呂掃除や三度の食事の用意に追われつつ、写真を撮っている夢を見ながらついうっかりと午睡をしてしまいました。家事労働を隠れ蓑にして写真の恥かきを言い訳言い訳。(汗)

 思はざれ想はざれとぞ花合歓の下もとほりつ つひに死を念ふ  (塚本邦雄)

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olympus pen-f helios 85mm

梅雨に残んの

在庫払拭につき金勝寺から『何撮ってるの?』のたぐいで。

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olympus pen-f helios 85mm

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sigma DP2Q

 もてあそぶ言葉や露のゆふぐれに殘んの蓼のみだるくれなゐ  (塚本邦雄)

なんぢ閉じたる花園

なまじかんぬきがかかっていると中を想像したくなります。pithecantroupusは見えないと見たくなるど助平でもあります。(汗)
戸を開けると、この世もあらぬ景色がひろがっているに違いないと、妄想をたくましくしました。
まだ金勝寺です。

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sigma DP0Q

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 音樂は夏あけぼのの空わたりなんぢ閉じたる花園(くわゑん)のごとし  (塚本邦雄)

いま使っているオリンパスペンFの後継機は作られないという噂をWEBで見ました。残念ですが、それだけ生産コストがかかっているということでしょうか。わたしがもう少し若ければソニーのa6000シリーズあたりに乗り換えるのですが、今更そのような元気はありません。ペンタゴナルプリズムを持たないのに形ばかり真似たミラーレスが増えていくようで残念です。そのうえ、機種が更新されるほどカメラの性能はあがるのですが、初代の持っていた尖がった魅力はどんどん消えていきます。いつまでこの趣味を続けていけるのか、カメラの「発達」と自分の老化との競争のように感じます。

倒木更新

きのうは金色の千羽鶴に思わず金運を願ってしまいましたので、きょうは超俗を気取ることにしました。(笑)

金勝寺境内はうつくしい緑の中に国宝級の仏像を蔵した小さな堂宇があちらこちらと点在して、それらを巡っていくうちにこちらの煩悩が霧消していくようで、年甲斐もなく清新な気分になった目はただの木々にもうつくしさを感じました。

 水無月の森ははるかにけぶりをりまみ美しき人を待つとて  (塚本邦雄)

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sigma DP2Q

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olympus pen-f helios 85mm

いつの日に解かるる魔法

金勝寺近くの馬頭観音堂でも千羽鶴を見つけてパシャです。
絵馬がえらくモダンですが、この場所からJRA栗東トレーニング・センターが望めるので、さてはサラブレッドがモデルかも。
あとで調べたらトレーニング・センターは要予約ではありますが、少人数で施設見学ができるそうで、一度見学したいなあ。

 夏いまだ童貞の香の馬を責む戀いつの日に解かるる魔法  (塚本邦雄)

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olympus pen-f nocticron 42.5mm

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olympus pen-f nocticron 42.5mm

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olympus pen-f nocticron 42.5mm

のちもかなしき

滋賀県栗東市金勝山金勝寺の写真ふたたびです。
かつては大菩提寺ともよばれて栄えたそうですがいまは静かな山寺でした。

雑木を切って燃やすけむりが与謝蕪村の『変化(へげ)のけぶり』(北壽老仙をいたむ)を思い出させて、どこかへ連れていかれそうな気がしました。

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sigma DP2Q

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olympus pen-f helios 85mm

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olympus pen-f nocticron 42.5mm

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sigma DP0Q

塚本邦雄の歌もけむりと仁王で、

 飽食ののちもかなしきおももちの若者と「夏と煙」とわれと  (塚本邦雄)
 新年の風はたとやみ山門に晶晶とひとみきらめく仁王  (塚本邦雄)

独り言

お前も生きているのかがんばれよと、樹を見ながら声に出してみました。

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olympus pen-f nocticron 42.5mm

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olympus pen-f nocticron 42.5mm

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sigma DP0Q

愛犬〇〇の件

日雲神社内踏切の写真の後は、ちゃんとお参りして重ね重ねの神だのみをしましたが、
手を合わせていても、雑念が支配する頭が「狛犬を撮れ」というのです。
さすが信楽の狛犬は陶製でした。

 愛犬ウリセス去勢の件を今夕(こんせき)は家族會議にかけむ 黴雨寒(つゆざむ)  (塚本邦雄)

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olympus pen-f helios 85mm

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olympus pen-f helios 85mm

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olympus pen-f helios 85mm

「踏切」てふものありて

目先を変えて鉄味でいきたいのですが、動くものは大の苦手なので、へっぴり腰でパシャしました。
往復の列車が来るたびに、「ヤッ!」とそれぞれ一回だけシャッターを切った結果、二枚が撮れました。
甲賀市信楽町日雲神社内を横切る信楽高原鉄道です。

 むかし「踏切」てふものありてうつし世に踏み切り得ざる者を誘ひき  (塚本邦雄)

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olympus pen-f nocticron 42.5mm

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sigma DP0Q

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olympus pen-f nocticron 42.5mm

夕風の蓮

お寺だ仏だとこのごろ抹香くさい匂いが染みついてしまっているので、きょうはご近所で撮った植物系で出直しです。

と思ったら、何のことはない「極楽浄土」の蓮の写真でした。
きっと心の中にある未練が消えないのでしょう。pithecantroupusは煩悩から解脱できません。(笑)

 呵々大笑して恕(ゆる)したるおもかげのうすずみいろに夕風の蓮  (塚本邦雄)

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olympus pen-f helios 85mm

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olympus pen-f helios 85mm

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olympus pen-f helios 85mm

亀山市辺法寺町「穴虫の郷」は有志の方々が蓮田を整備されているのですが、ことしはまだこれからのようでした。夕方に行ったので朝咲いた花もつぼみにもどっている様子でした。

お賽銭不足

大菩提寺といわれた滋賀県栗東の金勝山金勝寺(こんしょうじ)で撮影してきました。
先日訪れた廃少菩提寺つながりです。

仏だのみ、神だのみがどんどん増えていきます。ゆっくりと写真も撮っていられない。(笑)

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sigma DP0Q

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olympus pen-f helios 85mm

明暗の夏

肉眼のラチチュードが歳のせいで狭くなったような気がします。まぶしい!

 死に絶えしうから數へて睡眠のはじめ明るき夏のふるさと  (塚本邦雄)

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olympus pen-f nikkor 135mm


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olympus pen-f nikkor 135mm

最近仲良くなったものは、お医者さん、看護師さん。きょうも会ってきました。
調理道具や掃除道具も親しくさせてもらっているので、他人の家のものでも気になります。

考える

きょうは「考える人」です。(笑)

ロダンは地獄を覗き込む青年の像と当初考えていたという話も聞きましたが、あなたは何を見ているのでしょうか。
「お前は救いようのないやっちゃなあ」と考えているのでしょうか。

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sigma DP2Q

 考へる豚なりき根の無い蘭科植物なりき火の街に棲み  (塚本邦雄)

塚本は、(自分は)考える豚だったというのですが、わたしのように考えない豚はどうなるのでしょうか。
いえ、考えるから豚になったので、なにも考えなければ鹿か馬になれたはずです。

名前は

この白い花は「カラー」ではないでしょうか。植物にうといのでよく分かりません。(動物、とくにヒトにはもっとうといのですが。)

 釘、蕨、カラーを買ひて屋上にのぼりきたりつ。神はわが櫓  (塚本邦雄)

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olympus pen-f nikkor 135mm

寺院のにほひ

「さつき寺」帰途の道草、大悲山西明禅寺ののこりもので。(汗)

 鼠滅ぼしわが家寺院のにほひする数日ののち鉄色の夏  (塚本邦雄)

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場所を変えてもまだガラス戸を覗いています。「変態」か。(笑)

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olympus E-M5mk2 m.zuiko 60mm macro

庭に下り立ち

きょうも滋賀県日野雲迎寺のこりものでお茶をにごします。(汗)

 残花紅き夕べの庭に下り立ちて水飲めり万斛(ばんこく)の憾みのごとき  (塚本邦雄)

紅い花ではなく種ですがアバウトな性格は何でもOKですから。(笑)
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olympus E-M5mk2 m.zuiko 60mm macro

ヤナギの下にもう何匹目のドジョウかと自分でも思うのですが、素直でないアマノジャクは残りものも「窓ガラス」ばかりです。
歪んでいるものから目が離せないのです。そのうえ、歪んでないものでさえも滲んでくるのです。

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olympus E-M5mk2 samyang 135mm

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olympus E-M5mk2 samyang 135mm

グリム嫌ひ

シンデレラはお風呂掃除やトイレ掃除をしながらまた写真が撮りたいなあと思っているのですが、魔法使いのおばあさんが出てこないのでがっかりしながら、「さつき寺」で撮った写真の入った重箱の隅をつついて、軒下の雑草を一本取り出してきましたが。

 グリム嫌ひイソップ嫌ひ父に臀百叩かるる夢を愛して  8塚本邦雄)

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理髪店

理髪店へ行ってきました。すっきりしましたが、とら刈りになりました。(ウソ)

 理髪店壁のラジオに焙(あぶ)らるるジャンヌとわれの灼かるるつむじ  (塚本邦雄)

ほんとうはお茶畑です。
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olympus E-M5mk2 samyang 135mm

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olympus E-M5mk2 samyang 135mm

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olympus E-M5mk2 samyang 135mm

わたしが行っている理髪店もいつもラヂオがかかっています。
キョロキョロしないようにラヂオなのでしょうか。

小学生の頃、理髪店で順番を待っている間に雑誌の小説を読んで下半身の一部が硬直してしまい順番が来た時に困った記憶があります。あれは黒岩重吾だったような気がするのですが不確かです。ブルーフィルムを撮っている場面で「ツンパ」という隠語に異常に興奮したのです。もうあの店のおじさんもおばさんも死んでしまいました。おじさんの背中に立派な刺青があるのを銭湯で見たのはもうすこし後だったと思います。ハンサムな人でした。

上か下かうつつに

どちらが上でどちらが下か、天は上で地は下か、撮った写真をひっくり返して首をかしげています。
どうもこれは上下逆さまのようですが、アマノジャクは他人が上といえば下、天といえば地だと言い張るのです。

塚本邦雄も上と下で、
 赤い旗のひるがへる野に根をおろし下から上へ咲くジギタリス
 この世は修羅以上か以下かうつつには宇都宮第五十九聯隊

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sigma DP0Q

三半規管が狂った写真のお口直しに、
かやぶき屋根には薪が似合います。

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olympus E-M5mk2 m.zuiko 60mm macro

上だと思っていたら下で下だと思っていたら上だったと、ようやく気づけるようになったのです。
老化現象ではありませんよ、年の功ですよ。

優越感を持っていた人が自分より数等優れていることや、劣等感を感じてきた人のつまらなさに気づくことが多いのです。
そうなると上でも下でもどうでもよくなってきたのです。
写真まで上下がいい加減になってきたのです。(これは老化現象かも。(笑))

スノビズム

雑草も好きですよ。
雑草のように生きるのは理想ですが難しい。
やっぱり誰かの目にとまりたいという雑念が払しょくできません。pithecantroupusはスノッブです。(汗)

 いつまでも夏風邪癒えず風呂場より俗物の兄のロシア民謡  (塚本邦雄)

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olympus E-M5mk2 m.zuiko 60mm macro

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olympus E-M5mk2 m.zuiko 60mm macro

もうひとつ季節があっていませんが、
 われや衆愚のほかとおもふに夕映のなかなる一樹うすべにに萌ゆ  (塚本邦雄)

わづかななぐさめ

樹がうらやましいと思うことがあります。何年も生きたいと思っているのでしょうか。終わりが近づくほど生き続けたいと思うのです。

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olympus E-M5mk2 m.zuiko 60mm macro

塚本邦雄も「樹」で、
 世界とは何なりけるか六月の鶺鴒あはれ樹々の間を飛ぶ
 みなづきのしんしんとして愛享(う)くる縞なす影は樹々の梢(うれ)より
 阿(おもね)らず經しをわづかになぐさめとなせり雨天の撓める新樹

集中力不足、忍耐力不足

せっかく「さつき寺」なるところへ来て花に向かって集中できないのはアマノジャクの性癖です。

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olympus E-M5mk2 samyang 135mm

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olympus E-M5mk2 m.zuiko 60mm macro


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olympus E-M5mk2 m.zuiko 60mm macro

花にケツを向け、よそ見して、とうとう寺の外へでてしまいました。
そういえば小学校のころの通信簿に「忍耐力不足」と書かれた記憶があります。そのころから成長していないのでしょうか。身体のほうは成長しすぎてあちらこちらとボロが出ているのですが。

 聖六月こころの沖も金色(こんじき)にけぶる旅てふふたたび還るな  (塚本邦雄)

ゐつづけといふふりがな

雲迎寺にまだ居ます。

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olympus E-M5mk2 zuiko 60mm macro

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 刹那の人生と言へれば水無月に流連(ゐつづけ)といふふりがなあはれ  (塚本邦雄)

「流連」にルビをふっている例を「青空文庫」で探したら夢野久作「暗黒公使(ダーク・ミニスター)という作品にぶつかりました。
ほかにも塚本と同じ歌人の高濱虚子に「俳諧師」というのもありました。こちらは、京都や広島など塚本と縁のある場所が出てきますし、俳諧師という語も塚本の祖父を連想させます。
しかし「刹那の人生」という言葉は、右翼の巨頭を父に持つ夢野久作のほうがピッタリする感じを受けます。暗黒公使が発表された昭和8年(1933年)に早熟の塚本は11歳で、その年齢で夢野久作を読むというのもピッタリ感いっぱいです。
いっぽうで塚本が批判に力を注いだ短歌の潮流のなかでは高濱虚子が主宰した「ホトトギス」などは最たるものだったでしょうから、皮肉な歌の語調にふさわしいかもしれません。
いえ、もっと単純に、「水」と「流」という漢字の組み合わせを遊んでいるだけかもしれませんが。

待ちかぬる

滋賀県日野の法林山雲迎寺(うんこうじ)はさつきで有名だそうで、
わたしと同じような年頃の方がすでに三脚を立ててみえましたが、
アマノジャクのわたしは窓ガラスばかり覗き込んで、ここでも「不審者」でした。

 皐月待つことは水無月待ちかぬる皐月待ちゐし若者の信念  (塚本邦雄)

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ガラスで歪んだサツキだけではせっかくきれいに咲いた花に失礼なので「記念写真」も一枚です。

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olympus E-M5mk2 zuiko 60mm macro

先に三脚を立てて撮影されていた方はマミヤRB67を使ってみえました。
わたしが同じマミヤのC330を使い始めたころに発売になったカメラで、レンズを含めた重さを考えるとちょっと手を出しにくかった印象があります。
しかし、その後、親しくなった職場の同輩が片足に障害があるのにペンタックス67をもって日本アルプスを山行しているのを知り、写真のためなら妥協しない態度に敬服しました。
いまでも、だから大きなカメラをエッチラオッチラ持っている撮影者を見ると、それだけで尊敬してしまいます。
pithecantroupusがもっともレスペクトするのは、当然、エイト・バイ・テンです。(笑)

されば六月

コイはピンボケです。(汗)

 不渡手形遡求権のごとき恋 されば六月の鯖かがやける  (塚本邦雄)

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olympus pen-f nikkor 135mm

季節が変わるときは体調を崩しがちです。皆様もどうぞご自愛ください。pithecantroupusも疲れると、玄関先や台所でもところかまわず床に横になってひと眠りしています。

言語警察

タマネギは好きです。
食べ過ぎると頭が禿げるのはラッキョウですよね。タマネギは大丈夫ですよね。
もう禿げ止まっていますが。(笑)

 酒場「葱花輦(そうくわれん)」店びらき二十一世紀の言語警察官(ワ-ドポリス)のために  (塚本邦雄)

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olympus pen-f nikkor 135mm

「ワ-ドポリス」の意味が分かりません。「砂糖楓(メイプル)シロップ舐めつつ浮ぶ薄笑ひロスアンジェルスとは墮天使か」といったことば遊びの類の歌は作者にはよくあるみたいですが、この語には思いつきません。

知らず、昨日の

過熱しないように注意しながらやっていてもついつい調子に乗ってしまって後悔ばかりです。(笑)

 知らず、昨日(きぞ)の車庫の靑年 自動車の下に熱疾(や)むごとほほゑみき  (塚本邦雄)

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FC2ブログで写真をアップロードするときに”Magablo”というタグがあるのですが、どうやって使うのか、何かメリットがあるのか分からないので気づかないふりを通しています。どこかにヘルプがあるのでしょうが探すのも面倒だし。pithecantroupusはあまのじゃくだけではなくて面倒くさがり屋です。

クモの糸

ここに彫られた仏がすべてお釈迦様というわけではないのでしょうが、無知なpithecantroupusには釈迦も弟子も何も区別がつきません。
写真を撮っているとき寄ってきてあちこち刺した虫たちを殺さなかったから、きっと地獄に落ちた時に頭上にクの糸が垂れてくるでしょう。(笑)

 まひる金環蝕寂けきを咒ひつつ逆さに下りくる春の蜘蛛  (塚本邦雄)

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olympus pen-f nikkor 135mm

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olympus pen-f nikkor 135mm

芥川龍之介のクモの糸はかんだたのひと言で切れましたが、本人は人の重みで切れたと思っていないのでしょうか。そして毎日、ふたたびクモの糸が頭上に垂れてくるのを待ち、さらに他人の頭上に垂れてくる糸があれば先取りしようと思っていないでしょうか。お釈迦様はきっと翌日も同じことをするのではないでしょうか。

俗にかえった日

同じ石仏でもきのうのよりは新しそうな湖南市正福寺でも撮りました。サツキの花には少し早かったようですし、ここで一番見たかった十一面観音像も要予約だそうで残念ながらスルーでした。

塚本邦雄に十一面観音の歌が見つからなかったので、
 雨あかつきとぼそくるや一瞬に咲きほこるなり千手観音
 還俗(げんぞく)の朗朗として夏あさきちまたに女犯(によぼん)こほしからむ

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olympus pen-f nikkor 135mm

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olympus pen-f nikkor 135mm

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老ゆるはおそろしき六月

たくさんの仏がいる空間はわたしの頭にも何かの働きをしていたのか、夢中で撮影したのに出来上がった写真はイメージが大きく違っていました。
いやいや、単なる老化現象かな。(笑)

 老ゆるはおそろしき六月琅玕の一つかみ魂の価(あたひ)は  (塚本邦雄)

琅玕(ろうかん)は、ネット検索すると、緑色や青色の玉だそうです。
撮影場所はきのうの三枚目と同じ野洲市福林寺跡です。

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olympus pen-f nikkor 135mm

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