二月尽

きょうはキッチュで。

きょうで二月も終わりということで、塚本邦雄。
 生きつつ死せる海鼠(なまこ)くらはむ二月盡夕虹色の三杯酢もて
 沈丁花かをらぬままに二月盡あねいもうとが風邪うつしあふ
 二月盡うはさのたねは追儺(おにやらひ)濟ませて離散せし烏丸家(からすまけ)
 單身移轉致候二月盡バス停「糺ノ森」北五丁

01LR6-P2244529-1.jpg
PEN-F M.ZUIKO 17mm 1.2

02LR6-P2244504-1.jpg
PEN-F M.ZUIKO 17mm 1.2

香をかなしみ

梅園は年ごとに整備されているようで、前には無かった柵がつくられ、花にとってはやさしくなりましたが写真を撮るには不便です。
せっかくのロウバイも遠目にながめるだけでした。(あとで柵の中に入って撮っている人を見かけてうらやましく思いました。)

 必然の時こそいたれ掌(て)におもき書と臘梅(らふばい)の香をかなしみつ  (塚本邦雄)

01LR6-P2244670-2.jpg
PEN-F M.ZUIKO 17mm 1.2

02LR6-P2249326-1.jpg
E-M5mk2 Helios 85mm 1.5

LR6-P2249239-1.jpg
E-M5mk2 Helios 85mm 1.5

もなかにありて

梅を撮りに行ったのですから、あまり咲いていなかったとはいえ梅の写真も。
花の数の乏しさはボケと多重とグルグルでごまかしました。

写真の不足分は塚本邦雄で。
 西空に紅梅一枝うかうかと殘年に踏み入りつつわれは
 鬱たる寝覺のやみの底にして剪られけむくれなゐの梅一枝
 悲しみのもなかにありて伊勢乙女(いせをとめ)こよひ紅梅の實を煮るといふ

01LR6-P2249265-Edit-2.jpg
E-M5mk2 Helios 85mm 1.5

02LR6-P2249345-Edit-2-2.jpg
E-M5mk2 Helios 85mm 1.5

02LR6-P2249291-Edit-Edit-1.jpg
E-M5mk2 Helios 85mm 1.5

のあたりか

小さな梅園は天満宮のものです。花がまだということで、ときおり様子見に来た人がのぞいていくぐらいでしたので、さかりを過ぎた山茶花や、2月14日に行われた粥占の残り物などで。

粥占については地元の観光案内のWEBに、
『約800年前から伝わる伝統的な粥占い神事。長さ10cmの竹筒を12本繋げて粥釜に入れて、竹筒に入った粥の量で三月から翌年二月までの作柄を占う。 
 約10cmの樫の枝12本の焼け具合で気候を占う。祈祷をしながら12時頃から粥を焚き始め、粥占神事のあと、夕刻に訪問者に粥を振る舞う。』
と紹介されています。

01LR6-P2244577-1.jpg
PEN-F M.ZUIKO 17mm 1.2

03LR6-P2244488-1.jpg
PEN-F M.ZUIKO 17mm 1.2

LR6-P2244627-Edit-1.jpg
PEN-F M.ZUIKO 17mm 1.2

粥つながりで塚本邦雄も、
 粥あつし不孝の果ての帰郷よと言はるるや京都衣棚(ころものたな)
 小豆粥冷えわたりけりみぞるるは神州天馬峽のあたりか
 白粥は微風に搖るるおとろへてつひに淨まるこころかなしも

此岸のいくじなし

写真が払底したわたしを哀れに思った友人がご近所の小さな梅園に誘ってくれましたが、残念ながら花はまだまだ先という様子でした。
それでもわずかに咲いた花を見つけて。

枯葉をまとった花を見つけたときはホッとしました。カメラを持ちだした甲斐があったと。
01LR6-P2249380-1.jpg
E-M5mk2 Helios 85mm 1.5

うれしさのあまり、モノクロも。
03LR6-P2249375-1.jpg
E-M5mk2 Helios 85mm 1.5

不安定な形に撮ってしまいました。じぶんの影が入らないようにすることに気をとられて。
02LR6-P2244638-1.jpg
PEN-F M.ZUIKO 17mm 1.2

 梅白し此岸の懦夫(だふ)に彼岸なる破邪淫戒の悪友の上(へ)に  (塚本邦雄)

懦夫(だふ)という言葉を知らずに、検索して臆病な男とかいくじなしの意味だと分かりました。わたしにぴったりだ。

上をむいてあるこう

10日前から写真を撮っていません。まいどのことながら残り物で口をぬぐうことにします。

柱のつくるパースペクティブが気に入らないのですが、尊像のほうは歪んでないのでよしとしました。
でもこの角度を見ているのは居心地がわるいですよね。縦位置でも撮りましたがさらに気持ちが悪い。
01LR6-DP0Q1595-3.jpg
DP0Q

先にお賽銭をあげてから撮りましたよ。
山門を見上げていたら、通りかかった人にじろじろ見られました。ここは織田信長の三男信孝の菩提寺です。
02LR6-DP0Q1581-3.jpg
DP0Q

性をすこし愛す

きょうはネコの日だそうで、
 飼猫をユダと名づけてその昧(くら)き平和の性(さが)をすこし愛すも  (塚本邦雄)

まだ畑の周りをうろうろ。海面のようなビニールハウスのサーフェイスを見飽きることがありませんでした。
01LR6-P2144336-1.jpg
PEN-F NOKTON 25mm 0.95

02LR6-P2144284-Edit-1.jpg
PEN-F NOKTON 25mm 0.95

さらばゴヤ

ここも山里の例にもれず高齢者の多い地区のようで、また生活の本拠を別に移して日中は留守という家も多いようです。
そんな村をうろうろしてあちこちのぞき込んではパチリでは、不審者以外の何物でもないと思います。
訪れた日は日中の気温も上がったのですが、朝は寒くて霜柱がしっかり立ってました。

01LR6-P2144223-1.jpg
持ち主の性格が見える PEN-F M.ZUIKO 17mm 1.2

02LR6-P2144211-4.jpg
堅い守り PEN-F M.ZUIKO 17mm 1.2

03LR6-P2144221-3.jpg
生活空間は必然性の美 PEN-F M.ZUIKO 17mm 1.2

 金子兜太氏が亡くなったそうです。これを機会に彼の作品をこれから読んでみようかと思いました。その才能にふれてみたいと思う何人かの一人です。

 さらばゴヤ畫集は焚かむきさらぎの寒冷蕁麻疹消ゆるまで  (塚本邦雄)

草の種子など

きのうが雨水だったそうで、農作業に縁の深いということで、畑仕事をさぼって写真を撮っていては天罰が下るかもしれません。などと言いつつ今日も山里の写真を。

 少年の戀、かさねあふてのひらに光る忘れな草の種子など  (塚本邦雄)

01LR6-P2144269-1.jpg
枯れていたって光り輝くときもある PEN-F NOKTON 25mm 0.95

02LR6-P2144233-1.jpg
軽トラだけが通るわけでないよ PEN-F NOKTON 25mm 0.95

03LR6-P2144228-1.jpg
シイタケはシイの木につくります PEN-F NOKTON 25mm 0.95

04LR6-P2144355-Edit-Edit-1.jpg
錯綜しているのは私の頭だけではない PEN-F M.ZUIKO 17mm 1.2

木村伊兵衛賞のノミネートが発表されたニュースを見て、みんな女性なのに驚きました。時代遅れの人間は、思わず、「しっかりせんかい、男たち!」と言ってしまいます。

きょうは人体模型で

畑仕事も少しは手伝いましたよ。
写真ばかり撮っていたわけではありません。
でも今日も加太のお散歩写真です。

私の脳と脚もきっとこんなもんだろうと想像しつつ。

01LR6-P2144203-2.jpg
シナプスの火花が見える PEN-F M.ZUIKO 17mm 1.2

02LR6-P2144180-1.jpg
ボルトを埋めても骨粗しょう症にはかてない PEN-F M.ZUIKO 17mm 1.2

友はほうむられ

加太、なお。
畑仕事をさぼって旧家の中をこそこそ探検して泥棒の下見のような写真。

塚本邦雄の二月で、
 漆黒の長靴穿(うが)ちて遠江(とほたふみ)よりひとづまは來れり 二月
 二夜泊りて二夜の魔王きさらぎの水もて熱き脚洗ひける
 友は葬られたり二月獣園の豹の目遠き星のごとしも

 日中の気温は上がって、霜柱がとけて畑の泥がついた長靴を井戸水で洗いつつ、山の獣たちは寒い冬をどうしているのかなと想像しているという歌でないことは確かです。(汗)

01LR6-P2144183-1.jpg
貴重品入れのでかいの PEN-F M.ZUIKO 17mm 1.2

02LR6-P2144196-1.jpg
なにが住むのか PEN-F M.ZUIKO 17mm 1.2

03LR6-P2144188-2.jpg
次の仕事の準備もおこたりなく PEN-F M.ZUIKO 17mm 1.2

 インタビューではみんな優等生でしたが、そんな映像ばかり流すテレビ報道が作り出すステレオタイプなアスリート像に疑問をおぼえます。
 戦前のベルリン大会のとき、船上の日本選手団の行動に他の船客が眉をひそめたという話を聞いたことがあります。
 傍若無人も若者の特権だと思っている老人は、それをまったく許さない風潮へ危機感を感じているのです。

重いまぶたでめまい

イノシシとサルとシカの天国などと失礼な形容をしたところは、亀山市加太町です。
加太越は壬申の乱の昔からの古い街道で、ここは加太宿という宿場だったそうです。

関西線の大和街道架道橋というレンガの高架橋があるのですが、今回は畑仕事のお手伝いが目的でしたので、横目で見つつ通過しました。(撮りたかったなあ。)

きょうの写真も仕事をさぼりながら畑の中でこっそり撮った写真です。
01LR6-P2144354-1.jpg
ほうれん草は守られています  PEN-F M.ZUIKO 17mm 1.2

02LR6-P2144327-1.jpg
実物はもっと美味しそうです  PEN-F NOKTON 25mm 0.95

フィギュアスケートと朝日杯のニュースばかりなので、その若さに嫉妬しつつ塚本邦雄で、
 春夜、電車のまぶたおもたきわれにむけ靑年のスケート靴の蒼き刃
 陥穽を豫知するゆびのなめらかなうごきに眩暈(めまい)するチェスの騎士

死にたいほどはづかしい

おんなの子の節句の写真は昨日で一区切りつけて、イノシシとサルとシカの天国の里で畑仕事をさぼりながら撮った写真を再び。

あすは有名なはだか祭がある日と聞いて、
 裸祭の花崎遼太處女座(をとめざ)のうまれ死にたいほどはづかしい  (塚本邦雄)

01LR6-P2144237-1.jpg
PEN-F NOKTON 25mm 0.95

02LR6-P2144404-1.jpg
PEN-F M.ZUIKO 17mm 1.2

LR6-P2144261-Edit-2-1.jpg
PEN-F NOKTON 25mm 0.95

 ブログに写真をのせているのは、ほめてほしいとか励ましてほしいとかコメントしてほしいとか、自分の写真を評価されたいという気持ちからなのは明らかですが、もう一つ、評価してもらう以前に自身で撮影結果を確認するという面もあります。

 確認するには印刷するのがいいと分かっているのですが、撮影のときの意図通りの写真になっているかをブログにあげることで確認しています。訪問いただいた皆さんには失礼な話ですが、写真を印刷する直前のプロセスになっています。(汗)

 しかし最近は「ボケ防止」という大きな課題ができて、ブログがその機能を担いつつあります。いえいえ、ボケ防止ではなくてボケの進行阻止です。

なまなまと耀

またひなまつり訪問記のつづきで。
写真を撮った亀山市関町は一週間前に行ったばかりで、変わりばえのしない写真ばかりですが。
02LR6-DP2Q2343-Edit-Edit-1.jpg
DP2Q2

03LR6-DP0Q1589-1.jpg
DP0Q

01LR6-DP2Q2357-Edit-1.jpg
DP2Q

ズイコー17mm(35mm相当)を使った撮影を2回ほど続けたらシグマDP2Qの30mm(45mm相当)の感覚を忘れていて、窮屈なフレーミングの写真が多かったです。被写体との距離も、カメラを構えてから一、二歩後ずさりすることが多くて、これも老化現象かなあ(涙)。

 不運續く隣家がこよひ窓あけて眞緋(まひ)なまなまと耀(て)る雛の段  (塚本邦雄)

光りつつ

むかし職場でお世話になった人にさそわれて、
イノシシとサルとシカの天国という自然豊かな田舎のお家を訪ね、慣れない畑仕事をして、野菜やシイタケをいただいてきました。

チョコももらえなかった私には(義理チョコはもらったけど)、バレンタインデーという言葉も空々しいけれど、
 あなうらを刺す靴の釘なめらかに光りつつ聖ヴァレンタイン祭  (塚本邦雄)

01LR6-P2144386-1.jpg
PEN-F M.ZUIKO 17mm 1.2

02LR6-P2144297-1.jpg
PEN-F NOKTON 25mm 0.95

03LR6-P2144302-1.jpg
PEN-F NOKTON 25mm 0.95

路地裏で

「1day bar」と書いてある小さな看板を見つけましたが、戸には南京錠がかかっていて何者なのかは?でした。
カタカナの読み方さえわかりません。(汗)

01LR6-DP0Q1577-Edit-1.jpg
DP0Q

02LR6-DP2Q2353-Edit-1.jpg
DP2Q

03LR6-DP2Q2305-Edit-2.jpg
DP2Q

祀(まつ)るべきもの

早すぎますがひな祭りイベントがとなりの市で始まったときいて。

 雛祭祀(まつ)るべきものわれにあたへいもうとが美しき燈(ひ)を消す  (塚本邦雄)

亀山市。
01LR6-DP0Q1559-1.jpg
DP0Q

02LR6-DP0Q1557-Edit-2.jpg
DP0Q

03LR6-DP0Q1564-2.jpg
DP0Q

LR6-DP2Q2314-Edit-1.jpg
DP2Q

淡き火花

きょうもかわりばえのしない写真で、(汗)
01LR6-P1279199-8.jpg
E-M5mk2 M.ZUIKO 17mm 1.2

02LR6-P1279097-Edit-8.jpg
E-M5mk2 M.ZUIKO 17mm 1.2

カズオ・イシグロ氏の講演には以下のようなくだりもありました。

 作家にとって重要なターニングポイントは - たぶん、多くの職業で同じかもしれませんが - こんなふうにやってきます。ちょっとした瞬間に、その人だけにわかる啓示の火花が静かに光ります。めったにあることではなく、あってもファンファーレつきとはかぎりません。お墨付きをくれる師や同僚もいないでしょう。その啓示と競い合うように、もっと声高に緊急の対応を要求してくる出来事があるかもしれませんし、啓示の意味することが時代の常識に反しているかもしれません。ですが、啓示を得たら、その何たるかを認識できることが重要です。さもないと、せっかく来たものが手をすり抜けていってしまいます。(土屋政雄訳、早川書房刊)

 わたしにも火花は光ったのでしょうか。
 きっと、もう手をすり抜けていってしまったのだろうなあ。(涙)

03LR6-P1279077-1.jpg
E-M5mk2 M.ZUIKO 17mm 1.2

 咳(せ)けば淡き火花となりて飛び去らむわがてのひらの鶺鴒一羽  (塚本邦雄)

反省中

かわりばえのしない写真ですが。
02LR6-P1279050-Edit-8.jpg
E-M5mk2 M.ZUIKO 17mm 1.2

LR6-P1273884-8.jpg
PEN-F NOCTICRON 42.5mm 1.2

カズオ・イシグロのノーベル賞受賞講演の最後で彼は「呼びかけ」として文学を発展させる重要性に言及し、われわれは「多様に」なるべきだと言います。

「第二に、優れた文学を定義するにあたって、あまりにも狭く保守的な縛りをかけないよう細心の注意を払わなければなりません。次世代の作家たちは、重要で素晴らしい物語を語るために新しく、時には私たちを惑わすような手法を携えてやって来るでしょう。私たちは、特にジャンルや形態について、彼らに心を開かなくてはなりません。そうすれば、彼らの最も優れた部分を育て愛(め)でることができるでしょう。分断が危険なほど深まっている時だからこそ、私たちは耳を澄ませて聞かなくてはなりません。良いものを書き、良いものを読めば、障壁を打ち破ることができます。・・・」(土屋政雄訳、早川書房刊より)

ボブ・ディランを思い出しながら読みました。次に写真表現について想像しました。

先日みてきた友人の参加している写真展は、フィルム時代からそうだったように構図とシャッターチャンスにこだわった作品が並んでいましたが、意外だったのは、ほとんどがフォトショップ仕上げの「インスタ映え」の写真だったことです。「きれい」に仕上げるのを目指した結果、個性がなくなっているように感じ、失礼ではありますが「他山の石」にしようと思いました。
しかしカズオ・イシグロ氏の講演を読んで、もっと謙虚になろうと反省しました。

LR6-P1273891-Edit-Edit_HDR-8.jpg
PEN-F NOCTICRON 42.5mm 1.2

やみがたき煙色

関宿なお。
01LR6-P1273902-Edit-8.jpg
PEN-F NOCTICRON 42.5mm 1.2

02LR6-P1273970-8.jpg
PEN-F NOCTICRON 42.5mm 1.2

01LR6-P1279106-Edit-8.jpg
E-M5mk2 M.ZUIKO 17mm 1.2

写真を撮る、本を読むはむかしから好きだったことですが、
他に役に立ちそうなことをする、新しいことに関心をもつようにするは最近になって心掛けていることです。

そうしないと気ままな日々を送ることになって、確実に脳味噌が劣化してしまいます。
面倒から逃げて昔の事ばかり思い出していると、創造性も発想もなくなると感じます。

塚本邦雄への関心もわたしの脳トレーニングの一つです。
かれの「二月」の歌から、
 やみがたき愛など知らず紅き菓子食ひて眠らむかな 二月星
 靑年の鍵裂きの肩くちひびく二月の悪漢小説(ピカレスク)はじまらむ
 二月の驟雨硝子打つとき青年の浴後やさしき煙色(けむいろ)のひげ

ひりひりとひび

ことしが寒いせいか、わたしが歳をとったせいか、両手のあかぎれがどんどんひどくなります。
とくに右手の指がつぎつぎと切れてきて、出勤簿の指認証がうまくできるか不安です。

 ハープ掻く爪ひりひりとフーガ今ほのほの色の冰のひびよ  (塚本邦雄)

いつかの関宿さんぽに戻って、
01LR6-P1279141-Edit-Edit-2-8.jpg
E-M5mk2 M.ZUIKO 17mm 1.2

02LR6-P1279114-Edit-Edit-8.jpg
E-M5mk2 M.ZUIKO 17mm 1.2

このまえのソラリゼーションをほどこす前の写真も参考に。
フィルムや印画の現像途中で一瞬光を当てるとネガとポジが一部逆転する現象をつかった手法ですが、マン・レイのころとは感光材が進化しているのでかえってやりにくくなりました。
デジタルはいいなあと思いつつ、ソラリゼーションもクロスプロセスもフィルム時代の手法で、デジタルならではの方法論がもっとでてほしいと感じています。
LR6-P1274076-1.jpg
PEN-F M.ZUIKO 25mm 1.2

密告したる賞

いつまでも咳がぬけずに困ります。
きのうの自制するという舌の根も乾かぬ間に、きょうもNIKで処理した写真を2枚。

旧安濃津監獄正門です。

三重刑務所駐車場の奥にあるのですが入り口に関係者以外の入場禁止の看板があったので、こっそり入って大急ぎで撮ってそそくさと出てきました。脳が劣化して規範意識がどんどん低下中です。
01LR6-DP0Q1550-Edit-7.jpg
DP0Q

02LR6-DP0Q1553-Edit-Edit-7.jpg
DP0Q

うしろめたさに心がうずくので、
既出の写真をムービーにしたのを貼って批判の目をそらせることにしよう。(汗)

曲はピアソラのオブリヴィオン(忘却)。バンドネオンの音がわたしは好きです。


カズオ・イシグロ/土屋政雄訳「特急二十世紀の夜といくつかの小さなブレークスルー」が届きました。
ノーベル賞受賞記念講演の英文と和訳の本です。
すでに全文の訳は毎日新聞サイトで読みましたが、「紙」を信じる者としては本がほしかったのです。

賞つながりでちょっと苦しいですが塚本邦雄で、
 春暁の鳥肌立ちて讀み返す迢空賞受賞歌集跋文
 王様に とさかに創のある鶏の過去 密告したる賞の楯

ソラリゼーションもどき

日曜日におしえてもらったRAW現像のテクニックは”NIK”という無料のプラグインでした。
暗部のトーンがよく出ている写真だったので尋ねたら、「PhotoshopとNIK」という返事だったので、わたしもいつも使っているLightroomにNIKをインストールしてみました。(有料だったら使わないな。)

ソラリゼーションとフォトショップばりのムーブメントとHDRを試してみました。
01LR6-P1274077-Edit-Edit-7.jpg
PEN-F M.ZUIKO 25mm 1.2

02LR6-P1274157-Edit-7.jpg
PEN-F M.ZUIKO 25mm 1.2

03LR6-P1279176-Edit-Edit-7.jpg
E-M5mk2 M.ZUIKO 17mm 1.2

ソラリゼーションは、むかし昔マン・レイにあこがれてフィルムでなんどか試してみたことがあるのですが、まったくうまく出来なかった経験があります。
それが簡単に出来てデジタルはありがたいと実感しつつ、クセにならないように自制しようとも思いました。

仰ぎて愛す

高いところが気になる性質です。
権威とか権力に弱いのもそうですが、やたら上ばかり見ては撮っています。

関町の散歩まだ。
01LR6-P1274066-1.jpg
PEN-F M.ZUIKO 25mm 1.2

02LR6-P1274044-1.jpg
PEN-F NOCTICRON 42.5mm 1.2

03LR6-P1274115-3.jpg
PEN-F M.ZUIKO 25mm 1.2

きのう友達の出品した写真展をみているときにRAW現像のヒントをもらいました。きょうは家事労働が厳しかったので試すことができず、明日以降の楽しみです。
他人と話すのは気疲れしますが、こういう得もあるし、だんだんと退化していく私の脳味噌にいい刺激になりそうです。

上向きの歌で、
 春寒のいたむみぞおちややふとりぎみの寝釋迦を仰ぎて愛す  (塚本邦雄)

友告げきたる

むかしの仕事仲間の友人から写真展の案内をいただいたので、となりの市まで出かけました。
友人の写真は真面目な性格をそのまま映したような、トーンや構図の均整がとれていてうつくしい写真でした。
(わたしはきっと明部のトーンなんかとばしてしまうだろうなあ)

ついでというと失礼ですが、阿漕教会へいってみました。
教会のHPでは、教会堂はW・ヴォーリズがアメリカから持ってきた設計図によるものと紹介されています。
1912年の建物なので、ちょうどヴォーリズが設計事務所を開いて数年後の建築です。

きょうは日曜学校で開放されていたのですが、信仰心うすい私は気後れして外からこっそり撮影してきました。
02LR6-DP0Q1506-1.jpg
DP0Q

03LR6-DP0Q1526-3.jpg
DP0Q

04LR6-DP0Q1531-3.jpg
DP0Q

教会へ行く途中の景色も一枚。
21mm相当のDP0クアトロと34mm相当のM.ZUIKO 17mmしか持ってこなかったので苦肉の一枚になりました。

01LR6-P2044172-3.jpg
PEN-F M.ZUIKO 17mm 1.2

紀伊半島にサクラの新種があるというニュースを新聞で読んで、その地方に住む知り合いに尋ねてみました。
数年前からクマノザクラといわれれ出したそうですが、見た目の区別は難しく、開花時期でそうだと気づくのだそうです。
わたしはわずか2年だけその地方に住んだことがあるだけですが、ニュースにこころがさわぎました。

 きさらぎに咲く櫻ありくれなゐと情知らずの友告げきたる  (塚本邦雄)

老いの顔になりて

 関町は重要伝統的建造物群保存地区に指定されて、電信柱を地中に埋めたり街道沿いの建物を江戸時代の宿場町らしく改築したりされていますが、どんどんテーマパークのようになっていくような感じもします。

 そんな観光化の流れに取り残された景色の方が、ときには魅力的であったりします。
 ナショナルのマークやその下の消えかかった「とうふ」と読める文字がいとおしいのです。

 昔ながらの桶をつくっているお店が一軒だけあって有名で、いつも店先で仕事をしてみえますが、人見知りをする私はご主人がお昼休みに席を立った一瞬に、こっそりシャッターを切りました。きのうとちがって、太陽光が射した瞬間の一枚で。

01LR6-P1274135-3.jpg
PEN-F M.ZUIKO 25mm 1.2

02LR6-P1274123-3.jpg
PEN-F M.ZUIKO 25mm 1.2

03LR6-P1274131-3.jpg
PEN-F M.ZUIKO 25mm 1.2

04LR6-P1273998-2.jpg
PEN-F NOCTICRON 42.5mm 1.2

 光さむき冰にうつり消えゆけり父に母に肖しその老(おい)の貌  (塚本邦雄)

あたりが暗くなってから小さな声で「福は内鬼は外」と豆まきをしました。
去年生豆をまいたら、温かくなってからそれらが芽を出して取り去るのに苦労しましたから、今年はちゃんと炒った豆をまきました。

おりしも雨または雪

きょうも関町の散歩写真でご機嫌を伺います。

01LR6-P1279213-2.jpg
E-M5mk2 M.ZUIKO 17mm 1.2

02LR6-P1274149-2.jpg
PEN-F M.ZUIKO 25mm 1.2

03LR6-P1279178-2.jpg
E-M5mk2 M.ZUIKO 17mm 1.2

あすはあちこちで節分の行事があるようですが、しずかに家に引きこもっていることにします。

 声澄みて追儺の母の立ちたまふをりしも夕雨(ゆふさめ)のめくらじま  (塚本邦雄)

愕然たるわがものわすれ

とうとうきのうは月も見ずに眠ってしまい、きょうになってあちらこちらのブログに載せられた月を見ては、自分だったら前景に何を入れただろうなどと考えるのですが、ボーッとした頭では何も思いつきません。

亀山市関町。
01LR6-P1274138-1.jpg
PEN-F M.ZUIKO 25mm 1.2

LR6-P1274143-2.jpg
PEN-F M.ZUIKO 25mm 1.2

021-JPEG20.jpg
PEN-F NOCTICRON 42.5mm 1.2

LR6-P1273935-1.jpg
PEN-F NOCTICRON 42.5mm 1.2

気がつけばもう二月で、さて先月は何をしていたのかと思いだそうとするのですが、ところどころ記憶があいまいなところがあって、

 愕然たるわがものわすれ電線に雨滴とどまりつつ二月なり  (塚本邦雄)