なみだぬぐいて

山女(あけび)原を散歩中です。
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畦の雑草だって美しい。 TOKINA Reflex 300mm F6.3

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あざみって好きですよ。 M.ZUIKO 25mm F1.2


塚本邦雄
 豊饒の麥秋、水呑百姓が咳ぐすり嚥むなみだぬぐひて   (日本人靈歌)

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壁の道具を見るとこの家の人も働き者だ。私には真似できない。 M.ZUIKO 25mm F1.2

赤をたぐえて

あけび原(あけんばら)を散歩です。
きょうのテーマは赤(レッド)です。
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赤いトタンはわたしの大好物。 M.ZUIKO 25mm F1.2

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青いゴジラがいる訳ではありません。赤い郵便屋さん。 M.ZUIKO 25mm F1.2

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失敗作ですがフレアが赤いので(汗)。辺りにわらしべは落ちてないか。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

 この七赤は、漢字のイメージを借用して、暦にも陰陽道にも無関係と思うのですが、渇き死、ホタル、環、恋が頭の中でつながりません。知識不足でイメージがまとまらないままに、写真もちょっとまとまりを欠いていますが。

塚本邦雄
 渇き死にし螢刺しつらねて環(わ)とすその七赤(しちせき)を戀にたぐへて   (花劇)

 記念写真も一枚入れて説明文代わり。
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りっぱなバス停。赤い消火器。 M.ZUIKO 25mm F1.2

山色清浄

 テーマは「みどり」ということで。
 場所は滋賀県土山町あけび原という山里で、漢字で山女原と書くそうですが、とても「あけび」とは読めません。
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まず山の神社へお参りして青もみじを見つけました。 M.ZUIKO 25mm F1.2

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あちこちに点々とちいさな茶畑が。 M.ZUIKO 25mm F1.2

 新緑も一日一日と色を濃くしていくように感じます。
塚本邦雄
 あつものに映りてわれの口赤し「山色淸淨心」戀ふれども   (花劇)

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川にみどりが映っていて、ピントは合わせたつもりですが。 TOKINA Reflex 300mm F6.3

一塊の

 見たことがあるけれども名前は知らない花。なおなおハーブ・ガーデンで。
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赤ちゃんの耳たぶ? M.ZUIKO 25mm F1.2

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ロケットが地中へいく。 M.ZUIKO 75mm F1.8

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乳母車がおくれ気味。 M.ZUIKO 75mm F1.8

塚本邦雄
 シモーヌ・ド・ボーヴォワールも一塊の炭となりしか金蓮花萌ゆ   (詩歌變)

はかなき戀おとづれて

 なおネモフィラ、なおハーブ・ガーデン。
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青いじゅうたん。 M.ZUIKO 25mm F1.2

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回れ回れ回れ。 M.ZUIKO 25mm F1.2

塚本邦雄
 父にはかなき戀おとづれてきのふより灰紫の蜥蜴の革帶(ベルト)   (水銀傳説)

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空き部屋あります。 M.ZUIKO 25mm F1.2

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国境にカベはない。 TOKINA Reflex 300mm F6.3

 きょうは小倉百人一首の日だそうですが、その選者の藤原定家と後鳥羽院との関係に、在原業平と惟喬(これたか)親王の姿が重なって見えさらに塚本邦雄と昭和天皇とが重なります。
 愛と憎のどちらに傾く天秤かは三者三様ですが、定家、業平、塚本邦雄の心に共通するものがあると感じるのです。

おかえりなさい

 ネモフィラのあるメナード青山、続きです。
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野外カフェの庭で。 SUMMILUX 15mm F1.7

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物置小屋の前で。 SUMMILUX 15mm F1.7

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黄色いケシの列らしい。 M.ZUIKO 25mm F1.2

塚本邦雄
 鸚鵡が人の言葉を忘れてしまふからまつすぐ家(うち)へお歸りなさい   (黄金律)

 TVニュースを見て、飼い主の言葉しか発せられない鳥を想像しました。

記憶のそれのみ

 ネモフィラを撮りに行って、違う花撮って名前が分からない繰り返しですが、何でもいいから写真を撮れれば満足です。
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M.ZUIKO 25mm F1.2

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M.ZUIKO 25mm F1.2

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M.ZUIKO 25mm F1.2

塚本邦雄
 百合の木を植ゑし記憶のそれのみに過去(すぎゆき)の一部分明るし   (感幻樂)

明日のわれに逢ふべし

 メナード青山へ行った主目的はこれを撮るためでした。
ネモフィラのお花畑です。
 今回は持参するレンズを重量で選んだので不満な結果でしたが、写真に撮れなかった実物の景色には大満足でした。
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う~ん、花畑に入ってみたい。 M.ZUIKO 75mm F1.8

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記録写真です。  M.ZUIKO 25mm F1.2

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家族連れとアベックばかりでした。 M.ZUIKO 25mm F1.2

 花の種類が違いますが、花という属性は同じなのでまあいいかと、いい加減なものです。
塚本邦雄
 明日(あす)は明日のわれに逢ふべし兩頬をしとど濡らして剪るかきつばた   (感幻樂)

青春は一瞬

 メナード青山のハーブ・ガーデンは、広い敷地にカモミールやラベンダーなどさまざまな草花が植えられていて見飽きることがありませんでした。いつもはこの時期に開花するカモミールが今年は遅れているそうです。
 きょうも名前不詳の花ですが。
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ネギの花に似ているのですが。 SUMMILUX 15mm F1.7

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周りの景色から浮かび上がるように。 M.ZUIKO 75mm F1.8

塚本邦雄
 靑春は一瞬にして髭けむるくちびるの端(は)の茴香(うゐきやう)の oui!   (感幻樂)

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繊細な細工に見とれ。 M.ZUIKO 75mm F1.8

誰にも聞こえぬ声

 きのうのハーブガーデンにはさまざまな花があったのですが、名札を見てこなかったので、鉄線に似たこの花の名前も不詳です。
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花が見下ろしている。 SUMMILUX 15mm F1.7

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見上げれば上下左右は無くなって。 M.ZUIKO 75mm F1.8

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どちらが上でどちらが下か。 M.ZUIKO 75mm F1.8

塚本邦雄
 朴の花中有(ちゆうう)ににほひ夭折の死のきはのこゑたれにも聞えぬ   (汨羅變)

うちにひびかう初夏

 3週間ぶりの撮影にメナード青山リゾート・ハーブガーデンへ行ってきました。
 写真を撮っていると今月初めに傷めた脚の痛みも忘れて夢中でしたが、カメラの設定がほとんど初期化されていたのには困りました。レンズも重いHELIOSやFisheyeは止めて、軽量スタイルで試運転です。

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ハーブガーデンでお茶を。 SUMMILUX 15mm F1.7

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咲くケシははるか。 TOKINA Reflex 300mm F6.3

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4本の木の下で。 M.ZUIKO 75mm F1.8


塚本邦雄
 遁走曲(フーガ)われのうちにひびかふ 初夏(はつなつ)の涸れしプールの底あゆみ來て   (日本人靈歌)

ははは

 明日こそは撮影に出かける予定ですが、きょうはもうストックもないので・・・。津島5月1日。
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KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

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Helios 85mm f1.5

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NOCTICRON 42.5mm F1.2

塚本邦雄
 おほはははおほちちの邊の揺籃歌(ベルスーズ)フニクリ・フニクラのこゑ霞み   (靑き菊の主題)

♪ オニのパンツは いいパンツー つよいぞー つよいぞー

しびれるばかりの初夏

 暑さもいいかげんにしてほしい一日でしたが、夜になるとさわやかなのは真夏とのちがいでしょうか。
 写真の方はいまだに晩春のままです。
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せめて色だけでも五月。 Helios 85mm f1.5

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ミツマタにあきあきですか。 SUMMILUX 15mm F1.7

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みつまたデルタ。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

 写真が季節に追いつかないので歌の方でつじつまを合わせる厚顔。

塚本邦雄
 靑年が手に穿きて視るスパイクの釘光り痺(しび)るるばかり初夏(はつなつ)   (日本人靈歌)

きのふの空や

 口をつぐんで4月末の美杉村をもういちど。
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谷はミツマタが咲き乱れて。 SUMMILUX 15mm F1.7

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杉林の樹間で。 SUMMILUX 15mm F1.7

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七重八重花は咲けども山吹の。 M.ZUIKO 25mm F1.2

 ミツマタも山吹も春の花だそうですから季節はずれもはなはなだしいと、せめて引用する方は夏の花にして。

塚本邦雄
 花桐のきのふの空や喪の族に   (社内報「またいち」一号 昭和24年8月)
 アマリリス一夜水夫の寝て去りゆき   ( 〃 )

生きいきと

 もう言い訳はしませんが・・・。
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わたしは不審者ではありません。もちろんのぞき魔でも。 Helios 85mm f1.5

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藤まつりに来てこちらを撮っているアマノジャク。 Helios 85mm f1.5

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ピント合わせが間違っているなんて硬い事言わずに。 Helios 85mm f1.5

塚本邦雄
 生きいきとにくみあひつつ夏近くなりぬ伽羅蕗(きやらぶき)食ふ家族たち   (日本人靈歌)

憶ふこころ

 重箱の隅をつつき過ぎて穴を開けて。
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フレアが多すぎますが、重箱の隅ですから。 Helios 85mm f1.5

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シャッターボタンを押しただけですが、重箱の隅ですから。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

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色温度が変ですが、重箱の・・・。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

塚本邦雄
 胡蝶花(しやが)みだれ伏すにはたづみ過ぎむとし一刹那國を憶ふこころ   (黄金律)

劣れる我

 5月は一日に津島で撮ったきりなので、きょうは4月末の写真でお茶を濁すことにして。
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新しい芽吹きがまぶし。 Helios 85mm f1.5

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花壇でもなく植えられているのが美しく。 M.ZUIKO 25mm F1.2

塚本邦雄
 神々に劣れる我が情なくアネモネ畑をはだしで飛び出す   (歌誌『木槿』1947 4月)

つかのまの猶予

 けじめのない藤の花ももうストックもなくなり、今日は重箱の隅からです。さて明日からはどうしようと思案しても、いつも行き当たりばったりですので、明日になればなんとかなるさと楽天的に考えて今日の更新。
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重箱の隅からつついて出して。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

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反対側の重箱の隅から。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

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標本も必要。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

塚本邦雄
 新綠の世のことごとくきらめかず新郎つかのまの猶予乞う   (歌人)
 祝婚歌成らざるままに夏明けてすさまじきうぐひすのみささぎ   (豹變)

 こっそり自己満足の一枚も追加して。
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どこが面白いと聞かれても困るけど。 NOKTON 17.5mm F0.95

惜敗せり

 そろそろ見飽きたかも、藤の花。なお津島。
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一緒に見上げたい、カメラを構えたおっさんとではなく。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

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下を見ればうらやましいから上を見る。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

 夏場所が明日からはじまるので。
塚本邦雄
 はつなつの夜の草相撲小結の瑠璃生(るりお)混血にて惜敗せり   (歌人)

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輝いてます。 NOKTON 17.5mm F0.95

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このうす汚れ感はわたしのもの。 NOKTON 17.5mm F0.95

 塚本邦雄の短歌にたびたび「混血」が出てきますが、いずれも社会的差別感を伴った単語と意識されていると思います。本人に差別感はないのですが、とくに戦争直後のあからさまな差別意識を踏まえて使われていると感じるのです。
 そのうえで、かれはこの言葉に「優越性」を付加しようとしているのではないかという気がします。普遍性や平等感ではなくて優越です。かれはそこにひとりの人間と国との関係の先進性、ありまほしき未来の姿をみているように感じるのです。

生誕より死へ

 気分転換は個人主義の行為。
 と自覚するのですが、藤の写真ばかりつづくと自分自身が飽きてしまってRAW処理がいい加減になってしまうので。
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わたしは空隙恐怖症。 NOKTON 17.5mm F0.95

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玄関はイタリック体。 Helios 85mm f1.5

 玄関が傾いている写真はレンズのせいではなく、実際の建物が歪んでいました。でも、一瞬、自分の姿勢が傾いていると思ってしまいました。
塚本邦雄
 生誕より死へ 新綠の傾斜字体(イタリック)一樹濡れ立つ樅のわかもの   (綠色研究)

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藤のみが残り。 NOKTON 17.5mm F0.95

おまけも一枚。
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記念写真。 Helios 85mm f1.5

ひだりは他界

 同じ藤ですが、目先を変えて水面を写しました。上下がひっくり返って、「目先を変える」ことになったのではないかと全くの自己満足です。こんなのは「目先を変える」ことにはならないでしょうね。
 自己満足とはいえ、津島は水が近いのでこんな撮影ができるので面白く思いました。
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逆さまの世界に見とれ。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

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一枚目と二枚目のどちらか一方を選べない優柔不断の私。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

 夜の野外には何かいるような感じがするのは私だけですか?
塚本邦雄
 ここに立ちてひだりは他界深淵のさざなみに散文の網打つ   (星餐圖)

の中にひとしづくの

 津島、藤祭の夜をなお続けて、日も落ちて三日月が出てきた時間の写真で。
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天から星が降る。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

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今夜は街灯も出演中です。 M.ZUIKO 25mm F1.2

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幕の向こうは他界か。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

 写真とはまったく無関係ですが、ガラス片が降ってきたようなふじ棚の下で、人が途絶えた一瞬の不気味さを思い出して。
塚本邦雄
 硝子屑硝子に還る火の中に一しづくストラヴィンスキーの血   (綠色研究)

おそろしき凶器

 津島。
 フジばっかしです。
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五月というだけで風の感じも変ります。 Helios 85mm f1.5

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午後4時は閑散として。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

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新緑もわずかにあります。 Helios 85mm f1.5

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三々五々。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

 カメラのファームウェアをバージョンアップしました。期待していた『カメラの設定のバックアップ』が可能になったのはうれしいのですが、データはコンパイルされていて、カメラへの読み書きができるだけでした。それだけでも進歩でしょうが、設定をプリントアウトできればもっとよかったと思いました。(これは、アプリ側の問題かもしれませんが。)
 
 わが家の風呂場の水回りにトラブルが発生したので、それにちなんで。
塚本邦雄
 廚房は神聖にして蛇口(コック)なるおそろしき凶器が濡れつぱなし   (魔王)

心ぞたち迷う

 津島でバチにあって今日も足を引きずっています。
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青い窓が気になって。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

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友達の少ない私。 NOKTON 17.5mm F0.95

塚本邦雄
 春は盡くれ亡母のこころぞたち迷ふ野やふるさとのあやめむらさき   (歌誌『靑樫』 1947 6月)
 鮮しき生命が二つ濡れてゐむはるかなる山の藤の霧雨   ( 〃 )

むらさきいろのフジにちなむ歌を引用しました。
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どこにでもある写真で恥ずかしい。 NOKTON 17.5mm F0.95

使っているカメラのファームウェアがバージョンアップしたらしいのですが、足の痛みが気になって今日は余裕がありません。明日の楽しみにとっておくことにしました。

風あそぶ

 勝手な気分で、また津島のノスタルジーに戻りますが、けっして脳が重篤なので回想法を繰り返しているというわけではありません。
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午睡の時間。 Helios 85mm f1.5

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お賽銭あげないとバチがあたる。 Helios 85mm f1.5

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花はフジばかりではありません。 Helios 85mm f1.5

 本当にバチがあたったようで、町を歩いている間に理由もなく右足のふくらはぎが痛みだして、さいごの方は足を引きずるようにしていました。半分はヘリオスの重さのせいでしょうが。

塚本邦雄
 死後を思へばなまめくごとし百合の木の梢(うれ)にかはたれの風あそぶ   (星奔樂)

 花の写真を一枚ささげて、お稲荷さんに謝ることに。
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きょうの終わり。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

夏のさきぶれと

 ふじ棚に夕日の逆光とライトアップの光が射す時間は10分足らずで、こんな時はのんびりした性格が災いです。(汗)
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わたしは無粋を自覚しています。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

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あせってレンズ交換しているとズームがちょっとうらやましい。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

 うかうかしている間に昨日が「立夏」だったそうで、そういえばニュースで各地の気温が話題になっていました。

塚本邦雄
 鱗翅(りんし)、鞘翅(せうし)、脈翅(みやくし)ら夏のさきぶれと死のさきぶれの母の嗄れごゑ   (感幻樂)

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波紋を待っている時間が。 M.ZUIKO 25mm F1.2

永久(とは)の眩暈(めまひ)よ

 なお津島。なお藤。
 たそがれどき、藤棚の端が夕日に輝き、手前の藤がライトアップされ始めました。
 帰宅するランドセルの子供、談笑する若者、休息する老夫婦がこの場にふさわしく、カメラなぞ構えている自分は無粋で馴染まない存在と感じました。
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時間がゆっくりすすむ頃は。 M.ZUIKO 25mm F1.2

きのうは空中ブランコだったので今日は鉄棒でいくことにして、あとは青年つながりで。
塚本邦雄
 鐵棒の夜の大車輪恍惚と靑年はあり 永久(とは)の眩暈(めまひ)よ   (驟雨修辭学)
 絃樂器ひびきかはせり 靑年の未知なる暗き領土のなかに   (透明文法)

それと、きのうの風をはらむ天幕の写真に飽き足らず、続きを。
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風よふけ。もっとふけ。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

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あられもない紅白。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

ひとしくたもつ

 なお昏睡の中の津島。
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水平と垂直の比は、扉と壁との間で等しく保たれています。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

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集合郵便受とでもいうのでしょうか。 NOKTON 17.5mm F0.95

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ただの塀ですが。 Helios 85mm f1.5

塚本邦雄
 空中鞦韆(くうちゆうぶらんこ)の靑年と死への距離ひとしくたもつ昏睡のなか   (日本人靈歌)

 やっぱり藤がないとさびしいので。
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きゃぁっ、悪戯な風が。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

いだかれてうく

 きのうは写真のキャンプションに「青い山脈」を使ってしまいましたが、ちょっと古い歌が思い出されたのは、津島という町の景色に主観的に染まったせいかもしれません。
 そこでフジを撮る前に津島散歩をしました。一月に訪問した時に撮り損ねたものを撮りなおしたりしながら歩きました。
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花咲く生垣に微笑みかけられ。 NOKTON 17.5mm F0.95

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ヒノキが守る。 NOKTON 17.5mm F0.95

 だんだん写真が回想法になっていくような不安があります。
塚本邦雄
 抱かれて泛く浴槽の熱き淵なんぢ嬰児(えいじ)とよばるる男   (靑き菊の主題)

 さらに前回うまく撮れなかったものも撮りなおしました。
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ハートが気になって。 NOKTON 17.5mm F0.95

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まだ残っていてよかった。 Helios 85mm f1.5

藤がないのも寂しいので一枚追加します。
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藤がこんなに匂うとは。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

おわりの明るまむ

 ことしはじめにロケした津島へ、友人が藤の花を撮ろうと誘ってくれましたので、いさんで出かけました。
 前回の津島は収穫が多かったのですが、今回は苦手なハナ撮りでしたのでどうなることでしょうか。
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らんらんらん、らんらんらん、ららららんらんらん。 Helios 85mm f1.5

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ふるい上着よさようなら。 Helios 85mm f1.5

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さみしい夢よさようなら。 Helios 85mm f1.5

 空海に「三界の狂人は狂せることを知らず 四生の盲者は盲なることを識らず 生れ生れ生れ生れて生の始めに暗く死に死に死に死んで死の終わりに冥(くら)し」(己れが正しいと思いこみ正しいもの正しいと見ることができなわれわれは、何度生れ変わってもなぜ生れ来たかったかなぜ死んでいくのか、その意味が分かっていない。)という言葉があるそうです。
 評論家の島内景二は塚本邦雄の歌を、作歌者が空海の言葉を踏まえつつ、死んで美しい青鱚の腹を見ると、『死の後に、明るく輝くこともある』と思えてくる(と歌った)・・・と解説していました。
 弘法大師に興味あったわけではなく、この解説文に惹かれて今日の歌を引用しました。

塚本邦雄
 死に死に死に死にてをはりの明るまむ靑鱚(あをきす)の胎(はら)てのひらに透く   (星餐圖)

五月来る

 もう五月。歩き続けているのに前進していると感じられない掻痒感に落ちこみますが、面の皮を厚くして、食傷気味のミツマタを続けます。
 わたしは、続ければいつかは光が見えると信じています。
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お~い出てこい。 Helios 85mm f1.5

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地上のホシ。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

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見られている。 Helios 85mm f1.5

塚本邦雄
 五月來る硝子のかなたに森閑と嬰兒みなころされたるみどり   (綠色研究)