ふれあふひびき

塚本邦雄
きこゆるは風花(かざはな)のそのはなびらのふれあふひびき母には白壽   (黄金律)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

なお杠葉尾。
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電柱も眠るか。 M.ZUIKO 25mm F1.2

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洗いざるは黄色です。 TOKINA Reflex 300mm F6.3

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お社の鹿は青銅の。 M.ZUIKO 25mm F1.2

 はやくも一月も終りです。一月の別名の睦月にちなんで、『驛長愕くなかれ睦月の無蓋貨車處女(をとめ)ひしめきはこはばるるとも』(詩歌變)を引用したかったのですが、既に引用済みでしたので、一昨日の母の歌つながりにしました。

 「駅長おどろくなかれ」は菅原道真の和歌を下敷きにしているそうですが、塚本邦雄の戦争詠の代表的作品とある本に解説されていました。しかし道真が己の身に起こっている現実を踏まえて歌っているように、それを下敷きにした塚本邦雄も、知識をもとにしたのではなく、何らかの現実を目にして歌ったのではないかと感じます。

 そして読者としては、彼の見た現実を穿鑿するのもいいでしょうが、自分が生きている時代の現実に引き寄せてイメージをつくっても作者に失礼にはならないと思っています。

 雪がふる季節に、屋根のない貨車に載せられている処女は、人間扱いをされていない、尊厳を踏みにじられた存在です。あえてアウシュビッツをもちださなくても、いまの世界にもそうした扱いを受けている人々がまだたくさんいる事実を指摘すべきだと感じます。難民を排除しようとか、さらに難民をつくろうとか、難民を固定化しようとかいった昨今の行為に対して、「駅長おどろくなかれ」という歌を引用したかったのです。

睡りたる寒き空と

塚本邦雄
睡りたる寒き空港と綠色(りよくしよく)の燈(ひ)もてつながる夜閒飛行機   (装飾樂句)
眼科醫、眼科醫と邂ひしかば空港のあかつきあかねさす水晶體   (水銀傳説)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

なお杠葉尾。
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あれは金鵄かと。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

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青、ただの青。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

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三角はいさぎよい形。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

雪凍ててしづかにめぐり

塚本邦雄
母に未來無し 夕暮と雪凍ててしづかにめぐりやむ風見鶏   (装飾樂句)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

杠葉尾で。
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冬の光は母より来ると。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8
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離住(かれず)みに経たるいくとせ。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

 塚本邦雄の母は彼が22歳のときに54歳で亡くなったそうです。かれはその死に際して挽歌を百首つくったと聞きます。
 『母に未来無し』と聞いて一瞬母親を突き放したような印象を受けてしまいましたが、すでに故人となった母親だと思うと、未来が無いという言葉も哀憐に満ちたものへと感じます。
 一方で、『母』という言葉に『母国』というイメージを重ねると、また違う世界が見えてくるように思います。

 写真のキャンプションは『冬の光は母より來ると花まだき一樹の柊をにくしみつ』(豹変)と、
『離住(かれず)みに經たるいくとせ季(とき)過ぎて紫苑(しをん)咲く日を母に對(むか)ひつ』(薄明母音)とから。

創り余して

塚本邦雄
戀の歌創り餘して目つむるに聲あり三十一文字より逃げよ   (歌誌『玲瓏』52号)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

きょうは雪の写真をとりに県境を越えて。滋賀県杠葉尾(ゆずりお)。
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夏になればキャンプ場ですが。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

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あそこへ行きたいけど。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

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杠葉尾はゆずりおだけどユズリホなのか。 M.ZUIKO 25mm F1.2

 写真を撮り余すほど撮りつくしていない私が目をつむっても何の声も聞こえないのです。もしも声を聞けば、きっと新しい世界がはじまると思うのですが。そういえばきのうTVで「耳をすませば」って言ってました。

青空がかへり來て

塚本邦雄
百歳になって何する 青空がかへり來てあそぶ絲杉のうへ   (黄金律)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

余呉湖。
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青空がかえり来て、波もおさまりました。 M.ZUIKO 25mm F1.2

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青空がかえり来て、ゆきだるまつくりました。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

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青空がかえり来て、風も止まりました。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

 きょうは寒がゆるんで少し暖かい日でした。
 糸杉は西洋ではイエスの十字架の材だとか、悲しみや死の象徴という意味があるとWikiに書いてありました。
 映画のベンハーを私の住んでいる町の映画館へ見に行ったのは中学生のときだったか小学生のころだったか忘れましたが、イエスが十字架にかかると雷鳴がとどろき、風が吹き、激しく雨がふり、その雨がイエスの血を運んで流れをつくり、川になって・・・という場面がありました。そのあと雲が切れて青空になって。
 白川静が、遊ぶということは神との交感という意味があると言っていたような覚えがあるのですが、さだかではありません。

言葉探し

塚本邦雄
曲のみの譜面に言葉探しをりこの歌死刑囚の遺言   (歌誌『玲瓏』52号)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

きょうは帰宅が仕事がのびて遅れたので、金剛輪寺から一枚だけです。
言葉も探しあぐねて。
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M.ZUIKO 25mm F1.2

あなたの手は

塚本邦雄
それ以後あなたの手はこの世の憎しみを搔き寄せる熊手   (ソネット詩集「樹映交感」)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

湖東三山の金剛輪寺。
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温かいですか。 M.ZUIKO 25mm F1.2

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友だちです。 M.ZUIKO 25mm F1.2

 今日の短歌は、十四の短歌で構成して「ソネット」とみなしたものを集めた歌集から、無花果をテーマにした「ソネット」のうちの一つの短歌をぬき出しました。イエスと無花果の話を下敷きにしているそうですが、キリスト教に疎いわたしは基礎知識が不足してあまり理解できず、この世の憎しみを一手に引き受けてくれる存在があるのだと、願望も込めて楽天的にとってしまいました。

うたかたなりけるむかし

塚本邦雄
牡丹雪あるいは母に降りけらしわれがうたかたなりけるむかし   (波瀾)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

余呉町川並のあたり。
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M.ZUIKO 25mm F1.2

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M.ZUIKO 25mm F1.2

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M.ZUIKO 25mm F1.2

 きょう一日は雪が降ったり止んだりで日陰の積雪は解けることがありませんでした。「牡丹雪」の季節は春ですが、雪が珍しい地方に住んでいる身には雪であればどれもこれも区別がつかないので(笑)、今日の歌を引用しました。
 牡丹雪と母とのつながりが分からなかったのですが、ある出版社のHPに、『牡丹雪母のことばのやうに降る』(ふらんす堂 常澤俶子句集探梅)というのを見つけて、なんとなく分かったような気がしました。

のなかの昏睡

塚本邦雄
誕生日われの生れし刻來り濃き酢のなかの昏睡の牡蠣   (日本人靈歌)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

余呉湖。
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雪の上を群青の風過ぎ。 NOKTON 17.5mm F0.95

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雪は足跡より解けはじめ。 NOKTON 17.5mm F0.95

 塚本邦雄の生誕は真夏の八月ですが、自分の誕生日にちなんで歌をえらびました。
かれには『燻製卵はるけき火事の香にみちて母がわれ生みたること恕(ゆる)す』(水銀伝説)というのがあって、季節としてはこちらを引用したかったのですが、すでに引用済みなので。
 写真のキャンプションはまた塚本の歌からで、一枚目は『こころざしくづれて廿歳(はたち)雪の上を群青の風過ぎし痕あり』(感幻樂)、二枚目は『雪は足跡より解けはじめわが赴かぬ詩集『煉獄』出版記念會』(風雅)からでした。

不安なる今日

塚本邦雄
不安なる今日の始まりミキサーの中ずたずたの人參廻る   (装飾樂句)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

余呉湖。
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あちらですよ。 M.ZUIKO 25mm F1.2

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冷凍保存という手法。 NOKTON 17.5mm F0.95

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乾燥保存という方法もあります。 NOKTON 17.5mm F0.95

 新しい大統領就任がさまざまに報道されているのに接してきょうの短歌を選びました。多大な権力を持ちながら世界への責任を果たそうとしなかった国からあの暗黒の木曜日が始まったことに学ばないというのでしょうか。

もつとも好む大寒

塚本邦雄
母とわれがもつとも好む大寒のなまこ粟粒疹におほはる   (日本人靈歌)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

余呉湖。
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なぜか出エジプト記を思い出し。 M.ZUIKO 25mm F1.2

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風のあと。 M.ZUIKO 25mm F1.2

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ライターもて紫陽花の屍(し)に火を放つ。 M.ZUIKO 25mm F1.2

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とほき冠雪の山見えて。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

 きょうの三枚目と四枚目のコピーは塚本邦雄の短歌の一部を使いました。
 四枚目の「冠雪」は、『とほき冠雪の山見えて晚年のいつくしき季に入りなむわれは』という歌の、
三枚目は『ライターもて紫陽花の屍(し)に火を放つ一度も死んだことなききみら』のそれぞれ頭の部分です。

となさむ

塚本邦雄
冬霞たつやカルロス・ガルデルの「沈黙(シレンシオ)」わが挽歌となさむ   (豹變)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

余呉湖。
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よく働いてきました。 M.ZUIKO 25mm F1.2

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三人兄弟の一番下の弟がつくった家は。 M.ZUIKO 25mm F1.2

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直径30cm程度の土管に何故ふたが。 M.ZUIKO 75mm F1.8

 今日の短歌は、カルロス・ガルデルも彼の「沈黙(Silencio)」も知らずに、最近映画で評判の遠藤周作「沈黙」と関係があるのかと思い込んで引用してしまいましたが、ネットで検索して、カルロス・ガルデルはアルゼンチンのタンゴ歌手でSilencioは静寂とでもいうニュアンスらしいと知りました。

泡さながらの

塚本邦雄
淡雪の泡さながらの生靈(いきりやう)に短歌は完全に包圍されてゐる   (黄金律)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

きょうは琵琶湖の北の余呉湖へいきました。
いけない。「冬のソナタ」の毒がまだ身体にのこっているようです。
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M.ZUIKO 25mm F1.2

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M.ZUIKO 25mm F1.2

昨日降れりき

塚本邦雄
靑き雪きのふふれりき檢眼の結果赤道附近溷濁   (黄金律)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

きょうは幾何学演習というということで、相変わらず津島市。わたしの住む地方の雪はようやくやみました。
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三角! M.ZUIKO 17mm F1.8

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平行四辺形は四角です。 M.ZUIKO 17mm F1.8

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きわめてくるしいけれど上辺に円形、否あれは球形。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

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仕切り直しの円形、歪んでます。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

 きのうの「戀の時きみのうしろにあはあはと死にいたる刻きざむ打樂器」の『あわあわ』はてっきり楽器のオノマトペと思っていましたら、「淡淡し」と書いて枕草子にもでてくる古語なんだそうで、ここは『ほのかに』または『軽薄な』と解釈するらしいです(恥ずかしい)。
 淡淡をタンタンと読んでしまえば、いかにも打楽器の音で、以前に引用した「ラヂオにはコンガの響遠ぞけば背を曲げて粗き煙草巻くなり」のイメージと重なってきますが、塚本邦雄があえてカナ書きにしているので、かすかに聞こえる打楽器の音をさしているのでしょうか。
 また、真剣な恋にひたっている二人を軽薄な音がつつんでいるというのであれば、むしろ逆に、その恋のほうが軽薄であることを打楽器が教えているような感じもします。

刻きざむ

塚本邦雄
戀の時きみのうしろにあはあはと死にいたる刻きざむ打樂器   (透明文法)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

津島市。きょうは植物系ということで。
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赤いのはナンテンかな。 M.ZUIKO 25mm F1.2

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黄色いのは鬼ゆずかな。 M.ZUIKO 17mm F1.8

雪はまひるの

塚本邦雄
雪はまひるの眉かざらむにひとが傘さすならわれも傘をさそうよ   (感幻樂)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

撮り飽きない津島ですが、何度か見たような写真で、つい饒舌に言い訳をしたくなります。
 失敗の理由はすこしだけ自覚があります。レンズをたびたび交換したことだと思っています。いつもなら撮り始めてすぐに、その日のメインになるレンズが決まるのですが、この日はいつまでたっても相手に合わせてレンズを選んでました。これでは何も見えてこないはずです。
 今日も一日雪でした。
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あれが脱出口か、はるかに遠い。 SUMMILUX 15mm F1.7

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満身創痍、私ににそっくり。 M.ZUIKO 25mm F1.2

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色あせて、これもそっくり。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

雪ぞこころの

塚本邦雄
群靑の雪ぞこころの畦に散る被虐の戀のあはれはるけさ   (されど遊星)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

お昼休みに一枚だけとりました。きょうは得難い経験をしました。
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あとは、また津島で。
いつもの見慣れた風景。

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夢さらさらに雪ふる

塚本邦雄
種壺に麻(を)の實さやげり違(たが)へたる夢さらさらに雪ふる靑嶺(あをね)   (芒彩集)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

写真はまだ津島。
雪の少ない地方に少しでも雪がふると大騒ぎです。ちょっとだけかかわりのあるセンター試験が無事に終わってほしいと願ってます。
無線ルーターを交換してブログ更新しました。機械に弱いので交換に時間がかかってしまいましたが、一人でできたので、自分で自分をほめてます。えらいっ!
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コンビの靴を思い出して。 SUMMILUX 15mm F1.7

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きっと双子だ。 M.ZUIKO 25mm F1.2

かたむきて

塚本邦雄
かたむきて世界昏れゆくたまゆらを父よ天心の霜眞靑(まさを)なり   (芒彩集)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

なお津島。金属系で。
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Behind the green door

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Stairway to Heaven

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On a Hot Tin Roof

我が家の無線LANルータがこわれて更新がままなりません。困りました。

するどく憎む

塚本邦雄
ひとりするどく憎むショパンを「砂糖かけられたる牡蠣」と言ひしコクトー   (驟雨修辭学)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

津島市観光交流センター。
建物は旧東海銀行津島支店だそうです。
ユネスコ無形文化遺産に登録された天王祭まきわら舟を模した飾りつけがありました。
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M.ZUIKO 25mm F1.2

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KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

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KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

 きょうの短歌は、ひとを指さして話す、するどく憎んだ様子のニュースの映像を見て。
 人を指さして話すことをしてはいけないというのが小さいころからの教えでしたが。

あらたまの

塚本邦雄
あらたまの年を初音(はつね)のうぐひすとにほへよすゑつむ花の淡紅(うすべに)   (源氏五十四帖題詠)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

なおなお津島で、きょうは「お玄関シリーズ」ということで。
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さすがセンスの良いお飾り。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

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母の鏡台に掛けた布(鏡掛 かがみかけ)には剣かたばみ(酢漿)の紋がありました。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

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祖父がいたころは若松飾りをつくってくれました。 M.ZUIKO 17mm F1.8

 塚本邦雄が源氏五十四帖にちなむ歌を集めた本から正月風景の「初音」の巻から引用しました。
 光源氏が過去に愛し現在愛している女性が次々と出てくる巻なのになぜ『末摘花』を歌うのだろうと思いましたが、与謝野晶子訳(青空文庫)の『(末摘花の)鼻の色だけは春の霞にもこれは紛れてしまわないだろうと思われるほどの赤』とあるのを見て納得しました。

追い抜いたのについてくる

塚本邦雄
詩才はつかに人にぬきんで蹤(つ)きくるはしろがねの供華(くげ)はこぶ自轉車   (豹變)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

なおなお津島で。
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速やかにおいてけぼり。 M.ZUIKO 17mm F1.8

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ここでひとやすみ。 M.ZUIKO 17mm F1.8

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お似合いのがありますよ。 M.ZUIKO 17mm F1.8

 自転車は乗るのも撮るのも好きです。
 それで塚本邦雄の歌も自転車にしたのですが、「はつかに」が分からず調べて、「僅(はつ)かなり」の連用形で「わずかに、かすかに」という意味だと教えられました。何故二十日なんだろうとか、「つかに」ってどいう意味だろうなどと思っていました。そのうえ「追蹤(ついしょう)」を思い出せず、「蹤」の意味も分からず、漢字入力に四苦八苦しました。塚本邦雄が好きだとなどと言っては彼に失礼かも。

猩々緋の

塚本邦雄
遠き一つの火災鎭めて今われにきたる猩猩緋の消防車   (日本人靈歌)
燧灘(ひうちなだ)夢みしのみにおとろへて朝寢朝粥そのなづながゆ   (豹變)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

なお津島散歩のつづきです。
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屋根にのってないけど屋根神様。 M.ZUIKO 25mm F1.2

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屋根つながりで。 SUMMILUX 15mm F1.7

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なお屋根つながり。 SUMMILUX 15mm F1.7

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上ばかり見てないで。 M.ZUIKO 17mm F1.8

 きょうの短歌は、出初式の季節の一首目と、火つながりではじまる七草がゆの二首目にしました。
 小さいころはよく出初式に行ったものですが、この行事が江戸時代から続いていて、昭和天皇の親閲などということもあったなどとはついぞ知りませんでした。

ことおおかたは尽くし

塚本邦雄
飢ゑにかかはる言(こと)おほかたは盡しけり薺(なづな)の花のしるき霜荒れ   (透明文法)
さしぐむは言(こと)の葉(は)の神さりながら萌黄(もえぎ)かすかに寒昴(かんすばる)炎(も)ゆ   (芒彩集)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

津島散歩をつづけています。
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隙間からお祈りした六角地蔵堂。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

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隙間から覗いた古い酒屋。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

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どこでもドアとは、どこにでもあるドアか。 M.ZUIKO 17mm F1.8

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どこでもドアには引き戸タイプもあるのだろうか。 SUMMILUX 15mm F1.7

 きょうは七草がゆだそうですのでナズナが出てくる短歌を引用しましたが、雨模様で寒くて花などは気配もありません。

他界より初便り

塚本邦雄
二日月紅にうるみて他界よりわれを拒むといふ初便り   (獻身)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

ず~っと津島散歩です。
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ペンキ! いいもの見つけた。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8 (わたしの操作ミスでExif情報が間違っています)

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かがやく扉! どこでもドアの一種。 SUMMILUX 15mm F1.7

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またトリコロール! パチリ。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

 『二日月』という言葉があって陰暦八月二日の月らしいのですが、私には一月二日の月がべに色にと感じます。年賀状配達が休みの一月二日に、便りは届きませんが、「初」という字も正月らしく思われるのです。

たわめるガラス

塚本邦雄
靑年の群に少女らまじりゆき烈風のなかの撓める硝子   (装飾樂句)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

津島散歩をつづけます。
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ドアとウィンドウはガラスに木枠、いいなあ。 M.ZUIKO 17mm F1.8

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ガラスのむこうのカーテン、大好きです。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

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飾りのシール、嫌いじゃありません。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

 「撓める」という漢字が読めず、検索して「たわめる」と知りました。またひとつ賢くなってしまった(笑)。字を読めないのは恥という気持ちはあるのですが、『学校で習ってないもん』と思ってしまうのは真正のとりつくろい症候群です。
 店の名前が「理容」店でよかった。「バーバー」でもOKです。もしも「ヘア・サロン」だったらここを撮らなかったと思います。

無音も

塚本邦雄
無音(ぶいん)も慰藉のひとつとつたへきぬかの国の冬霞濃くあれ   (豹變)
酒亂の夫みまかれりしやあたらしき苗字の賀狀肩折れて著く   ( 〃 )
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

津島かいわいを散歩しました。
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屋根神様の榊も新しくて。 M.ZUIKO 25mm F1.2

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焚火のむこうに茅の輪が見える風景。 M.ZUIKO 17mm F1.8

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辻の堂にも正月がきた。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

 理容店のトリコロールが好きです。理容店の前を通りかかるとカメラを構えてしまいます。カレーやコロッケが身近な洋食だった幼少期、あのトリコロールは日常の中にあこがれの「パリ」を広めているように感じていたのかもしれません。

刻知らず

塚本邦雄
枇杷の花さむき終りの刻知らず愛のはじまる刻また知らず   (睡唱群島)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

きょうは今年初めての撮影に津島の町並みに。津島神社で茅の輪くぐりをして初詣もしてきました。
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ここは保育園の入り口、謹賀新年。 M.ZUIKO 17mm F1.8

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ここは町家カフェの入り口、謹賀新年。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

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おそれおおくも清正公ゆかりの小社にしめ縄。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

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津島神社で熊手。思い通りの写真を搔き集めたい。 M.ZUIKO 17mm F1.8

 塚本邦雄の歌集「黄金律」の中の『いつまでも老いざる父がぬばたまの老人會より除名されつ』は、ひと月前に何気なく引用しました。
 正月にひさしぶりに父にあいました。テレビでは新年の一般参賀のニュースがながれていました。
 急に、あの歌はことほぎなのだと思いました。家族の長寿をあらためて祈りました。

憩ひにけむる

塚本邦雄
すすけたる鶴見て去(い)なむ夕ぐれのにがき憩ひにけむる苑より   (装飾樂句)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

ダラダラつづけたスイセンもこれを限りということでご容赦を。
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ちょっとあそんで。

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夕ぐれだけど鶴は見えない。 NOKTON 25mm F0.95

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もうすこしだけここに。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

 憩いにけむると言われて、「いこい」という煙草を連想しました。「今日も元気だたばこがうまい!」というキャッチフレーズを入れたポスターがあったそうで、その言葉だけは今でもよく覚えています。
 受動喫煙防止の罰則付き法整備がすすんでいる今日、いまだに喫煙習慣のあるわたしは時代遅れの野蛮人のようです。

のこすはつひの

塚本邦雄
詩歌一巻ほかにのこすはつひの日の獻體の眼のその冬霞   (風雅)
冬原に湧井掘るとて標(しめ)結へりあらがねの土ここにあたらし   ( 〃 )
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

越前町梨子平村は、スイセンの段々畑のなかにある集落です。
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きょうはよく乾きましたか。 SUMMILUX 15mm F1.7

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洗面所の鏡に映るスイセン畑は小さくて。 SUMMILUX 15mm F1.7

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スイセンの斜面に斜光線さすころ。 NOKTON 25mm F0.95

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へやに灯がともる。 SUMMILUX 15mm F1.7

 今日の短歌は「残すは終(つひ)の日の献体」なのでしょうが、老眼のせいで「残す初日の」と読んでしまいました。ええ、老眼のせいで、脳のせいではありません。絶対に、眼鏡が悪いのであって私が悪いのではありません。(笑)

 今日は新聞休刊日なので昨日の新聞をつい入念にみてしまいます。
 本の広告が載ってました。「声なき蟬」という時代小説です。その書名が気になって、書いてある中身にまで目がいきませんでした。
 なぜ声のないセミなどという題なのだろう。「啞蟬」という成語があるのに。
「おし」という言い方が一部で差別語として忌避されているから避けたのでなければいいのですが。
 なぜ「声なき」と「蟬」の書体が違うのだろう。明朝体と楷書体が混合してます。
蝉をさけて蟬を使うにしても、「声」と「蟬」の漢字フォントが異なっているのは美しくないと感じました。

 小人閑居するとロクなことに目がいきません。

たまきはる

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

塚本邦雄
たまきはるいのちの螢烏賊(ほたるいか)ともる越前の海、戀は世の外   (歌人)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

越前岬で撮った夕日を色温度を変えて朝日っぽくしようと努力しました。
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元旦そうそうウソをつく。 TOKINA Reflex 300mm F6.3

残念ながら色温度でごまかして朝日ですとウソをつこうとしてもうまくいきません。別のカットを素直に夕日のまま仕上げたのと比べると失敗が一目瞭然でした。
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正直にいこう。 TOKINA Reflex 300mm F6.3

口直しに、お正月らしく、自作のカレンダーの12か月分を。
2017 calendar_B