のかをりする

塚本邦雄
大祓(おほはらひ)の祝詞(のりと)嗄(か)れつつ拂曉の素戔嗚(すさのを)神社血のかをりする   (風雅)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

まだスイセンです。このまま年を越してもスイセンになりそう。
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もうすぐ暮れます。 NOKTON 17.5mm F0.95

 ことしも"Age of Pen"をご訪問いただいた皆様に、一年分をまとめて、感謝申し上げます。
 今年さいごの写真がちょっとピントが甘いというのも、『らしい』ということでご容赦願います。

 お守り代わりに載せてきた塚本邦雄の短歌をこれからも続けるのか思案中ですが、彼の歌から教えられることは多々あるし、自分の表現のためならタブーも犯すという態度にも私はあこがれたままで到達できていませんから、𠮟責の言葉としてまだまだ必要を感じています。
きょうは大晦日なので、『大祓』の歌を引用したものの意味は相変わらず?のままです。『素戔嗚神社』がどこの神社かも分からないし、むしろ『かをり』が「かおり」や「かほり」でないことに興味をもってしまい、「シクラメンのかほり」をネットで調べたりして遊んでしまいました。やっぱり本性はスノビズムから脱皮できていないようです。

晩年の美しき季節

塚本邦雄
とほき冠雪の山見えて晚年のいつくしき季に入りなむわれは   (黄金律)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

また越前岬のスイセンにもどって。
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岬は光につつまれて。 M.ZUIKO 75mm F1.8

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自生だそうです、にわかに信じがたい。 M.ZUIKO 75mm F1.8

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日没までの短時間であとひとはたらき。 NOKTON 17.5mm F0.95

まなこつむるとき

塚本邦雄
まなこ瞑(つむ)るときすなはち死 暗綠の斜面にうもれたる雪崩止   (装飾樂句)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

きのうにつづき越前町米ノ(こめの)で。
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夕日のあたる家もいい。 NOKTON 17.5mm F0.95

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米ノ隧道というそうです。 NOKTON 17.5mm F0.95

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小さくて分かりにくいのですが、イナバの白ウサギ? NOCTICRON 42.5mm F1.2

 昨日、飛鳥時代にここへ百済の王女(自在女)が漂着したした伝承があると書きましたが、ほかにも敏達天皇のときに高麗使節船の泊ということもあったらしいです。(越前町史に記述があるようです。未確認ですが。)

をはらみて

塚本邦雄
きれぎれに男のことば夜の沖の帆はすぎしかなしみをはらみて   (蒼鬱境)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

スイセンが続いたので目的地途上の米ノ浦で撮った写真で。
越前町米ノ浦は、近世文書に大阪夏の陣のあった年百姓逃散の記録のある土地だそうですし、さらに古く蘇我馬子のころに百済の王女が流れ着いたという伝承もあるそうですから、むかしからの港のようです。
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知らんぷりして急いでいきましょ。 NOKTON 17.5mm F0.95

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肩よせ合って。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

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階段は勢いがつくけど「とまれ」です。 NOKTON 17.5mm F0.95

みだりがはしき

塚本邦雄
壯年のなみだはみだりがはしきを酢の壜の縦ひとすぢのきず   (感幻樂)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

越前海岸でスイセンばかり、いえ一枚だけはちがいます。
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日本海の風と光を感じて。 NOKTON 25mm F0.95

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王冠またはハートに見えなくもない。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

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きょうはこの季節にめずらしい日。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

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地上が闇に包まれた時刻飛行機雲が輝く。 NOCTICRON 42.5mm F1.2

泡なす

塚本邦雄
艦隊のうまれゐむ海うす暗く顯ち來つつ血の泡なす鮭卵(すぢこ)   (装飾樂句)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

越前海岸。
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スイセンのにおいにつつまれて。 TOKINA Reflex 300mm F6.3
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就眠儀式。 NOKTON 25mm F0.95

天に肖(に)ざるを

塚本邦雄
不肖とは天に肖ざるを火の桃の舌うすうすと若狭の杉津   (豹變)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

 きょうは福井県杉津(すいず)を通って越前海岸でスイセンを撮りました。帰宅が遅くなりましたので、4枚だけRAW現像してそのうち3枚を。
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わたしはナルシス。 NOKTON 17.5mm F0.95
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落日のなかで。 TOKINA Reflex 300mm F6.3
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よろこびもかなしみも。 M.ZUIKO 75mm F1.8


きのうは「漂流ポスト」というTV番組を見て不覚にも涙をながしてしまいました。これは老化現象にちがいありません。でももっと若くても涙はでたでしょう。泣いてすむことではないし、泣くよりも怒ることの方が優先すべきだと理性はいうのですが。オリンピックの費用がいくらときくたびに、それだけの金で東北の復興がどれだけすすむだろうと腹立たしくおもってしまいます。
悲しいから泣くのではありません、悔しいから涙がでるのです。

つくり終へ

塚本邦雄
聖菓つくり終へし麺麭屋の暗がりに一壺の酵母饐えつつにほふ   (装飾樂句)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

 クリスマス・イブというのにケーキもなく淋しいかぎりです。せめて塚本邦雄でケーキを賞味することにしました。
歌では、パン屋さんがケーキづくりに追われて、いつものパンを焼く間もなかったというイメージが浮かびます。
 写真はまた干しタコですが、日間賀島の民宿『文成』(ぶんせい)の女将さんが時期が終わっていたのにタコを出して演出してくださいました。ありがとうございました。
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整列! KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8
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島の足はバイクが一番のようで。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8
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♪あざやかな黄色よ、明るい黄色よ。 NOKTON 17.5mm F0.95
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あれは三島由紀夫『潮騒』の島。 NOCTICRON 42.5mm F1.2
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海のデザイン、空のデザイン。 SUMMILUX 15mm F1.7

銀に曇り

塚本邦雄
樅の空銀に曇りてわがために一握のことばたゆたふごとし   (黄金律)
皇帝とすめらみことの微妙なる露骨なる差にまた冬霞   ( 〃 )
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

四日市コンビナート夜景。
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ここは夜の城塞。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8
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雪に替わる灯の六華。 M.ZUIKO 25mm F1.2
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老眼は朦朧として。 M.ZUIKO 25mm F1.2

やぶれてかくさびし

塚本邦雄
何にやぶれてかくさびしきか深更の柚子湯の柚子を足もて沈め   (黄金律)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

きのうが冬至でしたのでゆず湯の短歌を引用しました。
写真はひきつづき日間賀島です。
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空へのぼる階段は12時に。 NOKTON 17.5mm F0.95

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いまなら島に戻れる。 SUMMILUX 15mm F1.7

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もう帰る時間。 NOKTON 17.5mm F0.95

背を曲げて

塚本邦雄
ラヂオにはコンガの響遠ぞけば背を曲げて粗き煙草巻くなり   (歌誌『靑樫』 1947 3月)
女達が獣のやうに縺れゆく街なれば陽が黄色に照れる   (歌誌『木槿』 1947 4月)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

似たような夜景が続いたので気分転換して、日間賀島に戻って、島の角々を数で勝負。
塚本邦雄の短歌は全く写真と無関係で、きょうはバランスがわるいから、写真に一言入れました。
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道が狭いので出入り口を引っ込めます、ポストもいっしょに。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

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自慢の玄関でしたか。 NOKTON 17.5mm F0.95

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注意、タコいます。 NOKTON 17.5mm F0.95

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思わず頭(こうべ)をたれて、何故ここに十字架。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

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青と赤、ここで芸術家が育つだろう。 NOKTON 17.5mm F0.95

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青い色ははげて魔法もとけて。 NOKTON 17.5mm F0.95

炎やし来し

塚本邦雄
侠氣うしほの香を引きにけり日向組(ひうがぐみ)若親分の通夜(つや)星月夜   (花劇)
炎やし來し生命はもいつか相聞の歌忘れ枇杷も花散り失せぬ   (歌誌『をだまき』 昭和19年2月号)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

四日市コンビナート夜。クロスフィルターのありなしを並べてみました。
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M.ZUIKO 75mm F1.8 + スノークロス
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M.ZUIKO 75mm F1.8
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M.ZUIKO 25mm F1.2 + スノークロス

クロスフィルターをはじめて買ったのは高校生の頃、同心円状に溝を彫ったデュートや不規則な凹凸をつけたソフトンもその後使ったことがありました。デジタルになってからペンタックスのソフト専用レンズを使ってきましたが、今回懐かしいクロスフィルターをふたたび使ってみました。

ぼろぼろの

塚本邦雄
聖夜たれも見ざる月さすぼろぼろの赭き鐵骨の中をとほりて   (装飾樂句)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

昨夜は工場夜景に二度目のチャレンジ。
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M.ZUIKO 25mm F1.2
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KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8
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M.ZUIKO 25mm F1.2

 きのう浅田次郎の『歸鄕』のことを書きましたが、正確には短編集『帰郷』です。歸鄕はその短編集の中の冒頭の一編の題名です。小説の題が『歸鄕』で、本の題名が『帰郷』なのです。
 敗戦の前と後で体制は断絶しているけど人間は連続しているというメッセージが歸鄕という書き方に表現されていると、そんなふうに感じました。

を枕に午睡

塚本邦雄
華氏四五一度の火さへ燒きのこすべき『冰島』を枕に午睡   (詩魂玲瓏)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

日間賀島でぶらぶらしました。
黄色いバイク、黄色の花、金色の窓と赤いドラム缶、青いビラ。
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NOKTON 17.5mm F0.95
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NOKTON 17.5mm F0.95
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NOKTON 17.5mm F0.95
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M.ZUIKO 75mm F1.8
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NOKTON 17.5mm F0.95

 今日の新聞に浅田次郎『歸鄕』が大佛次郎賞受賞と書いてありました。
 面白い短編集でしたが、最初の一編で女性がアメリカ兵からもらった煙草をとりだすときにそれがラッキーストライクではなくてキャメルだったのに違和感を感じてしまいました。まったくの個人的な思い込みですが、キャメルには欧州の外人部隊の匂いがついてくるのです。
 受賞の記事を読みつつ、内田百閒の『旅順入城』があの時代に書かれていたことの偉大さをあらためて感じました。
 『旅順入城』や『冥途』を読んだのは高校3年生のときでしたが、読んだ直後しばらくのあいだ受験勉強に集中できなかったことを思い出します。

 きょうは午後から出かけるので早めに更新しました。

ほそるこころざし

塚本邦雄
視野狭窄すなはちほそるこころざし見ぬ世にかすむ冬の曙   (されど遊星)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

日間賀島のタコをふたたび。
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NOKTON 17.5mm F0.95
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M.ZUIKO 25mm F1.2
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M.ZUIKO 25mm F1.2
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KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

さむき渾沌

塚本邦雄
擊鐵(ひきがね)ひくかたちのゆびも吊革にならび市電のさむき渾沌   (日本人靈歌)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

日間賀島で、窓と扉をコレクションしました。
わたしは窓フェチ、ドア・フェチです。
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M.ZUIKO 25mm F1.2
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M.ZUIKO 25mm F1.2
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M.ZUIKO 25mm F1.2
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M.ZUIKO 25mm F1.2
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NOKTON 17.5mm F0.95

 きょうの短歌は、世代の差を感じます。塚本邦雄の世代は兵役でじっさいに撃鉄をひいた経験がある人があまたいたでしょうから、自分が銃を手にしたかしていなくても周りから経験を聞いていたでしょう。映画やテレビで見て知っているのではなく、肉体に刻まれた記憶として知っていると思うと、吊革にならぶ指を目にしたときに心に浮かんだイメージはきっと塚本の世代でなければわからないだろうと想像してしまいます。

山もまどろみ

塚本邦雄
貫之がしきりに戀しきりぎしにかたぶきて初冬の雁來紅(かまつか)   (風雅)
椿本園芸開店五周年 巨勢山(こせやま)もまどろみつつあるころか   ( 〃 )
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

日間賀島。
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NOKTON 17.5mm F0.95
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M.ZUIKO 25mm F1.2
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M.ZUIKO 75mm F1.8
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KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

きょうの二首目は『巨勢山(こせやま)のつらつら椿つらつらに見つつ思(しの)はな巨勢の春野を』(万葉集)が本歌と思うのですが、元の歌は秋に春を思って歌った歌ということらしいですし、山がまどろむ=眠るといえば冬でもあるようで、よくわかりません。だいたい、椿本を一瞬ちんぽんと読みかけた私に、理解できなくて当然です。

とらはれてたちまち

塚本邦雄
思へばきざす寒の身熱わが祖(おや)は渤海を「ふかきうみ」と訓じき   (詩歌變)
海には礁(いくり) 原に鳥網とらはれてたちまち忘れける男の名   (感幻樂)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

日間賀島で。
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M.ZUIKO 75mm F1.8
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NOKTON 17.5mm F0.95
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NOKTON 17.5mm F0.95

ところで、時期遅れですけど、紅葉の写真をあつめてムービーにしました。


香をはなつ夜の

塚本邦雄
檸檬風呂(れもんぶろ)に泛かべる母よ夢に子を刺し殺し乳あまれる母よ   (水銀傳説)
法王の寢室に香をはなつ夜の檸檬型(レモンけい)時限爆彈裝置   (透明文法)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

日間賀島で。
歌のほうはまだレモンをひきづってます。
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TOKINA Reflex 300mm F6.3
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TOKINA Reflex 300mm F6.3
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TOKINA Reflex 300mm F6.3
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TOKINA Reflex 300mm F6.3

トキナーの300mmは軽くてコンパクトで安価なところがいいのですが、コントラストが低く、周辺光量が落ち、解像度が低く、ピントリングが軽いうえにトルクが大きいのでピント合わせが難しく、像面湾曲があって中心のピント位置と周辺のピント位置がずれるといった欠点があります。しかし、ノートリミング派のわたしには、めったに使わないけど超望遠がほしいので、まぁいいかと思っています。

綺語とどめがたし

塚本邦雄
銅婚式 百のコップに車輪なす同心圓の溺るる檸檬   (水銀傳説)
綺語とどめがたし火宅にこゑ絕ゆる六肢具足の冬きりぎりす   (靑き菊の主題)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

今日は愛知県の日間賀島という、タコやフグなどで有名な観光地です。
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M.ZUIKO 25mm f1.2
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M.ZUIKO 25mm f1.2
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M.ZUIKO 25mm f1.2
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M.ZUIKO 25mm f1.2

 日間賀島は、FC2ブロガーのom4tiさんによる「いつか どこかで」の11月末の記事に刺激されていったのですが、名物の干しタコには2週間ほど遅かったようです。
 きょうの一首目はきのうのレモンの写真にちなんで、ちょっと季節がずれているのもかまわずに引用しました。
 二首目の『綺語』は、うわべを美しく飾った言葉と先日教えてもらって自分の写真への批判の言葉とも聞こえましたが、最近いなおるということを覚えたので、歌を引用した上にタイトルに使いました。

心溺れ

塚本邦雄
遠きフォーレに心溺れつ父とゐて父とわかるる日の冬霞   (黄冠集)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

寒くて散歩するのもおっくううになって、家の周りをぐるぐる回りました。
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NOKTON 25mm F0.95
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NOKTON 25mm F0.95
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NOKTON 25mm F0.95

庭のレモンはレモンなのか他の品種の混合なのか、ふっくらと太っていて、レモンという爽やかなイメージにほど遠い実をつけています。年々、庭の管理者の体型に似てくる気がします。

わが冬の

塚本邦雄
貝殻追放されたるごときわが冬の旅、トランクを針金で締め   (日本人靈歌)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

はずかしながら紅葉、長谷寺。残り物にさえならないものをクズ箱からとりだして。
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M.ZUIKO 75mm F1.8
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M.ZUIKO 25mm f1.2
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M.ZUIKO 25mm f1.2

越えて落ちたる

塚本邦雄
何を歌と言ひつづけ來しにはたづみ越えて落ちたる夜半の紅葉(こうえふ)   (波瀾)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

なおなお紅葉、なお長谷寺、でもやっぱり残り物。引用した歌まで季節遅れです。
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M.ZUIKO 25mm F1.2
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NOCTICRON 42.5mm F1.2
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NOCTICRON 42.5mm F1.2

転生ならば・・・

塚本邦雄
冬夜微熱にまどろみおもふ 轉生のならば鼻擦りあふエスキモー   (日本人靈歌)
血紅の乾ける電話辻辻にひそめり 死者喚(よ)び出さむ一つは?   ( 〃 )
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

なお紅葉、なお室生寺。じつは残り物。
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M.ZUIKO 25mm F1.2
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M.ZUIKO 25mm F1.2
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TOKINA Reflex 300mm F6.3
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M.ZUIKO 75mm F1.8

さびしさの極

塚本邦雄
いつまでも老いざる父がぬばたまの老人會より除名されつ   (黄金律)
星ヶ谷村百八番地、元右翼老い放題に老いてうつくし   ( 〃 )
放蕩にあくがれつつを秋暮れて梨くさるさびしさの極み   ( 〃 )
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

なおなお大和長谷寺。
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M.ZUIKO 25mm F1.2
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SUMMILUX 15mm F1.7
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M.ZUIKO 25mm F1.2
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M.ZUIKO 25mm F1.2

きょうの一首目は「ぬばたま」(ヒオウギの実)が季語で季節が合わないかもしれませんが、いつまでも老いざる=髪が黒い(ぬばたまは黒や髪の枕詞)というイメージを重ねているのだろうと思いました。
二首目の老いがうつくしというのが、たとえ反語的表現であっても、わたしの願望を代弁してくれているように感じて使いたかったのです。
三首目ではわたしの本音を言われてしまいました。

男一匹こぼれおち

塚本邦雄
道明寺驛のこがらし香具師風(やしふう)の男一匹こぼれおちたり   (黄金律)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

なおも大和長谷寺。
同じような写真ばかりで悲しくなりますが、自分はイソップのカメのほうだと信じてコツコツ撮っているものの、脳の活性化の必要を痛感してます。
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NOCTICRON 42.5mm F1.2
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M.ZUIKO 25mm F1.2
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M.ZUIKO 25mm F1.2
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NOCTICRON 42.5mm F1.2

脳の活性化のために好きな写真家の写真をながめていますが、その写真を見ながら自分の青春時代をふりかえっているようでは、何のことはない、回想法の一種になってしまっているのかもしれません。
細江英公が舞踏家の土方巽を撮った「かまいたち」の写真を見たのは中3か高1のときだったと思うのですが、見たときの鮮烈な印象はいまも鮮やかです。
かまいたちより以前に、こっそりのそいた親父の本棚で細江英公のヌードを土門拳のヌードといっしょに見た覚えがあるのですが、「フーン」という印象しか残っていません。
かまいたちという言葉もそのとき初めて知ったのではなかったか、舞踏家という人種が現代日本にほんとうに存在していることもそのとき初めて知ったのではなかったか、と思うのです。
やっぱり回想法になっています。これではカメにもなれそうにありません。

百歳さしてはるかならね

塚本邦雄
百歳さして遥かならねば生姜湯を飲みさして讀むガルシア・マルケス   (詩魂玲瓏)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

紅葉に飽きましたが、紅葉の写真しかないので、一枚目だけ年賀状のボツ写真でごまかして、あとは大和長谷寺。
短歌もまだカストロをひきづって、私は一冊も読んだことがありませんが、ガルシア・マルケス。
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こちらは長谷寺。
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M.ZUIKO 25mm f1.2
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M.ZUIKO 75mm F1.8
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M.ZUIKO 25mm f1.2
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M.ZUIKO 25mm f1.2


われにはるけき

塚本邦雄
冬のダリアわれにはるけき血縁の一人は馬丁にてをはりける   (歌人)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

室生寺。もう紅葉の季節もおわりですが。
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M.ZUIKO 25mm f1.2
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M.ZUIKO 25mm f1.2
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M.ZUIKO 25mm f1.2
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TOKINA Reflex 300mm F6.3
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TOKINA Reflex 300mm F6.3

M.ZUIKO 25mm f1.2はいいレンズと思います。
今回は晴天時の撮影で、開放の逆光ではフレアが見られましたが、これは私の使っている安物のPLフィルターのせいでしょう。真面目にNDフィルターを使えば防げそうです。
ボケがきれいです。NOKTONのほうが被写界深度が浅いのですが、ZUIKOは安心してボケを使えそうです。
不満は、フード。プラの安っぽさはがまんするとしても、邪魔なストッパーボタンをつけるくらいなら、折り畳み式にしてほしかった。
プラならできたはずです。内臓型でもいいのですが、レンズ本体が長すぎるので、、取り外しのできる内臓型のイメージにしてほしかった。なお、フードの内側に溝を切ってますが、フェルトを貼るとコストがかかりすぎるのでしょうか。NOCTICRON付属のフードは金属製でフェルトが貼ってあります。
個人的にはバヨネット式よりネジ込み式が好きです。
F1.2という値はかなり魅力に欠けます。1.0なり1.1にすべきだったと感じます。

の終焉に何萬

塚本邦雄
來年の木犀の香を言ひて哭く父よそれでも死んでもらはう   (黄金律)
落鮎水銀色に奔れり日本の終焉に何萬日を剰すか   ( 〃 )
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

今日は室生寺で。
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M.ZUIKO 25mm f1.2
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M.ZUIKO 25mm f1.2
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TOKINA Reflex 300mm F6.3

紅葉ちるさまも

塚本邦雄
光なく土くれに還る命なれとふりかへり紅葉ちるさまも觀し   (歌誌『紀元』 昭和19年1月号)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

年賀状の準備中ですが、どれもこれももう一つです。これは私の芸術的才能が乏しいのではなく、カメラとレンズが悪いせいだと思います(笑)。名誉挽回に紅葉の写真ものせて、自然の美しさで才能不足をおおいかくそうとたくらみますが、すでに旧大萩村の残り物しかありません。
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M.ZUIKO 25mm f1.2
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M.ZUIKO 25mm f1.2
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M.ZUIKO 25mm f1.2

クロネコの段ボール箱の上に適当に並べて撮っていてはやっぱりダメかあ。

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LUMIX G 20mm f1.7

塚本邦雄
冬さらばこころまづしく生くらめと乾く紅葉も搔き聚めつつ   (歌誌『紀元』 昭和19年2月号)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

教林坊ののこり物で。
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M.ZUIKO 25mm F1.2
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M.ZUIKO 25mm F1.2
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M.ZUIKO 25mm F1.2
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M.ZUIKO 25mm F1.2

今日の短歌も塚本の初期作品から。
一昨日の『逝く秋の』も同じ歌誌の同じ号にのったものということで、今日のほうは「薄明母音」にはとられていないようですが、基底は同じと感じます。
きょうは夜に飲み会があって更新が遅れました。