今日は従順

塚本邦雄
殺意ひめて生きつつ今日は從順に胸部寫眞を撮らるる梟首(けうしゆ)   (日本人靈歌)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

また寄り道。
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ちょい撮りばかりで、ちゃんと写真を撮りに行ってないので、
こんなときは好きな作家の写真集か写真関連の本を読んで憂さ晴らしをします。

大和田良「伝わる写真」(株式会社マイナビ)は、真面目すぎて学校の教科書みたいですが、
書いてある内容には、いいなあと感じます。「あとがき」の一部を引用すると、

   写真を撮ることや作ることに、自らの活力を見出し、
 日々生きるということに直結していることが写真で生き
 るということかもしれない。
 そこでは、写真を本業としなかったとしても、写真ととも
 に歩む人生を見つけることができるだろう。
     (中略)
   よい写真が撮れたとき、よいプリントができ上ったと
 きの自分の感動を、なにより大事にしてほしいと思う。

台風の

塚本邦雄
颱風のまなこ澄みゐる綠地帶薔薇あらばきみ踊りたまへ   (透明文法)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

寄り道の残り物で。
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M.ZUIKO 17mm F1.8
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M.ZUIKO 17mm F1.8
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M.ZUIKO 17mm F1.8

きょうの朝日新聞「天声人語」の冒頭に「時分」という単語がでていましたが、口語的に過ぎないかと感じました。
(「コトバンク」サイトで調べても朝日のような使用法はありません。)
内容にも時代錯誤があるように感じましたが、
これらはわたしが素直さを失いつつあるせいかと思って、ちょっと気落ちしました。
というのも、きょうの写真を撮った日、
わずかな寄り道だったのに、その夜から身体が変調をきたして、
経験のない事にうろたえてしまいました。
あちこちで年齢をつきつけられているようで、がっくりです。
それでも、思ったように写真が撮れていたら、すぐ回復するのですが。

われ沈み

塚本邦雄
浴槽に金の夕映われ沈み父沈み溢るなみだぞあふる   (睡唱群島)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

寄り道。
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TOKINA Reflex 300mm F6.3
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M.ZUIKO 17mm F1.8

われをいざなう

塚本邦雄
ピレネー山脈戀ひて家出づ心臓のあたりわづかに紅き影曳き   (綠色研究)
眞夏眞紅ネロはセネカに死を賜ひ世界はわれを死後へいざなふ   (感幻樂)
秋は身の眞央(まなか)を水の奔りつつ弟切草(おとぎりさう)の黄のけふかぎり ( 〃 )
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

家の周りを散歩のつづきでお茶を濁して。
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TOKINA Reflex 300mm F6.3
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TOKINA Reflex 300mm F6.3

夏さり光

塚本邦雄
夏さり光りと哄笑滿てる獣園にうち臥せる蛇はたヴェルレーヌ   (水銀傳説)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

寄り道のつづきを。
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TOKINA Reflex 300mm F6.3
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TOKINA Reflex 300mm F6.3
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TOKINA Reflex 300mm F6.3

真夏果つる

塚本邦雄
眞夏果つる 百の蛇口(コック)にくちづくる百の若者らのうしろにて   (綠色研究)
ひぐらしの淡黄(うすぎ)のこゑに壯年のあはれはかられやすきいのち   (睡唱群島)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

帰宅途上で寄り道。
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TOKINA Reflex 300mm F6.3
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TOKINA Reflex 300mm F6.3
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M.ZUIKO 17mm F1.8

まっすぐ家に帰らないと叱られるかな。
夕焼けにはなりませんでしたが、日没前の光がよかったのです。

あやまちてたそがれ

塚本邦雄
キリストとイエスの閒(はざま)嚴しきにあやまちてたそがれのひるがほ   (されど遊星)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

午後5時過ぎになってカメラをもって家の周りを散歩しました。
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TOKINA Reflex 300mm F6.3
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TOKINA Reflex 300mm F6.3
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TOKINA Reflex 300mm F6.3

たんげいをゆるさぬ道化

塚本邦雄
フラメンコ調に君が代歌ひ了へ彼奴(きやつ)端倪(たんげい)をゆるさぬ道化   (魔王)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

四日市市諏訪。
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NOKTON 17.5mm F0.95
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KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8
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NOKTON 17.5mm F0.95

いのちきらめけ

塚本邦雄
初戀の木陰うつろふねがはくは死より眞靑にいのちきらめけ   (戀 六百番歌合――<戀>の詞花對位法)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

四日市市諏訪公園。
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NOKTON 25mm F0.95
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NOKTON 25mm F0.95

めぐりあひて

塚本邦雄
めぐりあひてそれも敗戰以後のこと病める肝膽かつ翳りあふ   (不變律)
野分にほろぶ花杜鵑草(はなほととぎす)男らは寂しさのきはみに怒るべし   (黄金律)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

四日市市本町「明るい商店街」。
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NOKTON 17.5mm F0.95
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NOKTON 17.5mm F0.95

「膽」が読めなくて、「肝膽」から「胆」と分かりましたが、字が難しすぎて、書けるようになるまで覚える気になれません。
今度どこかで出会っても再び読めないだろうと思います。
塚本邦雄らしい、「肝胆相照らす」の反語的表現ですが、歌っている場面がどのようなものかよく分かりません。
分からないのは、二首目も同じなのですが。

秋立ちて

塚本邦雄
君よ知るや南の國に天使魚の紫磨金(しまごん)の死の鰭すれちがふ   (黄冠集)
あはあはと
 瞼の裏に秋
  立ちて鸚鵡
   のごとみご
    もるまりあ   (雀羅帖)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

四日市市本町。
ここはむかし「明るい商店街」と呼ばれたそうです。
クーラーの音のする家屋もあったので無人ではなさそうでしたが、
アーケードの天井は無論いくつかの店の屋根も落ちてしまっていました。
たしかに明るい。
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KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8
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NOKTON 17.5mm F0.95
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KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

「紫磨金」は紫色を帯びた純粋の黄金だそうです。
そういえば金色の補色は紫色です。
天使魚はそのままだとエンゼルフィッシュですが、
同じ作者の別の歌の中に出てくる「天使魚」について、
ある歌人は昭和天皇になぞらえて解釈しています。
ヒレ(鰭)もその形をしたものの比喩でしょう。
わたしには金鵄勲章のイメージが浮かびます。
また「君よ知るや南の国に」という詩やオペラや映画があるそうですが、
それらの衒学的な知識とは無縁に、作者は「君」にふつうの意味を含ませている気がします。

きれぎれの夏を

塚本邦雄
蜩は梢(うれ)うつりゆくしかすがにきれぎれの夏をわれは生きむ   (されど遊星)
夏の巷、黑きいなごのごとき手の樂(がく)嫋嫋とつよし廢兵   (日本人靈歌)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

四日市市万古町。
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NOCTICRON 42.5mm F1.2
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NOCTICRON 42.5mm F1.2

「しかすがに」は「そうはいうものの。しかしながら。」という意味だそうですが、知りませんでした。また一つかしこくなってしまいました。(笑)
昨日の「瞿曇(くどん)危し水底に濃き水あれば」の瞿曇について、俳人の小澤實氏は、
 「瞿曇」とは、釈尊の俗姓、成道前の釈尊の称である。釈迦伝の中の危うい場面と言えば、結跏趺坐している釈迦に魔王らが襲いかかる場面であろう。天から攻撃してくる魔王が、ここでは水の底にある。さらに濃い水になっていると考えられる。
と解説しています。(現代詩手帖特集版「塚本邦雄の宇宙」)
解説を聞いてもやっぱりさっぱり分からないのは、私の頭が悪いせいでしょう。
私のボケた脳には、夏の西日にさらされた金魚鉢のイメージが浮かぶのです。

水底に

塚本邦雄
瞿曇(くどん)危し水底に濃き水あれば   (翠華帖)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

四日市市万古町。
「万古焼」という陶磁器にちなむ地名です。万古焼はことしの伊勢志摩サミットで首脳の乾杯に使用されたそうです。
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NOCTICRON 42.5mm F1.2

われもまた

塚本邦雄
帝王一人妃三人のすさまじき劇觀たりその夜半(よは)の葛切   (豹變)
藍靑の過去と言ふべしわれもまたその名を水に書きたる一人   ( 〃 )

四日市市万古町。
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先日、塚本邦雄の「氣障なキーツをくちずさみつつ夏深しさらさら修羅に遊びつかれ」を引用しましたが、
キーツの墓石には、
「その名を水に書かれし者ここに眠る("Here lies one whose name was writ in water")」
と彫られているそうです。

何の刻

塚本邦雄
黄桃の熟るるがごとく少女(をとめ)さび「斥候(ものみ)よ夜は何の刻ぞ」   (豹變)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

残り物のつづきで。
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NOKTON 25mm F0.95

浅田次郎「帰郷」は6つの短編から編まれていますが、「歸鄕」と旧字体になっているのは最初の一編だけです。
あとの5つの短編は、題名にある「鉄」や「寝」という字は新字体のままです。
もしかしたら倉本聰「歸國」を意識したのでしょうか。
「歸國」には先行する映画「姿なき一〇八部隊」(1956)があり、私は笠智衆がでてくるこの映画が好きです。
塚本邦雄の
「喫泉のめぐり汚れし夜の驛に英靈一つかみほど還る」は、この映画からできた歌ではないかと思うほどです。
なお「歸國」を宣伝・報道したマスコミには「姿なき一〇八部隊」への言及がなく、
一部のネットで話題にされたぐらいだったのは、この映画のファンとして残念に思いました。


夏もわれらも

塚本邦雄
平和祭その後曇りて警察の裏、夜もしたたれるものを干す   (日本人靈歌)
夏もわれらもさかりの巷、葬具屋に菓子のごとあたらしも墓標は   (水銀傳説)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

ここ数日撮ってないのでひと月前の残り物。
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腕と背中の痛みに耐えかねてごろごろ横になって、浅田次郎「帰郷」を読んでいます。
不思議なのは、本のタイトルが「帰郷」なのに、
中の小説の題名は「歸鄕」です。
中の文章は現代仮名づかいで字体も新しいのに、小説の題だけ旧字体なのです。
何故でしょう。

口しびれつつ

塚本邦雄
愛人とひるまで寝むに天心の告天子(かうてんし)くそやかましき天使   (黄金律)
菊科植物みるかげもなく「汝臣民」てふ猫撫声のそらみみ   (汨羅變)
夏大根に家中(いへぢゆう)の口しびれつつ今日終る 國歌うたはず久し   (日本人靈歌)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

昨日のつづきで。
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NOKTON 17.5mm F0.95
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キヤノン7用 CANON 50mm f0.95

塚本邦雄の、
一首目の「愛人と・・・・」という歌が、私には玉音放送を指しているように感じられます。
二首目は「汝臣民」を文字ではなく音としていますから、これも玉音放送だろうと思います。
一首目は8月15日、二首目はそれ以後の秋ごろの時期だろうと想像しますが、二首目も8月15日と考えることは可能です。
もしも二首目が敗戦のその日の歌だとすると、作者はそれ以前に負け戦を自覚していたことになります。
塚本邦雄は呉で軍の会計事務の仕事についていて、きのこ雲を遠望したと自ら言っていますが、
軍関係者ならば、原爆投下後の悲惨な現実も見たのではないでしょうか。彼は語っていませんが、
広島から逃れてきた被災者がいたはずですし、もしかしたら被災直後の広島へ足を踏み入れているのではないかと想像をたくましくするのです。
「菊科植物みるかげもなく」が彼にしてはあまりに直接的な言い方なので、それもヒロシマで実際に見たと想像すれば納得できます。
そして、その惨状を脳裏に15日を迎えれば、放送の声もうつつに聞こえなかったのではないでしょうか。

人ならぬもの

塚本邦雄
愛するときも然らざる夜も靑年の肩にひるがほほどのくぼみ   (水銀傳説)
人に別れ人ならぬものにもわかれ雨ふりそむる女郎花寺(おみなへしでら)   (黄金律)

「お散歩」ではなく、痛む背中のリハビリに約50分、ご近所を歩き回わりました、
カメラを持っていたら、老化防止の脳トレも出来るのではないかという浅はかな希望を持って。
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NOKTON 17.5mm F0.95
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NOKTON 17.5mm F0.95
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キヤノン7用 CANON 50mm f0.95
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キヤノン7用 CANON 50mm f0.95

うつつには

塚本邦雄
この世は修羅以上か以下かうつつには宇都宮第五十九聯隊   (魔王)
なほ生きば死後も記憶にうすべにの旭川第二十七聯隊長   ( 〃 )

お散歩のつづき。
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KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8
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NOKTON 25mm F0.95
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ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro
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ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro

現代詩文庫「塚本邦雄」(思潮社)の巻末で歌人の藤原龍一郎氏が、
 「宇都宮第五十九聯隊」は、日露戦争のときシベリアに出兵して、極寒の地で辛酸をなめた部隊
 「旭川第二十七聯隊」は日露戦争のときに旅順に投入され・・・・・旅順で全滅している。
と紹介していますが、
宇都宮第59連隊はパラオ近郊で1944年9月にその一部隊が玉砕、旭川第29連隊はノモンハンに投入された歴史があるものの
となりの旭川28連隊が1942年8月にガタルカナルで壊滅しています。
しかし、悲惨な歴史を持つ部隊は数限りなく、、宇都宮や旭川にこだわる必要はないようです。
これらの歌が固有名詞を使っているので、ついそれに引きずられますが、
「うつつ」>宇都宮、「うすべに」>あさひ>旭川、
ととっていいのではないかと感じます。

くちずさみつつ夏深し

塚本邦雄
氣障なキーツをくちずさみつつ夏深しさらさら修羅に遊びつかれ   (黄金律)

ご近所でお散歩写真。
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NOKTON 25mm F0.95
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ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro
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NOKTON 17.5mm F0.95
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M.ZUIKO 75mm F1.8

テレビでオリンピックの水泳競技の映像を見るたびに、画面端の歪みが気になります。
俯瞰の映像の端で、まっすく泳ぐ選手が身体をくねらせるように見えて気持ちが悪いのです。
最近は、スチル写真も、ズームレンズの普及で歪曲を気にしなくなってきたように感じます。
わたしの使っているNOKTONは単焦点ですが、やっぱり歪んでいます。

忘れさりけり八月の

塚本邦雄
詩經おほかた忘れさりけり八月の夕凪橋を突風が過ぎ   (黄金律)

京都左京区久多。
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NOCTICRON 42.5mm F1.2
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KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8
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KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

塚本邦雄が、「夏に勃りうるさまざまのなまぐさき事件を想ひをり 沙羅の花」といいましたが、
なにの祟りか、報いか、右の背中から腕が痛くて、医者へ行ってもますます痛くなるだけです。
なのに、「山の日」のきょうも仕事とは、すまじきものは宮仕えです。
そのうえ、はずかしいことに「すまじき」を「すさまじき」と、今の今まで思い込んでいました。
いい歳をして恥ずかしい限りです。

夏のわざはひの

塚本邦雄
その夏のわざはひの夢わがために一莖(いつけい)のゆふがほぞ裂かれし   (源氏五十四帖題詠)

京都左京区久多。
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NOCTICRON 42.5mm F1.2
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KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8
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NOCTICRON 42.5mm F1.2

つかれしとき

塚本邦雄
シャヴァンヌの「愛國」の繪にありし罅(ひび)つかれしときの心にうかぶ   (透明文法)
あまた死者と逅ひつ別れつわがために時間は熟れてしたたる李(すもも)   (靑き菊の主題)

稲が実ってきたご近所を。
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TOKINA Reflex 300mm F6.3
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TOKINA Reflex 300mm F6.3
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TOKINA Reflex 300mm F6.3
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Pentax FAソフト28mmF2.8

きょうは長崎忌。
広島忌の日を塚本邦雄は、
 八月六日すでにはるけし灰色に水蜜桃のはげおつる果皮
と読みました。

わが朋(とも)よ

塚本邦雄
日本愛しつつ孤立せるわが朋(とも)よ雷(らい)すぎて眼のごとく濡るる石   (日本人靈歌)

ご近所のため池なお。
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TOKINA Reflex 300mm F6.3
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TOKINA Reflex 300mm F6.3
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TOKINA Reflex 300mm F6.3
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NOKTON 17.5mm F0.95
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NOKTON 17.5mm F0.95

きょうは午後3時から席を立つことができませんでした。

夏の果て

塚本邦雄
磔像を見下す 夏の果てわれにイエスが宥し乞ふ汗の頸   (日本人靈歌)

もう立秋だそうです。
とはいえ、暑さはますますつのり、一瞬目の前に極楽浄土がみえそうです。
今朝早起きして、ご近所のため池で。
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TOKINA Reflex 300mm F6.3

六日のあやまち

塚本邦雄
六日のあやまちのため一日(ひとひ)安息日あり なまぐさき純白の獨活(うど)   (日本人靈歌)
たたみいわし無慮數千の燒死體戰死といささかの差はあれど   (魔王)

なお残り物。
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KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8
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KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8
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NOKTON 25mm F0.95
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NOKTON 25mm F0.95

きょうはヒロシマの日ですが、テレビは朝からヒロシマではなく、オリンピック開会式を流しています。
わたしにとっては、オリンピックよりもヒロシマの方がはるかに大切です。
バカ野郎と独り言をいってしまうのは老化現象が進んだ証左でしょう。
かなしい。
塚本邦雄の歌の「六日のあやまち・・・」は旧約聖書を踏まえているのでしょうが、かれもまた
「あやまち」という語をつかうことで、原爆忌のことを言っているに違いないと感じます。

閉じらるる

塚本邦雄
金管の口一列に血をふくみ今日閉ぢらるる樂器店あり   (されど遊星)

2週間前の郡上八幡で撮った残り物でお茶を濁して。
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KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8
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KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

心の泡なり

塚本邦雄
詩は心の泡なりけるを八月の天より降りて歩めり烏   (されど遊星)

あと3日で立秋です。のこりものを集めて残暑見舞いをデジブックでつくってみました。
(フル音量で曲がなりますのでご注意ください)

蒼き花冠

塚本邦雄
女の眼底にわれ死すバルジファル蒼き花冠のごと擁かしめ   (綠色研究)

また北山友禅菊。
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NOKTON 17.5mm F0.95
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NOCTICRON 42.5mm F1.2
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SUMMILUX 15mm F1.7
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SUMMILUX 15mm F1.7

淡黄のひをともし

塚本邦雄
つひにバベルの塔、水中に淡黄の燈(ひ)をともし―――若き大工は死せり   (水葬物語)

暑いので、気分転換に、2週間前の鍾乳洞(郡上八幡)を。
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Zuiko ED 8mm F3.5 Fisheye
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Zuiko ED 8mm F3.5 Fisheye
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NOCTICRON 42.5mm F1.2
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Zuiko ED 8mm F3.5 Fisheye
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NOCTICRON 42.5mm F1.2
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NOCTICRON 42.5mm F1.2

花咲くかぎり咲かせおく

塚本邦雄
ニーチェにうときまままた眞夏蕺草(どくだみ)の花咲くかぎり咲かせおくべし   (閑雅空間)
大綠蔭われの怯懦(けふだ)をさへ容れて八月十五日にちかづく   (黄金律)
ひつぎのみこを柩の御子と思ひゐしわが白珠の幼年時代   (魔王)

なお北山友禅菊。
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NOKTON 17.5mm F0.95
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NOKTON 17.5mm F0.95
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NOKTON 17.5mm F0.95
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TOKINA Reflex 300mm F6.3
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NOCTICRON 42.5mm F1.2