2015/09/30
肉(しし)ふとり、垣爛(ただ)れ、死後に聽く
塚本邦雄桔梗濃し神を選ばば七人のユダを宥(ゆる)して肉(しし)ふとりたる (天變の書)
遠縁(とほえん)に戰犯一人ありしこと白萩の垣爛(ただ)れゐしこと (歌人)
バッハ管弦組曲二番ロ短調死後にし聽かばふたたび死なむ (約翰傅偽書)
京都西陣、三上家路地。
ようやく、沼克己さんの『遊遊爺的なボクの時間』にあった路地に到着。

SUMMILUX 15mm F1.7

M.ZUIKO 17mm F1.8

M.ZUIKO 17mm F1.8

M.ZUIKO 17mm F1.8
塚本邦雄『黄昏楽 考幻学的与謝野蕪村ノート ―』(短歌誌「喜望峰」1967年12月)より引用。
蕪村のライフ・ワークの中から『晋我追悼曲』一篇をのみ採り、他をかへりみぬのは私の独断であり、妄執に似たえらびに過ぎぬ。だが私はこのえらびを以て己が審美眼を験してきたし、この後もうたがはないだらう。即ち、たとへば晶子ならば『みだれ髪』一巻、暮鳥の全作品からはあとにも先にも「囈語」ただ一章、静雄については『わがひとに与ふる哀歌』のみ、吉岡実ならば『僧侶』と、私の選択は一見刻薄をきはめる。・・・・
先日のブログ記事で引用した吉岡実「僧侶」書評にも同じような記述があったので、暮鳥『囈語(げいご)』が気になりました。
国立国会図書館のライブラリーで原本が見れましたし、青空文庫の山村暮鳥「聖三稜玻璃」(せいさんりょうはり)でも読めました。
囈語 【げいご】
竊盗金魚 【せっとうきんぎょ】
強盗喇叭 【ごうとうらっぱ】
恐喝胡弓 【きょうかつこきゅう】
賭博ねこ 【とばくねこ】
詐欺更紗 【さぎさらさ】
涜職天鵞絨(びらうど) 【とくしょくびろうど】
姦淫林檎 【かんいんりんご】
傷害雲雀(ひばり) 【しょうがいひばり】
殺人ちゆりつぷ 【さつじんちゅうりっぷ】
墮胎陰影 【だたいいんえい】
騷擾ゆき 【そうじょうゆき】
放火まるめろ 【ほうかまるめろ】
誘拐かすてえら。 【ゆうかいかすてえら。】
これで100年前(1915年 大正4年)の作品だそうです。