2015/05/31
末路おもいて
塚本邦雄ひとよ初夏の別離再會行き違ひ老母(おいはは)獨活(うど)のごとくに立ちし (花にめざめよ)
少年發熱して去りしかば初夏(はつなつ)の地に昏れてゆく砂繪の麒麟 (装飾樂句)
大工ヨセフの末路おもひてそびやかすひだり肩はつなつの夕暮 (波瀾)
なお揚輝荘。

揚輝荘のうち、ハーフティンバーの外壁など山荘風建築の『聴松閣』内で

『聴松閣』玄関のたたき。種々の木の輪切りや雲母で飾られていたそうです。

揚輝荘地下室の地下トンネル入り口。トンネルは幅が一間あるそうです。

聴松閣地下室の壁画は、揚輝荘に寄宿していたインド人パルク・ハリハランが、アジャンタ石窟の壁画を模して描いたものとか。ピントが視線の先にあってしまう煩悩の輩め、と自分を叱責。

昭和12年に建てられた聴松閣には、施主伊藤次郎左衛門祐民がその3年前に訪れたインド、ビルマ、タイなどのイメージが豊富です。これもヒンズーの女神でしょうか。

一階の中国風居間。
なおパルク・ハリハランはその後、インド独立運動にも関わり、日本人を妻に迎えて日印交流の架け橋にもなったそうです。