鼻すりよせ

塚本邦雄
砲塔にまたともる燈(ひ)よ かずしれず小鳥わななきあふ冬の夜を  (透明文法)
オペラ「ヴェネツィア客死(かくし)」果てたり凍傷の手に飼犬が鼻すりよせつ  (豹變)
西行笑殺せむに長沓の土不踏(つちふまず)凍雪を嚙みをる  (歌人)
冬さらば冬にあそばむ西天の石榴薄墨色に朽ちたり  ( 〃 )

前回の訪問に味をしめて、名古屋市市政資料館を再訪しました。
とはいえ、また同じような写真をとってきて、反省しきり。
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冷水に面し

塚本邦雄
冷水に面しづめて瞠(みひら)けり 耿耿として今日實朝忌  (日本人靈歌)
二月、雨ふる生地への旅 ピグミーのごとき赤帽に先行さるる  ( 〃 )
雪の夜の浴室で愛されてゐた黒いたまごがゆくへふめいに  (水葬物語)

石徹白もこの辺で終わりに。
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底なる玻璃(はり)の

塚本邦雄
きさらぎの薄暮童女がくりかへす軍歌にいささかの薄荷の香  (豹變)
男は昧爽(まいさう)、女はたそがれに声を発せりきさらぎの白椿  ( 〃 )
ヴェネツィアは水の底なる玻璃の檻きさらぎはわが唇枯れて  (歌人)
定命(ぢやうみやう)を踰えしにあらねきさらぎの紅梅に遠く父栖めるなり  (花劇)

なおも名古屋市市政資料館。
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まれに無為の刻

塚本邦雄
神曲を読む無為の刻稀にしてさればほのかにきさらぎの雪  (豹變)
太陰暦きさらぎ七日敦盛忌 珈琲(コーヒー)舌を焼くうつつあり  ( 〃 )
冬の虹の脚の灰色かたことの馬太伝(マタイでん)復活の章めぐり来ず  (歌人)
生きつつ死せる海鼠(なまこ)くらはむ二月尽夕虹色の三杯酢もて  (花劇)

気分転換。
名古屋市市政資料館。
病院から帰ってきた先代E-M5で。
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みだれみだるる

塚本邦雄
さらばゴヤ畫集は焚かむきさらぎの寒冷蕁麻疹消ゆるまで  (星餐図)
殺蟲劑撒かるる冬の果樹園を過ぐ この戀もみのらず果てむ  (装飾樂句)
冬の芥子(けし)ひらかむとして鮮靑のみだれみだるるばかりショパンよ  (歌人)

クマは好きです。まだ石徹白(いとしろ)。
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立志のむかし

塚本邦雄
はるかなるかな立志のむかし餘寒永びきて羅漢の肋がまぶし  (黄金律)
あたたかきゆふべきさらぎ車駐めてみどり兒に深淵を見しむ  (詩歌變)
西班牙語辞典灰緑(くわいりよく)の革表紙血脈のひび現(あ)れつつ二月  (歌人)

石徹白(いとしろ)。
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切れつつ冴えつ ~ きょうは猫の日

塚本邦雄
三句切れ切れつつ冴えつ西行よりかすめとつたる砂金いささか  (黄金律)
定家三十「薄雪こほる寂しさの果て」と歌ひき「果て」はあらぬを  (風雅黙示録)
飼猫をユダと名づけてその昧(くら)き平和の性(さが)をすこし愛すも  (装飾樂句)

名古屋市市政資料館で。
新しいカメラと修理されたばかりのカメラの動作確認のために名古屋市市政資料館に行きました。
この建物は、大正11年竣工の旧名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎です。「坂の上の雲」などさまざまな映画、ドラマのロケにも使われているそうです。
写真は、新しいカメラのOM-D E-M5 Mark IIでとったものから。手ぶれ補正は確かに強力になってました。
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焦点距離10mmですが2分の1が手持ちで切れました。
ファインダーが見やすいこと、無音の撮影ができること、すべてのボタンを無効化できること、シンクロ接点がついたことなど、ずいぶん使いやすくなっていました。
menuで設定した全体をプリント・アウトできるといいのですが。

めざむると

塚本邦雄
獻血の血に死者の脈めざむると きさらぎ木苺の欲うしさよ  (靑き菊の主題)
單身移轉致候二月盡バス停「糺ノ森」北五丁  (黄金律)
きさらぎの熱き胃の腑をかなしめと桶にけむりのごとき白魚  (天變の書)

石徹白(いとしろ)で。
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きさらぎの水さかまきて

塚本邦雄
地下工事の赤き湧水溜まりつつ二月、日本の死にいたる傷  (日本人靈歌)
きさらぎの水さかまきて石胎のいもうとがラピスラズリみごもる  (歌人)
旅ごころありとしもなき如月(きさらぎ)を緋の武者幟濡れてはためく  (豹變)

石徹白(いとしろ)へ行きました。
石徹白では、明日、積もった雪に灯火を飾るそうです。村全体がきっと幻想的な風景になるのでしょうね。

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OM-D E-M5ii が届きましたが、帰宅が夜遅かったので、とりあえず封を切って、ちょっとピンぼけの記念写真だけ撮りました。
オリンパスのオンライン・ショップで、ポイントを使って15%、クーポンを2つ使って10%、合計25%オフになるのですが、私の場合はポイントが少し不足して、23%オフぐらいになりました。
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まつるべきものわれにあたえ

塚本邦雄
雛祭祀(まつ)るべきものわれにあたへいもうとが美しき燈(ひ)を消す  (花にめざめよ)
二月、山上にて若者ら猥談す冰煮て熱湯となる閒を  (日本人靈歌)
ほつれつつ言葉は空の霞網きさらぎの水反芻(にれが)むわれは  (靑き菊の主題)

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オリンパスからOM-D E-M5ii を発送したというメールが届きました。明日中には届きそうです。うれしい。
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二月のピカレスク

塚本邦雄
武者隠し窓に二月の陽がかげり『ガリア戰記』の巻末おぼろ  (詩魂玲瓏)
靑年の鍵裂きの肩くちひびく二月の悪漢小説(ピカレスク)はじまらむ  (歌人)
明日と言へど餘生の一日(ひとひ)きさらぎの太陽にはたづみにうかびて  (豹變)

時計が好きです。亀山市関町にて。
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二月二人

塚本邦雄
二月二人の底に眞紅の井戸光りカンパーニュ・プルミエル街の斷水  (水銀傳説)
わかわかしきかな黑き二月の夜の天に燈文字(ひもじ)は周りつつ <目には目を>  (綠色研究)
余寒ゆふぐれあはきひかりに佇(た)つわれや魂魄は金箔のたぐひか  (詩歌變)

うさぎは好きです。
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カンパーニュ・プルミエル街は、アジェ、マン・レイ、デュシャン、ピカビア、キスリング、サティ、リルケ、藤田嗣治、イヴ・クラインなどのアトリエ(住まい)があったそうです。聞いただけでも頭がくらくらする名前です。
梅原龍三郎や高村光太郎もいたと聞いたところで、くらくらはしないけれど。

菓子食いて眠らむ

塚本邦雄
あなうらを刺す靴の釘なめらかに光りつつ聖ヴァレンタイン祭  (緑色研究)
隣家總領華燭けたたましく濟んで二月(じげつ)の花の一言絶句  (黄金律)
やみがたき愛など知らず紅き菓子食ひて眠らむかな 二月星  (豹變)
皇帝ペンギンその後(ご)の日々(ひび)の行状を告げよ帝國死者興信所  (獻身)

バレンタイン・デーといえど、もらったチョコレートは三つのみ。
ひとつが帝国ホテル謹製だったので、記念して「帝國」の入った歌もひとつ。
気分転換して、二見「賓日館」に戻ります。
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美しき飄(はやて)ここに

塚本邦雄
きさらぎの娶り何をかめとりたる美しき飄(はやて)ここにとどまれ  (詩歌變)
浩然の氣とは二月の竹林に正岡子規の歌をたたくこと  (汨羅變)
伯父は伯母をすてたり伯母は伯父をひろひ小字錆屋敷の冬霞  (黄金律)

昭和4年築の旧鳥羽小学校。
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二月星

塚本邦雄
二月、われの嫌悪するものえせ隠者、葉牡丹、さらしくぢら、湯婆(ゆたんぽ)  (風雅)
二月星父となりても脣(くち)赤くあらたまざりし金釘流  (歌人)
彼奴(きやつ)が死なばわが歓びはきさらぎのきりぎしに咲きみちたる椿  (花劇)

鳥羽をさらに彷徨。
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酸化鉄板の間で

塚本邦雄
婚姻の父母のそのかみ淡つけく雪はふる酸化鐡板の間(あひ)  (水銀傳説)
掌(て)ににじむ二月の椿 ためらはず告げむ他者の死こそわれの楯  (星餐図)
洎夫藍酒(サフランしゆ)に魂魄ゆるびゐたりけり二月もなかばすぎてショパン忌  (風雅)

ショパンの命日は10月なのに、なぜ2月にショパン忌なのか分かりません。
生誕の日をあえて忌日といったのでしょうか。
桃の節句の華やぎが苦手なわたしは、
連日のおひなさまに飽いて、鳥羽市街彷徨。
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うつくしき人幾人

塚本邦雄
あるかなきかの記憶の裾にひろがりて冬の衣裳の椿襲(つばきがさね)  (豹變)
はたと片陰にてゆきあひしひとの妻と干鰈(ひがれい)のこと西行のこと  (歌人)
きさらぎの疾風(はやて)くれなゐ会はざればこそうつくしき人幾人か  (花劇)

亀山市街、旧舘家住宅 (枡屋) で。
ここも「東海道のおひなさま」最中です。
明治6年築の、もと呉服屋だそうです。
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このへんが潮時

塚本邦雄
戀もこのへんが潮時近江より若狭はなやかなる二月なり  (黄金律)
乗馬倶樂部に美男の馬が牽かれきてつひに馴れざるまま二月盡  ( 〃 )
きさらぎの熱き胃の腑をかなしめと桶にけむりのごとき白魚  (天變の書)
人はいさ男は鹹(から)き名に死ねときさらぎの雷眉間にきざす  (靑き菊の主題)

今日は地元に近い亀山市へ。
今日は旗日。亀山ではひな祭り中。
亀山市関町のひな飾りです。
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二月きたりて

塚本邦雄
盞結(うきゆひ)の二月(きさらぎ)壮士(をとこ)汗かいてはしきやしその歌はざる口  (風雅)
男やさしき二月の巷一塊の海鼠(なまこ)藁もてつらぬきにける  (豹變)
秋篠に二月きたりて伎芸天あるときは藤いろのみみたぶ  (歌人)

「盞」は盃。「盞結」は盃に酒を入れて飲み、固く誓約することで、古事記に出てくる言葉だそうです。
今日は寒くて、外にいると耳たぶがちぎれそうでした。伎芸天は耳たぶにしもやけができたのでしょうか。
二見の旅館街を散策しました。
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与論島には明治まで「盞結」の風俗が「うきゆ歌あそび」として残っていて、男女が口うつしで酒を飲んだりした、と書いてある本もあるようです。

ここをあゆめり

塚本邦雄
二月盡うはさのたねは追儺(おにやらひ)濟ませて離散せし烏丸家(からすまけ)  (黄金律)
焼夷彈の夷とはなになりしか二月銀杏(ぎんなん)煎りつづけ鬱ふかし  (汨羅變)
鶍少女(いすかをとめ)にみちびかれつつ冬の坪あゆめりここを人外(じんぐわい)といふ  (天變の書)

伊勢二見のつづきを。
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二月の風

塚本邦雄
愕然たるわがものわすれ電線に雨滴とどまりつつ二月なり  (黄金律)
二月の風死にたりければ泪湧く李花和歌集の巻軸に「星」  (歌人)

鳥羽のつづきを後回しにして、
今日行ってきた伊勢は二見の「おひなさまめぐり」。
賓日館という老舗旅館での撮影から始めました。
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聖二月

塚本邦雄
立春の空酢の色に樂器店までのかをれる五百メートル  (天變の書)
ゆふべ昏む硝子へだてて霰男(あられを)の霙女(みぞれめ)戀ひわたる聖二月  (靑き菊の主題)
みちのくに雹ふれりとかほほひげの兄(あにい)が書いてよこす立春  (風雅)

鳥羽、旧岩田準一邸、「鳥羽みなとまち文学館」です。
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江戸川乱歩が、本格的な作家活動をはじめる前に、
鳥羽の造船所に月給二十円で勤めはじめて、約1年間この地で生活していたそうです。
そのときから乱歩と交流をむすんだ岩田準一の住宅です。
準一が描いた乱歩作品の挿絵や、乱歩と一緒に研究したという民俗学の資料などが展示されています。
乱歩関係の資料もいろいろあって、
話に聞いた「はりまぜ帳」の実物も見ることができました。

藥種店奥透けて

塚本邦雄
子の目藥買ふ藥種店奥透けて硫酸の甕、鹽酸の甕  (日本人靈歌)
貧婪なるわれらが周(めぐ)る立春の百貨店、乳母賣れる階無し  ( 〃 )
立春のくもる葎に十姉妹遺棄せり 生かしおかるるわれが  (水銀傳説)

鳥羽、旧廣野家住宅「かどや」つづきです。
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この日、カメラ(オリンパスE-M5)をコンクリート製の階段の上へ落としてしまい、どこか壊してしまったようです。カメラ本体か、レンズか、パワーバッテリーなどの附属品か、どれかは分からにけれど、無限年にピントがこないし、縦位置用のシャッターボタンが落ちないし、本体の角が削れてしまったし。
最近噂に高かったOM-D E-M5新型のことを気にしてばかりいたから、元祖E-M5が嫉妬したのか。
以前に対応が良かったオリンパスのオンライン修理を予定しています。
とはいえ、今日は新しいOM-D E-M5 Mark II発表の日。
発表直後からサイトはアクセス集中でビジー状態でしたが、30分後にようやくオンラインショップで注文できました。

今日はひとの身 ~旧廣野家住宅「かどや」~

塚本邦雄
撃たれしアラブ靑年の掌(て)が黒き葉のごと開く今日は確かに他人(ひと)の身  (日本人靈歌)
甘露教教主妙齢立春のきのふ世界のをはりを告げし  (風雅)
二月、きみすら父となりける薬種店倉庫の中の径(みち)九十九折(つづらをれ)  (豹變)

鳥羽にて。
旧廣野家住宅「かどや」です。
菅島から鳥羽市街地にもどり、「手こね寿司」で昼食。
そのあと市街地を散歩しつつ、「かどや」にたどり着きました。
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江戸時代から戦前まで薬舗をしていたという建物は
明治17年まで増改築され、色ガラスなど使ったハイカラなつくりです。
座敷の欄間は海浜風景だそうで、蛸や蟹がいました。
この時期はひな人形も飾られています。

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あすは立春

塚本邦雄
拉(ひし)がれし日日の睡りのすゑ纖くからみあひたる地下の薔薇の根  (装飾樂句)
二十世紀末の立春「伊勢音頭戀寢刄(いせおんどこひのねたば)」を寢たままで觀た  (黄金律)

菅島つづき。
監的哨(かんてきしょう)跡というと、三島由紀夫「潮騒」の神島が有名ですが、菅島にも残っています。
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ところで、
「纖く」はどう読めばいいのでしょうか。
こまかく、かよわく、ほそく。
どれでしょうか。自学自習というのも限界があります。

新年の風

塚本邦雄
かの國に雨けむる朝、わが胸の深き死海に浮くあかき百合  (水葬物語)
天にソドム地に汗にほふテキサスの靴もて燐寸(マッチ)擦る男らよ  (星餐図)
雪の上を驟雨過ぎしが數千の地下より天にむけし銃口  (日本人靈歌)
新年の風はたとやみ山門に晶晶とひとみきらめく仁王  (豹變)

菅島つづき。
鳥羽駅の近く、佐田浜の定期船乗り場から約20分で菅島に着きます。
海女さんが集う7月の「しろんご祭」と、明治6年につくられたレンガづくりで日本最古という灯台が観光のキャッチポイント。
また、季節に応じてサカナやワカメなど、さまざまに「干す文化」が盛んです、とパンフレットには。
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テロを経て、歌の受け取り方も自分の中で変わたように感じます。

人ならざる人と

塚本邦雄
歌はざる或る日のこころ大寒に群靑の木蓮は咲かぬか  (黄金律)
大寒に著くエアメールかう綴りどう讀みたどるべきEDINBURGH(エジンバラ)  ( 〃 )
放送の尋ね人執拗にして年齡不詳、透明の女人  ( 〃 )
生きて逅ふ人と人ならざる人とこのあめつちに夕虹さむし  ( 〃 )

今日は菅島。風が強い一日でした。
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昨夜の引用の萱草色(かんぞういろ)について、
萱草の別名は忘れ草といい別離の悲しみを忘れさせる花として、萱草色が喪の色とされたことは聞いていましたが、
今朝からのニュースを見て心が乱れます。