本年もありがとうございました。

塚本邦雄
欲しきもの迦陵頻伽の風切羽などとおもひて元朝に醒む  (黄金律)

上賀茂神社まえ。社家が並びます。
おおみそかというのに、いつものような写真で。
ことし一年、当ブログを訪問いただきました皆様ありがとうございました。
いっこうに進歩のない写真にお付き合いいただき感謝しております。
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おまけに、京都紫野で。
何を守るか知らないけれど、眠り猫一匹。
2015年の平和を祈って。
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光線の圧力におされてあと一日

塚本邦雄
海鼠(なまこ)買ひに出でてそのままもとほれる寅彦忌十二月三十一日  (黄金律)

ひきつづき京都船岡、銭湯カフェ「さらさ西陣」。
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なにものも地上にあらぬ

塚本邦雄
屠殺場の黒き凍雪(いてゆき) 死にあたひするなにものも地上にあらぬ  (装飾樂句)

ひきつづき京都船岡。
元銭湯の喫茶店「さらさ西陣」で。
お店の方は親切で、食事は美味しく、気の置けない一隅でした。
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おまけで、
来年のカレンダーが完成したので、最後にカレンダーの表紙をつくりました。
真ん中は、京都の田中彌のひつじ。
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来年のカレンダー12月 (と、おまけのヒツジ)

塚本邦雄
父に喚ばれしかな仔羊の皮張れる椅子血の香もてわれを裹(つつ)めど  (星餐図)

いけにえは捧げませんが、今年一年に感謝しつつつくる来年のカレンダー12月。
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昨日のつづきで、京都船岡で。
これでもヒツジです。
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だれが笑う来年のカレンダー11月

塚本邦雄
天使キャラメル廣告塔に晝死せる天使がむらさきのうす笑ひ  (日本人靈歌)

鬼にうす笑いされつつつくる来年のカレンダー11月。
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2年前に発売されて以来ずっと欲しかったM.ZUIKO 75mmをようやく手に入れて、今日初撮りです。
京都船岡山、建勲(たけいさお)神社。
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そのご近所の船岡温泉。残念ながら入浴はできずに。
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夜もすがら

塚本邦雄
磔刑の釘うつひひき夜もすから 死火山の襞に湖はひかりて  (水葬物語)

夜もすがらつくる来年のカレンダー10月。
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来年のカレンダー9月

塚本邦雄
嘘つきの聖母に會って賽銭をとりかへすべくカテドラアルへ  (水葬物語)

とりかえせない時間のためにつくる来年のカレンダー9月。
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イエスに

塚本邦雄
憑(つ)かるる前に憑(つ)け繪のマリア靑桃(せいたう)のかたき乳房をイエスに乞(あた)ふ  (星餐図)
蓬野に母ひざまづきにくしみの充電のごとながし授乳は  (緑色研究)

イブというのにひっそりつくる来年のカレンダー8月、おまけ付き。
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来年のカレンダー7月

塚本邦雄
原子爐大内山に建設廢案となりにけりすめらみこと萬歳?  (風雅黙示録)

日和見してつくる来年のカレンダー7月。
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のごとく

塚本邦雄
仁清四季花鳥圖扁壺千萬圓ここに屍體のごとくしづけし  (黄金律)

鬱々と来年のカレンダー6月。
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うつなのにおまけをひとつ.。
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昔陽炎

塚本邦雄
父よりも夭(わか)く死なむと希へりし昔陽炎澤(かげろふざは)に雪散る  (天變の書)

けん怠されつつ来年のカレンダー5月。
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来年のカレンダー4月

塚本邦雄
無疵(むきず)なる街やはらかにつつむ雪見つつしづかに湧く怒りあり  (装飾樂句)

こつこつつくる来年のカレンダー4月。
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きみは事とす

塚本邦雄
雪いまだ触れざるはがねいろの地(つち) 紅旗征戎をきみは事とす  (蒼鬱境)

来年のカレンダーづくりを事として3月。
なお、昨日写真を間違えたので差し替えました。
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調子にのっておまけも。
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来年のカレンダー2月

塚本邦雄
イエスゆらと無疵の腿のもの憂きを扉鎖(とさ)せわが黄色降誕祭(イエロウ・クリスマス)  (星餐図)

せっせとつくる来年のカレンダーの2月。
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来年のカレンダー1月

塚本邦雄
さむき睡りの中むらさきのほろほろ鳥(てう)小走りにさきの世の家族達  (日本人靈歌)
描き上げて壁に凭(よ)せたる繪の湖(うみ)の底に釘うつ音せり冬夜  ( 〃 )
降誕祭、 この夜ひそけき雑沓のみな低き黄の鼻ばかり 寧(やす)し  ( 〃 )

だんだんと残り少なくなった12月中に、来年のカレンダーづくりをせっせと。
今年中に撮った写真で、自己中のまずは1月を。
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花らににじみ降る雪、さりげなき

塚本邦雄
伊吹しろがねに映えつつくれなゐの旗捧げたる一人病ましむ  (閑雅空間)
繪がらすの鳥や花らににじみ降る雪、さりげなき別れの時の  (水葬物語)
夭折と言はれむ季も去り夜の雪降りはじむ汚れし屋根に  (日本人靈歌)

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あとに冬草が

塚本邦雄
低血壓のせゐとつぶやき知能犯きみは枕を低くして眠(ね)る  (汨羅變)
サーカスのかかりしあとに冬草が濃く萌えぬ今年いくさ無かりき  (装飾樂句)
聖夜劇天使の子らの髪赭し髪黒し やがて神うとみだす  (日本人靈歌)

低血圧の歌はサラダ記念日かと思いました。
まだ旧米原尋常高等小学校校舎。
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ああそこの

塚本邦雄
葛湯すするうつつに近くかつ遠く昔ブニュエルの「糧なき土地」  (黄金律)
寒葬(かんはふり)、柩はおもふ五分間ああそこの日向に出てみたい  ( 〃 )

米原市坂田郡少年センターで。旧米原尋常高等小学校校舎だそうです。
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こころざしくずれて

塚本邦雄
こころざしくづれて廿歳(はたち)雪の上を群青の風過ぎし痕あり  (感幻樂)

青岸寺、のとなりにあったお社で。
耳のあるお賽銭箱につられて、お賽銭入れました。
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雪のふるものを

塚本邦雄
わがふところに鶺鴒(せきれい)一羽 ゆふやみにしはぶきうすべにの雲母(きらら)なす  (豹変)
過剰暖房 ガウンの胸をはだけつつ聞くブルース・スプリングスティーン  (約翰傅偽書)
おおはるかなる沖には雪のふるものを胡椒こぼれしあかときの皿  (感幻樂)

滋賀県米原市青岸寺。
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雪の上、雪の下

塚本邦雄
雪の上來しあたら長脛さやさやと杉の香はなつなれ好色漢(すきをとこ)  (感幻樂)
何月に惡運咲かむ新カレンダー十二枚植物圖版  (黄金律)

滋賀県米原市青岸寺で。
肝心のお庭を拝観せず、何のために行ったのやら。

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何かがまじる

塚本邦雄
煤、雪にまじりて降れりわれら生きわれらに似たる子をのこすのみ  (装飾樂句)
亡靈がまじりて走る因幡なる若櫻(わかさ)線にも雪ふるころか  (黄金律)
百年後のわれはそよかぜ地球儀の南極に風邪の息吹きかけて  ( 〃 )

まだ清滝寺徳源院。
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冬に入るべし

塚本邦雄
イエスの代價(あたひ)銀二十枚われの齒の幾枚か缺けて冬に入るべし  (装飾樂句)
愛は見えねども雪歇(や)みし方寸の天窓に満ちこの昼の紺  (靑き菊の主題)
死に代へむ愛あらば 否みづのうへにこゑまよふ傷寒(しやうかん)の鶺鴒(せきれい)  (感幻樂)

清滝寺徳源院にもどって。
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世にもうつくしき

塚本邦雄
かつて孔雀を見しはいつの日雲母(きらら)なす霙のなかをわれらあゆみつ  (豹変)
朱の硯洗はむとしてまなことづわが墓建てらるる日も雪か  (歌人)
世にもうつくしき霙ぞ夕映のバイクとすれちがふ托鉢尼  (波瀾)

岐阜県上石津町で。
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『初雪』というには激しくて

塚本邦雄
冬もみぢくろきくれなゐうたびとと歌のはざまのやみ底知れず  (風雅)
夢に逢うふなどとな言ひそ宿酔の君に貸すモーパッサンの『初雪』  (豹変)
長身の父在りしかな地の雪に尿もて巨き花文字ゑがき  (緑色研究)

清滝寺徳源院。
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清滝寺徳源院は京極家の菩提寺。
京極氏初代の氏信が草創、讃岐丸亀藩二代目京極高豊が復興し、
京極氏中興の祖とされる高次を中心に歴代がまつられています。
檀家が京極家のみのお寺だったのが、明治維新ののち京極家が神道に改宗したので、いまは檀家のないお寺だそうです。
ご住職のお話が分かりやすかった。
また、京極高次が、姉(秀吉側室松の丸殿)や妻(浅井三姉妹お初(常高院))といった女性の尻で光った「ほたる大名」と陰口をたたかれたなどと、面白くも話していただきました。

今日の未知の部分

塚本邦雄
今日の未知の部分 少女ら抱へゆく半透明の風呂敷の中  (日本人靈歌)
存命の尊屬かぞへつつゆくにわれを追ひ越すカンガルー便  (黄金律)
くれなゐの凧が墜ちくる臘月に一天萬乗のおほきみつてだあれ  ( 〃 )

今冬はじめての雪でした。滋賀県米原市清滝寺徳源院で。
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玲瓏として十二月

塚本邦雄
玲瓏として十二月惨敗のラガー等燠(おき)のごとつどひける  (天變の書)
賣るべきイエスわれにあらねば狐色の毛布にふかく没して眠る  (装飾樂句)

ご近所で。
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十二の

塚本邦雄
臘月のたのしみ二つ山茶花と「当方喪中欠礼」通知  (風雅)
練炭に十二の昏き孔ありて縷縷としもわがこころかゆふ  (透明文法)

ご近所で。
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落ち尽くすまで

塚本邦雄
臘月の月光うつそみに零(ふ)れり魂魄のわだかまれるあたり  (詩歌變)
たましひあそぶ臘月ある日褚遂良(ちよすいりやう)褚遂良とぞうすずみに書き  (豹変)
老嬢のこころざしげに清らけし蔓落霜紅(つるうめもどき)おちつくすまで  (花劇)
昧爽とわが髪に降る金管の楽音 去年(こぞ)の霜のごとしも  (緑色研究)

ご近所で。
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蒼き十二月の

塚本邦雄
夢に母をよびしその咽喉斜(はす)に截れ蒼き十二月のかまいたち  (星餐図)

ご近所で。
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菅原文太。きのうのつづきは、Soleil(それいゆ)、1958年2月、No.49号より。
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命惜しむ

塚本邦雄
のぞみて日本に生れしならず肉色に聖十二月のこほる人参  (日本人靈歌)
冬紅葉、鋼(はがね)のごとき十二月雄ごころは男ごころとちがふ  (黄金律)
黄鶺鴒(きせきれい)にまろべり臘月(らふげつ)の透きとほる身命(しんめい)を惜しまむ  (睡唱群島)

ご近所で。
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雑誌Soleil(それいゆ)、1957年10月、No.47号より。
男性モデルは、菅原文太、
まだ映画俳優になる前かな。
若かった。
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