2022/10/18
若草色
3年ぶりに「おわら風の盆」が実施されたそうで、おかげで来年のカレンダーを昔の恩人からいただきました。感謝の気持ちを記憶するためにパチリ。



東京工芸大学のKOUGEI PEOPLEに載ったリレー連載から、鈴木万里基礎教育教授「『若草物語』の作者オルコットの隠された一面」の一部を。
オルコットがA.M.バーナードというペンネームで書いた、女性がみずからの強靱な意志、知性、行動力で社会的地位と経済力を獲得して、彼女をさげすんだ人々を見返すという『仮面の陰に あるいは女の力』(1866)が最近翻訳されました。
この結末にオルコットの隠された一面がみえるように思います。扇情小説を執筆し続けたのは、手軽にお金が稼げるからという理由だけではなく、本当に書きたい物語だったからではないでしょうか。女性が思うままに自分の力を発揮して、偏見をものともせず、幸せをつかみ取る物語を渇望していたのでは?と思えるのです。しかし、本音を書くには性別不明のペンネームを使う必要があったのですね。
パステル色の記憶が吹き飛ばされて、素っ裸を見せられたように思うのはpithecantroupusのジェンダーバイアスのせいでしょう。
知りたくなかったなぁ。
心毒はしづかに六腑めぐりをり若草色の健康保險證 (塚本邦雄:不變律)