若草色

3年ぶりに「おわら風の盆」が実施されたそうで、おかげで来年のカレンダーを昔の恩人からいただきました。
感謝の気持ちを記憶するためにパチリ。

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東京工芸大学のKOUGEI PEOPLEに載ったリレー連載から、鈴木万里基礎教育教授「『若草物語』の作者オルコットの隠された一面」の一部を。

オルコットがA.M.バーナードというペンネームで書いた、女性がみずからの強靱な意志、知性、行動力で社会的地位と経済力を獲得して、彼女をさげすんだ人々を見返すという『仮面の陰に あるいは女の力』(1866)が最近翻訳されました。

この結末にオルコットの隠された一面がみえるように思います。扇情小説を執筆し続けたのは、手軽にお金が稼げるからという理由だけではなく、本当に書きたい物語だったからではないでしょうか。女性が思うままに自分の力を発揮して、偏見をものともせず、幸せをつかみ取る物語を渇望していたのでは?と思えるのです。しかし、本音を書くには性別不明のペンネームを使う必要があったのですね。


パステル色の記憶が吹き飛ばされて、素っ裸を見せられたように思うのはpithecantroupusのジェンダーバイアスのせいでしょう。
知りたくなかったなぁ。

 心毒はしづかに六腑めぐりをり若草色の健康保險證   (塚本邦雄:不變律)

風甘し

中性脂肪値の上昇が気になるといいながら誘惑に負けたpithecantroupus。この悔悟を記憶するためにパシャ。

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東北大学創立115周年・総合大学100周年を記念して企画され白松がモナカ本舗から発売された「吾輩は羊羹好な猫である」(ミニヨーカン4個入り)です。
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きのう引用した「うそつ忌」をネットで検索しても見つからないので、あれは執筆者が考えた言葉だったのだろうと想像しています。
元首相へ辛辣な眼を向けている筆者ですが、「うそつ忌」という言葉がインパクトと同時に内包する下品さが、それを自分の言葉とすることを躊躇させたのではないか、と思うのです。

 海の微風甘し生よりすみやかに遠ざかり來し藍のくちびる   (塚本邦雄:されど遊星)

楽天の詩

またわけの分らん写真を一枚。お口直しに年賀状づくりの努力の記憶も。

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玄侑宗久公式サイトに瀬戸内寂聴の追悼文が載っていました。(追悼「楽天力の人」
玄侑は、寂聴を『どうでもいいことは無論だが、どうでもよくないことからも寂聴さんは自由だった。楽天力とも言うべきその自由なパワーが大勢の人々を救済したのは間違いない。』と。
ショーケンこと萩原健一の禅寺での謹慎を週刊誌がスクープしたいきさつへの寂聴の関りや、玄侑が書いた真言宗の『理趣経』にもとづく尼僧の性愛を描いた作品に、「どうせならお経の話は省いちゃったら?」と感想を寄せてくれたと書いています。
 『私(玄侑)にとっては、『理趣経』あればこそ書いた物語だったわけだが、寂聴さんには言い訳に見えたのかもしれない。所詮、不良の格が違うということだろう。
 また、玄侑と寂聴の対談を寂聴がNHKに撮影させて、後日NHKと新潮社との間で版権などを巡る争いが起きたことも、『寂聴さんにとってはどうでもいいことのようだったが、私がようやくどうでもいいと思えたのはそれから数年後のことだった。』(2021/12/04 図書新聞 第3522号)

楽天で、
 薫生(あ)れ出でし春夜(しゆんや)をあはれみつ白樂天の詩をそらんじて   (塚本邦雄:源氏五十四帖題詠)

トラぎらり

”トラのもん”というそうです。ドラえもんの剽窃みたいに見えるけど、藤子不二雄プロ公認だそうです。来年の干支です。

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色気が足りないので残りものを。
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”トラ”の歌を、
 婚禮トラックぎらりと過ぎつこの道や行く人あふれつつ秋の暮   (塚本邦雄:詩魂玲瓏)

宴はお預け

年賀状づくりが重荷です。
トラはすでにいるのですが。

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m.zuiko 30mm 3.5 macro

 『現実というのはほんらい、内臓の時間、自然の時間、時計の時間、歴史の時間などいろんなリズムを刻む時間が、雑然、雑多に絡まって錯綜しているものだ。』と鷲田清一は言います。(『図書』2021年11月号 「残念だが、パーティーは次回にお預けだ」

 そしてそれらの(様々な時間の)一つひとつに、さまざまの「折り目」や「節目」といった仕切りが差し込まれている。恒例の季節行事や記念日、始業の日、締め切りの日。それらがしかし、コロナ禍のもとでことごとく延期ないしは中止になった。そしてそもそもそういう仕切りのあったことも思い出しにくくなった。このように「きょうは~をした」と数えられるような行為もわずかになると、時間は表情も律動も失い、のっぺらぼうになる。

 鷲田は『どんな困った状況にでも対抗できるそれならば持っている。何かにつけ、始まりの日付と終わりの日付を知りたがるのはそのためだ。』という、イタリアの作家パオロ・ジョルダーノも引用しています。


 冬の宴の料理ならざれども蟇目良のみづみづしき向う脛   (塚本邦雄:詩歌變)

残んの

のこりもので手抜きです。

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7artisans 35mm 0.95
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m.zuiko 30mm 3.5 macro
 もてあそぶ言葉や露のゆふぐれに殘んの蓼のみだるくれなゐ   (塚本邦雄:されど遊星)

夜寒朝寒

年賀状を作らねばと思いつつ手が進みません。
何年も使っていないテープデッキをコンセントにつないだら明かりがつきました。

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一昨日のコートの裾、スカートのヒップを思い出して、
 霜月は夜寒朝寒(よさむあささむ)かはたれに舞ふ巫女(かんなぎ)の緋の袴さへ   (塚本邦雄:新歌枕東西百景)


昨日の夢の

時間の流れがはやくなってきて、このままきっと滝から落ちるという気がします。
急いで年賀状の準備をしなくっちゃ。

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色気がないので、また回想の関宿を一枚だけ。
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昨夜見た夢は苦手な英語の試験でした。
答えを書く先から単語が消えていくのです。
消えないうちに文章を完成させようとあわてていると目が覚めました。
もっと楽しい夢を見たいなぁ。

 露知らぬ昨日の夢のわすれぐさ去る者の聲あきらけきかな    (塚本邦雄:摩多羅調)

はたと絶えて

富士フィルムGS645は何度か挑戦して毎回不本意な写真しかも撮れていません。
今回もその繰り返しになってしまいましたが、天竜ばかり続いたので。

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m.zuiko 30mm 3.5 macro

GS645は小西六のパールの伝統を守ってセミ判 (6×4.5)でしたので、セミの歌を。
 蟬時雨はたと絕えたり内閣も十日連續午睡中とか   (塚本邦雄:汨羅變)

ことばは神

ふるい五箇荘だけでは脳が活性化しないので今日も昔カメラをモデルに。

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回想の彼方の五箇荘も。
「アブナイ」と言われて、一瞬「アタマ」のことかと思ってしまうのが悲しい。(笑)

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 先日つけはなしのTVに下重暁子が出ていたので思わず視聴してしまいました。(徹子の部屋)
NHKテレビ初期の女性アナウンサーというだけで、pithecantroupusは賢い人なんだろうなぁと思ってしまうのです(実際、著書も多いし)。
 ところが、見ていたTV番組のなかで彼女が、「ヤバい」という言葉を使ったことに驚き、がっかりしました。それも二度も。
若い人が「ヤバい」といっても脳が発達していないだけと見過ごしますが、彼女の歳にして言われると拒否反応が起こります。
汚い言葉は、チンピラやヤクザなどアウトローが使えば違和感はないのですが、元アナウンサーが使ったので。

 言葉は神としいへどさみだれの犀川に犀のゐざる不可思議   (塚本邦雄:黄金律)