Age of Pen

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生きのびてここに

宇治、興聖寺。曹洞宗の道場だそうです。
うつくしい仏具のおかれた開山堂、履物入れの続く内庭の回廊、音の数を数える小石のある鐘楼。
訪問者は多くともしずかな雰囲気を終始うしなわない場所でした。
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開山堂でおつとめを待っている。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

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陽ざしの中をまっすぐに。 M.ZUIKO 25mm F1.2

塚本邦雄
 紅梅黑し國賊のその一匹がみんごと生きのびてここに存る   (獻身)

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12番目が見つからない。 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8

 ブログで一番望んでいることは写真を見ていただくことですが、美しい風景や観光スポットで撮った写真はどうしてもどこかで見たような写真になっています。きれいな景色や花をきれいに撮るのも私には難しい事で、それさえ出来ないくせに、自分らしさをどこに求めればいいのか悩みます。

 塚本邦雄の短歌を毎日引用しているのは、誰かの写真と同じように撮れば済むという怠惰に流れそうな自分への諫めとして、彼の短歌のように予定調和を排除し禁忌を犯す態度で写真を撮りたいという願望の反映です。
 たとえば、きのうの「山川のたぎち終れるひとところ流雛(ながしびな)かたまりて死にをる」の最後の一節などはバッド・テイストで、何か言う気持ちさえ萎えてしまうのですが、明のうらの暗を見る態度が弱ってきている自分に気づかされます。