Age of Pen

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志なし

塚本邦雄
志あらねば夜半家出でてをりからの秋風を呑みくだす   (黄金律)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

古都祝奈良(ことほぐなら)。
なら町の染物屋跡を今日もつづけます。作家は宮永愛子、「雫 -story of the droplets」という題だそうです。
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KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8
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NOKTON 17.5mm F0.95
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KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8
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NOKTON 17.5mm F0.95

 未開封のまま倉庫に残されていたガラス瓶を真ん中にすえて、天井に倉庫の床土を拓本した布をつりさげているそうです。
床土には、長年にわたって染物が干されたとき、滴り落ちた染料が、染み込んでいたそうです。

 壜の中の液体は今も澄み切っていて、
彼は、置き忘れられていく間に、床土の色に自分も染まってしまうと怖れていたでしょう。
土に染み込んだ色を白い布に写しとってみれば、彼が怖れたような色でなかったのですが、
その色を見上げつつ、それでも土の上に直接置かれることは願い下げと言いたげでした。