塚本邦雄
曼珠沙華わが掌に傷み平安は光りなく身より亡(う)するかなしも   (薄明母音)
(塚本邦雄の短歌は写真と無関係です。塚本邦雄を尊敬していますが、引用した歌はブログの護符かお守りのつもりです。)

愛知県半田市矢勝川で。
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M.ZUIKO 75mm F1.8

薄明母音は塚本邦雄が初期の作品を再録した歌集で、引用した歌は昭和18年の同人誌「紀元」に載っているそうです。およそ30年経った昭和47年に曼珠沙華斷想と題した文を別の同人誌発表しているようです。冒頭は、

 僕は曼珠沙華を好む。合歓にも薊にもダリアにもまして曼珠沙華を愛する。台風の過ぎた草むらにこの花がめらめらと炎え上ると、背中をどやされた様な烈しいシヨックをうけて夏のらんだ(懶惰)が瞬時に消え亡せる。些の胡麻化しもない、八方破れの、ぎりぎりの絶体絶命のこの美しさを見ると完全に「負けたッ」と思ふ。シユトラヴインスキイの音楽を聴くと、この花を思ふ。ビアズリイの絵にこの花の匂ひがする。かつてピエール・シユナアル作の「生けるパスカル」でジネット・ルクレルといふ女優を見た時もこの花を感じた。

ビアズリーは同意、ストラヴィンスキーは納得、でも1936年の「生けるパスカル」は初耳です。ネットでジネット・ルクレールを検索して写真を見ましたが、わたしの感受性が鈍いせいで、そこから曼珠沙華は感じられませんでした。わたしの感受性は、もっとcurvieな女性を連れてきます。

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