塚本邦雄
金雀枝縦横無盡に吹かれ西行が持ちかへりける砂金三萬兩   (不變律)

きのうにひき続き、亀山市楠平尾の「ささゆり」で。
1LR6-_N650A (7)-1
M.ZUIKO 75mm F1.8
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M.ZUIKO 75mm F1.8
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SUMMILUX 15mm F1.7
LR6-_N650A (22)-2
M.ZUIKO 75mm F1.8

カシアス・クレイ、モハメド・アリの死亡をニュースが報じています。
一週間前の5月29日の塚本邦雄の歌について書きます。
『山巓にすれちがひたる黑人の美髯(びぜん)おそるべき夏がはじまる』の
「山巓」は「さんてん」と読んで山頂をあらわすことは、この歌を引用して初めて知りました。
歌人というのは難しい言葉を使うものだなあと驚き、
「さんてん」「こくじん」「びぜん」とン音の連続にこだわる美意識にも驚きます。
ある解説に、
西東三鬼『おそるべき君等の乳房夏来る』を下敷きにしている、
とありました。なるほど納得しつつ、しかし、「黒人の美髯」という設定には説明がありませんでした。
これが山男の美髯とか白人の美髯なら分かるような気がするのですが、
黒い皮膚に黒い髯ではほとんど目立たない。
西東三鬼が「おそろしい乳房」というのを踏まえれば、
塚本邦雄も「おそろしい夏」ではなくて、「おそろしい美髯」ではないか。
しかも、乳房が遠目でも目立つのに、美髯はすれちがう瞬間に目に入ってくる。
すぐ近くに来て初めて気がついた黒人の美しい髯のように、夏がすぐ近くにあった
というようなイメージではないかと思うのです。

コメント 2

pithecantroupus  2016, 06. 05 (Sun) 20:31

Re: タイトルなし

carmencさん、こんばんは。
わたしには難しい話なので、本を引用してごまかします。

坂井修一は歌人にして理学博士。専門分野では最先端を走る世界的権威。
塚本邦雄は自分が評価する人間を実名で歌に読み込むことがありますが、
坂井修一は二首も読まれています。

彼はこの歌を解説して、
「美髯とは、美しいほおひげのこと。山に登った主人公は、そこでばった
りと頬髭も麗しい黒人に出くわす。黒人の肌の輝きは白人やアジア人とは
別種の生命感に満ち、その美しさは、われわれにとっては非日常的な美し
さである。肌一面を覆う髯の美しさ、黑に黑を重ねた美しさは、さらにエ
キゾチックである。
 ときは初夏。いやいや、山頂に出会ったあの黒人の美髯から、まさに夏
がはじまったのだ。願わくば、私などの繊細になりがちな感性をずたずた
にするような刺激に満ちた夏であることを。」

と解説しています。さらに西東三鬼の句を紹介したのち、
「歌のアクセントは、あきらかに四句「美髯・おそるべき」の部分にある。
・・・前半は漢語の名詞を三つも使い、鋭い男性的な感じを出している。後
半は、三鬼の句を思い起こしつつ、われにかえっておののいているところ、
である。・・・」
と。

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carmenc  2016, 06. 05 (Sun) 16:20

人に依りますが、黒人と言っても明るい褐色肌の人もいます。黒い肌に髭というのも目立たないという程のものではないと思いますが…
白いお髭もありますね。モーガン・フリーマンの白い髭なんて渋くてカッコいいですよね
ジャズプレイヤーの黒い髭もカッコいい!
あまりにカッコ良くて恐るべきだったのかも
などと考えて見ました
どうでしょう?

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