塚本邦雄
姦淫は母もつことにはじまりて酢の底となる皿の繪の鳥   (綠色研究)
抒情詩もて母鎭めむにあたらしき鋸の齒のかたみに反(そむ)く   (水銀傳説)
日本脫出したし 皇帝ペンギンも皇帝ペンギン飼育係りも   (日本人靈歌)

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ZUIKO ED 8mm F3.5 Fisheye
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ZUIKO ED 8mm F3.5 Fisheye
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ZUIKO ED 8mm F3.5 Fisheye

死ぬことは恐ろしいです。塚本邦雄が書いた文に、次のようにありました。

・・・・「僧侶」一篇は紛れもなくこの寺院の司祭であり、現代詩の最も危険な傑作である。私は歌集『魚藍』から最新作「立体」までを熟読してなお、この傲慢な選択に従おうと思う。暮鳥の全作品中「囈語」(げいご)ただ一篇を探り、静雄のライフワークから「わがひとに与ふる哀歌」以外を清去するより、更に苦痛を件うえらびではあるが。
詩人は絶対値に近い一篇の傑作の為に死んでもよいのだ。・・・・なまじ成仏などすることのない極重悪人の典型としての、禁断の新書を成されることを切望するものである。
日本読書新聞 1967年11月6日「修羅と悪徳との凶変の証~『吉岡実詩集』について」

生涯に代表作と呼べる作を、死ねば、もう付け加えることは不可能。
中平卓馬に「来たるべき言葉のために」があるといっても、そのなかの写真の一枚も思い浮かびません。細江英公のとった三島由紀夫や横須賀功光の資生堂ポスターや森山大道の犬はすぐに脳裏に浮かぶけど、中平卓馬にそんな写真がありません。もとより、彼は「代表作」など望んでもいないのでしょうが、写真家という肩書で印象に残る写真がないのは、やはり残念な気がします。

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