こころ千々(ちぢ)に

塚本邦雄
秋風の心をうつす鏡石この清ら石まだ戀知らず (新歌枕東西百景 福島県岩瀬郡鏡石町久來石)
隈(くま)もなく秋風到りまひるさえ戀にやつれし露の身ねむる ( 〃  愛媛県上浮穴郡久万町露峰)
妹は牛の背に搖れわがこころ千々(ちぢ)にみだるる秋の夕暮 ( 〃  北海道雨竜郡妹背牛町千秋)

はたらく人。トヨタ産業技術記念館。
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SUMMILUX 15mm F1.7
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SUMMILUX 15mm F1.7
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NOCTICRON 42.5mm F1.2

『こころ千々(ちぢ)に』という節に与謝蕪村を感じます。
「君あしたに去(い)ぬゆふべのこゝろ千々(ちぢ)に
 何ぞはるかなる・・・・・」
で始まる有名な一編です。
塚本邦雄は、僧侶(吉岡実)、わがひとに与ふる哀歌(伊東静雄)、みだれ髪(与謝野晶子)などと並べて、蕪村の「晋我追悼曲」をいいます。
「一七四五年、蕪村三十歳当時の作になるこの和詩挽歌は、今日なほ十分に新鮮である。藤村以降の新体詩にもまして「新体」であることも驚くべきだが、第一に新体詩のもつ、七五調の甘美極まる抒情、浪漫の小うるささも臭さも一抹だに無いのが清々しい。友の死に遭つて悲哭する蕪村の正述心緒の詩・・・・」(『黄昏樂』)

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