Age of Pen

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染谷學・大西みつぐ・築地仁『「写真」のはなし』  (日本写真企画)

塚本邦雄
眞空にさわだつ篝火をささへひとりありけり夜の曼珠沙華  (靑き菊の主題)
秋風のかすかなる毒くちびるにあり今日一日歌はずにすまば  (不變律)

今回の回顧趣味のきっかけはこの本でした。
1-shashinheno tabi

一部を抜粋すると、
風景写真のすすめ(染谷學)
 いま目にする風景写真のなかには、作者が真に自然を感じて撮られたとは思えないものが、少なからずあります。
 コンテストや写真雑誌に見る風景写真の多くが、風景ではなく「風景写真という写真」を撮ったものにしか見えない
 「風景写真」は自然を愛する人の撮るものから、上手にカメラを操る人の絵作りの競い合いへと変質していった
 なにか大切なものが抜け落ちてしまったかのようです。


犬・猫・子ども・花・祭り(染谷學)
 いつも通りの安心な写真
 写真学校の授業で、私に提出する写真では「犬・猫・子ども・花・祭ハソ」が撮ってはいけない被写体。
 「犬・猫・子ども・花・祭り」を禁じていたのは、これらが撮り易いものであるから
 「知っている意味の通り」に撮れることが「思い通りの写真が撮れる」ことだと思っている人も少なくありません。
 そのような写真は、わかりきっていることの意味をなぞり、イラスト化しているに過ぎないのではないでしょうか。
 それでは写真が固定化された意味を指し示す、単なるアイコンになってしまっている


あなたの写真はいまどこを走っていますか? (染谷學)
 写真史はカメラマンの地図
 みなさんはなんらかのお手本や指導にもとづいて撮影をされているはずですが、
 失礼ながら、多くの方が本物の地図を見ていないせいで、
 自分の写真が写真表現のなかでどんな場所(レベルではない)にあるのかを知らなすぎるようです。
 本物の地図とは、「本物の写真家とその作品たち」です。
 いま世にある写真は、必ず誰かの影響を受けたり、反発したりして生まれてきたもの
 実際にピアノのレッスンをしてくれる身近な先生も大切ですが、リストやショパンを知らずにピアニストになれる人もいない
 まずは日本の戦後から現代までの代表的写真家から見ていってください。


何故にあなたは被災地に行くのか? (大西みつぐ)
 個人的な望みで「柵」を乗り越えていいのか
 東日本大震災後、多くの写真家が被災地に入りました。
 報道畑の写真家はヘリコプターをチャーターして被災地に向かった
 注目されているある若手人気写真家は自分の写真賞授賞式よりも、被災地に救援物資を持って出かけることを優先させました。
 ある日、写真愛好家の方が、「私たちも被災地に入っていろいろ写真が撮りたいので、なんとかして欲しい」と
 その気持ちも分からなくはありません。しかし、なにか釈然としないものがあります。
 混乱し、困窮し、さらに原発の脅威のまっただ中において、個人的な望みである「被災地を被写体として帰りたい」ということで闇雲に「柵を乗り越える」というのは、正しいことなのか否か。
 自分はそこでなにができるのか

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