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archive: 2015年02月  1/2

鼻すりよせ

塚本邦雄砲塔にまたともる燈(ひ)よ かずしれず小鳥わななきあふ冬の夜を  (透明文法)オペラ「ヴェネツィア客死(かくし)」果てたり凍傷の手に飼犬が鼻すりよせつ  (豹變)西行笑殺せむに長沓の土不踏(つちふまず)凍雪を嚙みをる  (歌人)冬さらば冬にあそばむ西天の石榴薄墨色に朽ちたり  ( 〃 )前回の訪問に味をしめて、名古屋市市政資料館を再訪しました。とはいえ、また同じような写真をとってきて、反省...

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冷水に面し

塚本邦雄冷水に面しづめて瞠(みひら)けり 耿耿として今日實朝忌  (日本人靈歌)二月、雨ふる生地への旅 ピグミーのごとき赤帽に先行さるる  ( 〃 )雪の夜の浴室で愛されてゐた黒いたまごがゆくへふめいに  (水葬物語)石徹白もこの辺で終わりに。...

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底なる玻璃(はり)の

塚本邦雄きさらぎの薄暮童女がくりかへす軍歌にいささかの薄荷の香  (豹變)男は昧爽(まいさう)、女はたそがれに声を発せりきさらぎの白椿  ( 〃 )ヴェネツィアは水の底なる玻璃の檻きさらぎはわが唇枯れて  (歌人)定命(ぢやうみやう)を踰えしにあらねきさらぎの紅梅に遠く父栖めるなり  (花劇)なおも名古屋市市政資料館。...

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まれに無為の刻

塚本邦雄神曲を読む無為の刻稀にしてさればほのかにきさらぎの雪  (豹變)太陰暦きさらぎ七日敦盛忌 珈琲(コーヒー)舌を焼くうつつあり  ( 〃 )冬の虹の脚の灰色かたことの馬太伝(マタイでん)復活の章めぐり来ず  (歌人)生きつつ死せる海鼠(なまこ)くらはむ二月尽夕虹色の三杯酢もて  (花劇)気分転換。名古屋市市政資料館。病院から帰ってきた先代E-M5で。...

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みだれみだるる

塚本邦雄さらばゴヤ畫集は焚かむきさらぎの寒冷蕁麻疹消ゆるまで  (星餐図)殺蟲劑撒かるる冬の果樹園を過ぐ この戀もみのらず果てむ  (装飾樂句)冬の芥子(けし)ひらかむとして鮮靑のみだれみだるるばかりショパンよ  (歌人)クマは好きです。まだ石徹白(いとしろ)。...

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立志のむかし

塚本邦雄はるかなるかな立志のむかし餘寒永びきて羅漢の肋がまぶし  (黄金律)あたたかきゆふべきさらぎ車駐めてみどり兒に深淵を見しむ  (詩歌變)西班牙語辞典灰緑(くわいりよく)の革表紙血脈のひび現(あ)れつつ二月  (歌人)石徹白(いとしろ)。...

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切れつつ冴えつ ~ きょうは猫の日

塚本邦雄三句切れ切れつつ冴えつ西行よりかすめとつたる砂金いささか  (黄金律)定家三十「薄雪こほる寂しさの果て」と歌ひき「果て」はあらぬを  (風雅黙示録)飼猫をユダと名づけてその昧(くら)き平和の性(さが)をすこし愛すも  (装飾樂句)名古屋市市政資料館で。新しいカメラと修理されたばかりのカメラの動作確認のために名古屋市市政資料館に行きました。この建物は、大正11年竣工の旧名古屋控訴院地方裁判所...

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めざむると

塚本邦雄獻血の血に死者の脈めざむると きさらぎ木苺の欲うしさよ  (靑き菊の主題)單身移轉致候二月盡バス停「糺ノ森」北五丁  (黄金律)きさらぎの熱き胃の腑をかなしめと桶にけむりのごとき白魚  (天變の書)石徹白(いとしろ)で。...

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きさらぎの水さかまきて

塚本邦雄地下工事の赤き湧水溜まりつつ二月、日本の死にいたる傷  (日本人靈歌)きさらぎの水さかまきて石胎のいもうとがラピスラズリみごもる  (歌人)旅ごころありとしもなき如月(きさらぎ)を緋の武者幟濡れてはためく  (豹變)石徹白(いとしろ)へ行きました。石徹白では、明日、積もった雪に灯火を飾るそうです。村全体がきっと幻想的な風景になるのでしょうね。OM-D E-M5ii が届きましたが、帰宅が夜遅かったの...

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まつるべきものわれにあたえ

塚本邦雄雛祭祀(まつ)るべきものわれにあたへいもうとが美しき燈(ひ)を消す  (花にめざめよ)二月、山上にて若者ら猥談す冰煮て熱湯となる閒を  (日本人靈歌)ほつれつつ言葉は空の霞網きさらぎの水反芻(にれが)むわれは  (靑き菊の主題)オリンパスからOM-D E-M5ii を発送したというメールが届きました。明日中には届きそうです。うれしい。...

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二月のピカレスク

塚本邦雄武者隠し窓に二月の陽がかげり『ガリア戰記』の巻末おぼろ  (詩魂玲瓏)靑年の鍵裂きの肩くちひびく二月の悪漢小説(ピカレスク)はじまらむ  (歌人)明日と言へど餘生の一日(ひとひ)きさらぎの太陽にはたづみにうかびて  (豹變)時計が好きです。亀山市関町にて。...

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二月二人

塚本邦雄二月二人の底に眞紅の井戸光りカンパーニュ・プルミエル街の斷水  (水銀傳説)わかわかしきかな黑き二月の夜の天に燈文字(ひもじ)は周りつつ <目には目を>  (綠色研究)余寒ゆふぐれあはきひかりに佇(た)つわれや魂魄は金箔のたぐひか  (詩歌變)うさぎは好きです。カンパーニュ・プルミエル街は、アジェ、マン・レイ、デュシャン、ピカビア、キスリング、サティ、リルケ、藤田嗣治、イヴ・クラインなどの...

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菓子食いて眠らむ

塚本邦雄あなうらを刺す靴の釘なめらかに光りつつ聖ヴァレンタイン祭  (緑色研究)隣家總領華燭けたたましく濟んで二月(じげつ)の花の一言絶句  (黄金律)やみがたき愛など知らず紅き菓子食ひて眠らむかな 二月星  (豹變)皇帝ペンギンその後(ご)の日々(ひび)の行状を告げよ帝國死者興信所  (獻身)バレンタイン・デーといえど、もらったチョコレートは三つのみ。ひとつが帝国ホテル謹製だったので、記念して「...

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美しき飄(はやて)ここに

塚本邦雄きさらぎの娶り何をかめとりたる美しき飄(はやて)ここにとどまれ  (詩歌變)浩然の氣とは二月の竹林に正岡子規の歌をたたくこと  (汨羅變)伯父は伯母をすてたり伯母は伯父をひろひ小字錆屋敷の冬霞  (黄金律)昭和4年築の旧鳥羽小学校。...

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二月星

塚本邦雄二月、われの嫌悪するものえせ隠者、葉牡丹、さらしくぢら、湯婆(ゆたんぽ)  (風雅)二月星父となりても脣(くち)赤くあらたまざりし金釘流  (歌人)彼奴(きやつ)が死なばわが歓びはきさらぎのきりぎしに咲きみちたる椿  (花劇)鳥羽をさらに彷徨。...

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酸化鉄板の間で

塚本邦雄婚姻の父母のそのかみ淡つけく雪はふる酸化鐡板の間(あひ)  (水銀傳説)掌(て)ににじむ二月の椿 ためらはず告げむ他者の死こそわれの楯  (星餐図)洎夫藍酒(サフランしゆ)に魂魄ゆるびゐたりけり二月もなかばすぎてショパン忌  (風雅)ショパンの命日は10月なのに、なぜ2月にショパン忌なのか分かりません。生誕の日をあえて忌日といったのでしょうか。桃の節句の華やぎが苦手なわたしは、連日のおひな...

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