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archive: 2014年11月  1/2

一度喰いたいカヤの実あられ

塚本邦雄「寝物語」は美濃と近江のさかひなる字(あざな) 語らむ寒の片戀  (歌人)戀に一切ふれざるも亦戀にして飛驒のみやげの榧の實あられ  (黄金律)夜の蝶の翅ひろげたるけはひあり熱兆しつつさむきわが額(ぬか)  (装飾樂句)石榑峠へむかう国道421号、別名八風街道の途上で。...

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二十一世紀まであゆみつづけむ

塚本邦雄芒原(すすきはら)足音消してあゆみをり二十一世紀まであゆみつづけむ  (黄金律)ほろびつつ生きむわれらに綠靑の霜降るごとし那智のかなかな  (されど遊星)かすみつつ蜩(かなかな)の天(そら) 殺靑(さつせい)のことばはこゑのかぎりを生きよ  (蒼鬱境)21世紀にはなりましたが、まだ歩きやまず。石榑(いしぐれ)峠。『蜩(ひぐらし)というのはこの世に未練を残しながら死んでしまった人の声だという...

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どこか違いどこかが同じ

塚本邦雄父あらば九十九 霜夜浅うして謡ふべし嗄(か)れ嗄(か)れの「猩猩」  (歌人)どこかちがひどこかが同じ愛を欲りやまぬ若者の舌、犬の舌  (日本人靈歌)くれなゐの疫病(えやみ)みぞれの中の紅葉  (甘露)石榑(いしぐれ)峠。...

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ひそかにすすむ

塚本邦雄市に肩ふれしはむかしうめもどき逆手に提げてとほきひとづま  (詩歌變)髪油(はつゆ)つめたく額(ぬか)ににじめり自らの葬(はうむ)りの備へひそかにすすむ  (装飾樂句)いつまでもルイス・ブニュエルの伴(とも)秋果つる今日黄ダリアの斷首然るべし  (靑き菊の主題)石榑峠。塚本邦雄はべつのところで、落霜紅總領息子食ふや食はず(甘露)と、うめもどきを「落霜紅」と書いています。落葉して霜が降り寒さ...

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明日ある霜月

塚本邦雄初霜の近江故旧の姓はいさよみがへるそのボーイソプラノ  (歌人)なほ茂吉を越えむ明日あり霜月の萬年青(おもと)の実おぼつかなき紅  (花劇)すさまじきもの霜月のうまごやし、うまのあしがた、うまのすずくさ  (天變の書)霜の硝子の雲母(きらら)剥ぎつつ神(しん)曇るやまひのみなもとをわれは問ふ  (星餐図)石榑(いしぐれ)峠。石榑は、むかし伊勢神宮の荘園だったのが、室町時代には京都の公家と在...

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霜月のよすが

塚本邦雄海彦は水葱少女(なぎをとめ)得て霜月のうらうらととほざかりし白帆  (歌人)磊落に洟(はな)かむことも霜月のよすが戦艦「安芸」の悪友  ( 〃 )祭果てて朝なまぐさき散紅葉綿菓子売りが荷をしまひゐる  ( 〃 )宇賀渓。そろりと年賀状の準備が進行中。図柄に使うため、いまは使っていないカメラと露出計を持ち出して。...

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嶺に触れ

塚本邦雄こよひ巴里に蒼き霜ふり睡らざる惡童ランボーの惡の眼澄めり  (水銀傳説)われにありける名利(みやうり)の絆月山(くわつさん)の山巓にして月飛ぶごとし  (黄金律)わが胸のあたりに翳(かげ)す月山(ぐわつさん)の絶巓に觸れきたりし白雲  ( 〃 )宇賀渓。渓谷に向かう入口からキャンプ場までの間で。...

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勤労の安息日

塚本邦雄餘情妖艶の體を詠みつつ世は秋のすゑ血脈に霜のにほひ  (黄金律)勤勞のさむきよろこび安息日とてつややかに死せる煙突  (日本人靈歌)宇賀渓。鈴鹿セブンマウンテンの一つ、竜ヶ岳のすそにある渓谷です。いなべ市大安町。そこの工事現場で本日。...

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町駆けめぐり

塚本邦雄蝶墜ちて空氣さびしきあらがねの地震観測所裏初霜  (黄金律)秋ぼたる冬をとこへしかなしくばときをり死んで見るも一興  ( 〃 )清掃車夕霧の町駆けめぐり失寵の犬 喪家の夫人  (緑色研究)紅葉に飽きたので、また大野にもどって。大野みやげは卓上時計。箱には、木工房 翡翠(かわせみ)という栞が入っていました。材は「はんのき」。露出計は、むかし使っていたものを年賀状のデザイン用に持ち出してきたも...

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淡き火花と

塚本邦雄咳(せ)けば淡き火花となりて飛び去らむわがてのひらの鶺鴒一羽  (豹変)祈り殺されてなるものかは舌にふるるつゆじもの熟柿つめたし  (花劇)越美北線(九頭竜線)九頭竜湖駅で。東京国立近代美術館で、奈良原一高「王国」のプリントが2010年度に寄贈されたことを受けて、展覧会が行われているそうです。見にいきたいけど東京は遠い。しかたがないので、むかし買った本でがまんです。ついでに同じシリーズの本も引...

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羊に色

塚本邦雄檻ぬれし夜はねむられぬ羚羊(かもしか)に色硝子製受胎告知圖  (水葬物語)九頭竜で。...

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たましい遊ぶ

塚本邦雄霜月と鴨跖草(つきくさ)絶ゆる よこがほのイエスのむかうがはのもみあげ  (星餐図)火の星のふふめる酸味 晩秋のこころ病みつつたましひ遊ぶ  (天變の書)九頭竜で。...

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除外例ある

塚本邦雄智慧熱の甥におくらむ星崎の沖の闇なる星二、三粒  (黄金律)桃山産婦人科メスの音(おと)さやぎ除外例ある生のはじめ  ( 〃 )耳ありて人ごゑを聽く罰あはれかの地ふるさとならぬ石動(いするぎ)  (星餐図)大野が続いたので、気分転換に九頭竜で。石動は富山と石川の境にある地名なので、九頭竜と同じ北陸つながりで。昨夜は、おうし座と、しし座の流星群が見られたとか。星二、三粒みられたのでしょうか。...

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紅(こう)のまぼろし

塚本邦雄霜の香のほのかにわれの思へらく死なむ吾妹(わぎも)におくれて死なむ  (風雅)膿盤に霜、はたサン・セバスチャンの腹纒(ま)く甘き縄目を悼み  (星餐図)愛恋のおそろしきかな霜月の百日紅に紅(こう)のまぼろし  (花劇)大野市。...

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しかもけわしき霜月

塚本邦雄九年母のふつふつ苦し夕霜になにゆゑよみがへる歓喜天(くわんきてん)  (豹変)あはあはとしかもけはしき霜月の塋域(えいゐき)にしてあそぶ女童(めわらは)  ( 〃 )大野市。九年母はミカン科の植物で実は独特の香りがあり珍重されたそうです。きのうアジェとアボットを言ったので、解説代わりに、「写真の見方」(細江英公 澤本徳美 新潮社)から引用。ユージェーヌ・アッジェ彼の写真が作品として認められ...

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