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archive: 2014年10月  1/2

秋のくれのこれより

塚本邦雄うぐいす二羽もとめきたりて秋のくれのこれより一日一日(ひとひひとひ)老ゆ  (豹変)黄葉(くわうえふ)に透くうすき肉人妻の一人はむかしの蜻蛉(あきつ)  (睡唱群島)近江八幡。...

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秋がうしろ見

塚本邦雄月光の貨車左右より奔り来つ 決然として相觸るるなし  (星餐図)われに敗れし男は一人、晩秋の晩餐の鮎残しておかう  (約翰傅偽書)君よわれにひたとよりそへ秋がもう白々とうしろ見する頃なり  ((歌誌『木槿』 1947年12月号))近江八幡。...

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秋風に去(い)に、秋風を行く

塚本邦雄ムスタキもはや秋風の市中(いちなか)に去(い)ねさにづらふ紅茸少女(べにたけをとめ)  (閑雅空間)まむかひて秋風を行く今生にわれは何を歌はざりしか  (不變律)近江八幡。1978年12月の美術手帖。回顧ではなく、現在の問題として。...

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ほかにおもうべきことある

塚本邦雄太陽がちぎれちぎれに野分後の民衆廣場(ポポロひろば)の潦(にはたづみ)百  (汨羅變)漢和辞典に「荒墟」ありつつ「皇居」無し吾亦紅煤色になびける  (魔王)ほかにおもふべきことあるに秋の夜の薨去の薨の夢のかけら  (不變律)近江八幡。また、1964年東京オリンピックオフィシャル・スーベニア。(昨日まで、”アニバーサリー”と書いていたのはまちがいでした。老衰か。)国鉄・新幹線の紹介の最後は、「鉄...

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秋をこもる罪とは何

塚本邦雄蛮声の従兄(いとこ)チリにて栄ゆらく海に落ちたる秋の雷(いかづち)  (豹変)父に殴られたる記憶無し 十月の絲杉の黒緑(こくりよく)の鬚かほる  (日本人靈歌)星住画伯秋をこもれり罪ありて水晶体赤道をわづらふ  (歌人)近江八幡。最近、撮影していないので、いつまでたっても近江八幡。世間は秋だというのに、それらしい写真がありません。言い訳がわりに、また、染谷學・大西みつぐ・築地仁『「写真」のは...

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刻はひるさがり

塚本邦雄薔薇の木に刺さる滿月主(しゆ)はひとり寂しきところにて禱りたまふ  (靑き菊の主題)明り障子の手掛の紅葉祖父(おほちち)の死の刻はひるさがりと伝ふ  (花劇)近江八幡。50年経ちました。ウキウキした空気はありましたし興奮することもありましたが、感激したという記憶はありません。まだ子供でした。1964年東京オリンピックオフィシャル・アニバーサリー。紙フェチであっても、整理整頓のできないわたし...

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きよらかに立ち

塚本邦雄母ならざればかくきよらかに老娼婦立ち かすみたつ黒森(シユワルツ・ワルト)  (緑色研究)うすべにの秋の曇りに硝子壜吹けり火の硝子ぞ世を劃(かぎ)る  (されど遊星)原爆忌忘るればこそ秋茄子の鴨焼のまだ生(なま)の部分  (魔王)近江八幡。 塚本邦雄が原爆忌やナチィズムや警察官を詠んだ歌を引用するとき、躊躇する心が起こります。社会通念や良識に反するような表現がでてくるからです。しかし、言語...

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ありすの夢の秋

塚本邦雄ノアのごと祖父ぞありける秋風にくれなゐの粥たてまつるべし  (歌人)秋夜寶石店出て母の咳(しはぶ)くは洪水のさきぶれのごとしも  (水銀傳説)ルイス・キャロルありのすさびの薬瓶割れて虹たつなり夢の秋  (されど遊星)近江八幡で。先日、土門拳の露光時間30分のことを紹介しました。かれが言いたかったことを、染谷學・大西みつぐ・築地仁『「写真」のはなし』から。被写体に刻まれた「時」(染谷 學)機...

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草雲雀

塚本邦雄敗れ果ててなほひたすらに生くる身のかなしみを刺す夕草雲雀(ゆふくさひばり)  (初學歴然)くさひばりは、学名Paratrigonidium bifasciatumというコオロギの一種だそうです。近江八幡で。...

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なに信じ合うほほえみ

塚本邦雄市民廣場に秋の熱風ちぢれ毛の犬が花輪を受くえらばれて  (靑き菊の主題)ダリア刈つてあからさまなる庭の秋永福門院の家集つたはらず  (風雅)人間(ひと)が人間(ひと)の何信じあふ微笑(ほほゑみ)か 綱ほつれ遊動圓木ゆがむ  (日本人靈歌)近江八幡。勝手に持ち出した昔の雑誌。女性誌もありました。「それいゆ」1958年2月号。「男性研究」特集だそうです。ノスタルジアもありますが、ライフ誌にならった...

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十月のひるのねむり

塚本邦雄十月の空群青(ぐんじやう)に最終(さいはて)の朝餐(てうさん)として醋(す)の皿ありき  (星餐図)人は妬みに生くるものから 十月のひるのねむりに顕(た)つ靑石榴  ( 〃 )蝕甚の月をのぞむとわかものは指組む肉のその遠眼鏡  ( 〃 )近江八幡。勝手に持ち出した昔の雑誌から、サンケイカメラ1959年6月号。土門の口絵写真がありました。本人の解説も載ってます。露光時間30分だそうです。もっ...

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はるかなるかな殃(わざわい)

塚本邦雄月は朝(あした)、花は黄昏(くわうこん)うすなさけこそ片戀の至極とおもへ  (風雅黙示録)おとろへて坐す黄昏(くわうこん)をコルシカの戀唄赤き針零(ふ)るごとし  (水銀傳説)秋風を踏みつつあゆむ たとへば今日愛國者とはいかなる化物  (汨羅變)はるかなるかな殃(わざはひ)一つひとづまの柑子噛みたる黄丹(わうたん)の口  (感幻樂)近江八幡。近江八幡で菓子舗「たねや」のPR誌をもらってきました...

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あはあはと十月

塚本邦雄一族郎党尋常一様の才有(も)ちてあはあはと十月の男郎花(をとこへし)  (風雅)こころざし今ぞやつるる晩秋のわがやかた鮮黄にともれり  (歌人)近江八幡。昨日、奈良原一高の名前が出たので、そのつながり。昭和32年5月の別冊アトリエ「新しい写真」から。25才の奈良原一高、35才の石元泰博の写真がありました。どちらいかにも彼らの写真と分かるところがすごいです。一方で、この人はハリー・キャラハン...

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零落の明るき

塚本邦雄零落の何ぞあかるき神無月切子の鉢に蝦蛄(しやこ)ねむるなり  (歌人)満月は熟れつつ 賜へわが領に鳥目繪(とりめゑ)の斑(ふ)の吐噶喇列島(とかられつたう)  (蒼鬱境)魚を塩に埋めてしづかに悪疫を待つこころ 許嫁者(いひなづけ)らに秋来る  (緑色研究)近江八幡。まえに西井一夫の文を引用した「写真装置 #12 1986/1/10」の冒頭は42人の写真家へのインタビューでした。いまも、そしてこれか...

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かつて心封じ

塚本邦雄月蝕の月ぞしたたるリップ・ヴァン・ウィンクルの愛犬の名「狼(ウルフ)」  (歌人)おとうとの咎うつくしや秋風のかたちのたましひとおもへども  (風雅)ああかつて心封じし母のごとく月は扉(と)のうらがはまで照らす  (星餐図)近江八幡。昭和32年12月の「別冊アトリエ」。親の持ち物だったのを譲り受けた(勝手に持ち出した)しろもの。ニコンSPのポスターをデザインする亀倉雄策が紹介されていました...

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